土地活用どうする?月極駐車場とコインパーキングの収益比較

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土地活用どうする?月極駐車場とコインパーキングの収益比較

本コラムは、所有される土地を駐車場として活用することをご検討中の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

こんにちは!しずなび株式会社です。ご所有の土地を有効活用したいとお考えの方は多いかと思います。駐車場経営を検討すると、月極駐車場やコインパーキングなどの選択肢があり、収益性や運営の手間など、気になるポイントがたくさんありますよね。そこでこのコラムでは、駐車場活用を念頭に置いた土地運用に関して、疑問を解消できる情報を網羅的にまとめました。駐車場経営の仕組み、初期費用の目安、メリットやデメリット、税金面などを詳しくご紹介します。このコラムを最後まで読んでいただくことで、オーナーとして安定収益を得るためのポイントを幅広く理解していただけるはずです。静岡県で駐車場を使った土地活用をご検討の方は、ぜひ最後までお読みください。

駐車場経営の基礎知識

駐車場を使った土地活用を成功させるためには、まず駐車場経営の基礎知識を十分に把握しておくことが大切です。多くのオーナーが選択される方法としては、月極駐車場とコインパーキングが代表的です。月極駐車場は、毎月定額で利用者と契約する方式で、契約期間が長期になりやすいのが特徴といえます。一方、コインパーキングは、時間貸しや一定時間ごとの上限料金を設定する方式で、利用者が短時間利用するごとに収益が積み上がる仕組みです。どちらの形態にするかは、立地条件や周辺の需要、初期投資の大きさなどを考慮して選ぶ必要があります。

駐車場経営を始めるにあたっては、安定的な収入を重視するのか、高い収益率を狙うのかという目的を明確にしておきましょう。月極駐車場なら長期契約により安定収入を期待できますし、コインパーキングは立地次第で高収益を得られる可能性があります。ただし、コインパーキングは管理の手間や設備の導入費用がかさむこともあるため、管理会社を利用するのか自主管理にするのかを十分検討することが大切です。

筆者の知人が静岡県の駅近くに所有していた土地を駐車場として運用しようと考えた際、周辺の駐車需要を調べたところ、コンスタントに利用者が見込めそうだと分かりました。そのため、月極駐車場として整備を進め、実際に始めてみたところ、毎月の固定資産税や土地の保有コストをまかなえる安定した収益が確保できたそうです。もちろん、立地や運用形態によって収益性は異なるものの、まずは基礎知識を押さえたうえで、どれだけ需要があるかを見極めることがポイントです。

また、駐車場経営には細かな許可・届出の要否、利用規約の策定、導入設備の選定など、さまざまな準備が必要です。成功させるには、管理会社や専門家と連携しながら計画を進めるとスムーズに対応できるでしょう。

土地活用としての駐車場経営のメリット・デメリット

駐車場を使った土地運用を検討される方は、実際のメリットとデメリットをきちんと把握したうえで決断したいですよね。ここでは、4つの視点からメリット・デメリットを解説します。

メリット

  • 1つ目は、初期費用が建物投資より低いことです。地面を整地してコンクリートなどで簡易舗装し、区画線を引くだけで開業できるケースが多く、大規模な建築が不要な分、比較的少ない資金でスタートできます。
  • 2つ目は、建築審査などの制約が少ない点です。建物を建てる場合に比べて、駐車区画のレイアウトは自由度が高く、建築基準法上の厳しい審査を受けなくてもよい場合が多いです。
  • 3つ目は、月極駐車場であれば長期契約により安定的な収益が得られることです。満車状態が続けば、毎月の賃料を計算しやすく、投資回収プランも組み立てやすいでしょう。
  • 4つ目は、転用や売却がしやすい点です。建物のように撤去費用が大きくかからず、状況に応じて土地の処分や活用方法を変えやすいといえます。

デメリット

  • 1つ目は、建物投資ほどの大きな利益は期待しづらいことです。月極駐車場の場合、1台あたりの月額料金が高くない地域だと大きく利回りを伸ばすのは難しいでしょう。
  • 2つ目は、コインパーキングを運営する場合、ゲートや精算機などの設備に初期費用がかかる上、料金の設定を誤れば空きが目立つリスクがあります。立地や需要のリサーチをしっかり行うことが大切です。
  • 3つ目は、駐車場経営が立地条件に大きく左右される点です。周辺に十分な利用需要がなければ、稼働率が上がらず空きスペースが増えてしまいます。
  • 4つ目は、アパート運用など建物を建築する場合と比較して、土地に対する固定資産税が高くなることです。建物を建てる場合は住宅用地の減税特例が適用される場合がありますが、更地や駐車場として利用していると減税の対象外となり、実質的な税負担が増える可能性があります。

月極駐車場とコインパーキングの比較

月極駐車場とコインパーキングの比較

駐車場経営を実際に始める際は、月極駐車場かコインパーキングかで迷われるケースが多いです。

月極駐車場の特徴

ポイント:安定的な賃料収入を得やすいです。
理由:長期契約になりやすく、空き区画が少なければ毎月の家賃として安定収益を見込めます。
注意点:管理コストが比較的低めなので、安定を重視する方や大きな手間をかけたくない方に向いています。

コインパーキングの特徴

ポイント:立地次第では高い収益を狙えます。
理由:商業施設や駅前など、人や車の往来が多い場所に設置すれば、短時間利用が積み重なって月極以上の売上を得られる可能性があります。
注意点:ただし設備導入費や管理会社への委託料などがかかるため、初期投資や日々の維持コストを見込んで経営計画を立てる必要があります。

駐車場経営の収益と利回りシミュレーション

駐車場を使った土地活用を検討される方は、どの程度の収益や利回りが得られるかを知りたいはずです。ここでは、月極駐車場とコインパーキング双方のシミュレーション例をご紹介します。

月極駐車場の場合

例えば1台あたりの月額料金を1万円に設定し、10台分が埋まっているとすると、月の収入は10万円です。管理費用(清掃・ラインの再塗装積立などで月2万円)を差し引くと、8万円ほどが手残りというイメージになります。初期投資に200万円かかったと仮定すると、表面利回りは約48%という高い数字に見えますが、実際には土地取得費用や修繕コスト、固定資産税なども加味する必要があるため、実際はさらに下がります。

コインパーキングの場合

1時間200円の時間貸し料金と1日最大1,200円を設定し、20台がすべて順調に回転したとして、1日あたりの理論売上を試算してみます。仮に1区画が1日2回転し、各回転2時間利用(400円)で合計800円/台/日とすると、20台で1日16,000円、月間で48万円が最大売上になります。ただし、精算機やゲート機器のリース料、メンテナンス費用、管理委託料などが引かれますし、立地によっては稼働率に大きく差が出ます。見込み通りの売上を得るには、周辺需要を綿密にリサーチすることが肝心です。

駐車場経営の初期費用と運営コスト

駐車場経営の初期費用と運営コスト

駐車場経営を始める際に見落としがちなのが、初期費用と運営コストです。初期費用としては、整地・舗装工事や区画線の引き直し、フェンスや看板、照明設備などが挙げられます。更地の場合でも、最低限50万~300万円程度がかかることもあるので、事前の見積もりが重要です。コインパーキングの場合は自動精算機やゲートシステムを導入する費用がさらに加わり、月極駐車場より初期費用が高額になりやすいです。

運営コストとしては、管理会社への委託料や保険料、修繕・清掃費などが定期的にかかります。管理を自分で行う場合、機器トラブルやクレーム対応をオーナー自身が行う必要があり、手間と時間を取られる点に注意が必要です。特にコインパーキングは利用者の入れ替わりが多いため、トラブルの可能性が高く、清掃や集金などの頻度も月極より大きくなりがちです。

月極駐車場の整備に約150万円程度で済んだ例もあれば、コインパーキングに精算機や電光看板を設置し、300万円以上の初期費用がかかったケースもあります。いずれにせよ、十分なシミュレーションや資金計画を立てたうえで形態を選択することが大切だといえるでしょう。

土地購入の流れ(新規購入の場合)

もともと所有している土地を駐車場にする方だけでなく、新たに土地を購入して駐車場経営を始めたい方もいらっしゃるでしょう。その場合、まずは駐車場向きの土地を探すところからスタートします。駅や商業施設、オフィス街に近く、需要が見込める場所を検討しつつ、周辺に競合する駐車場が多い場合は価格競争を想定する必要があるかもしれません。

土地を購入する際は、自己資金でまかなうのか、金融機関の融資を利用するのかを検討します。融資を受ける場合、土地の担保評価や自己資金の割合が融資額に影響するため、事前に銀行などと相談しておきましょう。購入後は、月極駐車場にするのかコインパーキングにするのか方針を固め、管理会社を利用するか自主管理を行うかを決めます。管理会社を選ぶ際はサービス内容や手数料、実績などを比較検討し、信用できるところを選ぶことが重要です。

駐車場経営の成功事例と失敗事例

駐車場を活用した土地運用のイメージをつかむためには、成功事例と失敗事例を知ることが役立ちます。ここでは代表的な事例をいくつかご紹介します。

成功事例

駅徒歩圏内でのコインパーキング運営

駅から徒歩圏内の好立地に土地を所有するオーナーが、通勤客をメインターゲットに据えてコインパーキングを開業しました。平日の朝から夕方までを割安の長時間利用枠とし、夜間や休日を短時間利用向けの料金に設定するなど、時間帯別にメリハリのある価格体系を導入しました。その結果、稼働率が高く安定した収益を確保し、近隣の他駐車場との差別化にも成功しました。

住宅街での月極駐車場

駐車スペース不足が顕著な地域で、月極駐車場を開業したオーナーの例です。地域柄、車を2~3台所有する世帯が多く、あっという間に契約が埋まって常時満車になりました。長期契約による安定収入が大きなメリットとなっています。

失敗事例

ターゲット層の想定が甘かったコインパーキング

繁華街に近い場所で深夜帯の利用を狙ったコインパーキングを始めたものの、実際には深夜営業をしている店舗が少なく、夜間の利用率が大幅に低かった事例です。昼間の利用者も想定を下回り、収益が計画に届かず、早期の運営方針転換が必要になりました。

月極駐車場の空き区画が埋まらない

ライバルの多い地区で月極駐車場として運営を始めたものの、差別化された点がなく満車までに長い時間がかかってしまった。

駐車場経営における税金と負担

駐車場による土地活用を行う場合も、税金やその他のコストを理解しておく必要があります。土地には固定資産税がかかるため考慮をする必要があります。

また、事業規模や経営形態によっては所得税や事業税などの追加負担が発生する可能性があります。修繕費や清掃費なども経費として計上できる場合があるため、税理士などの専門家に相談しながら青色申告などを活用するのがおすすめです。税金や経費も含めたトータルの収支計画を立てることで、長期的に安定した経営を目指しやすくなるでしょう。

契約と管理のポイント

駐車場経営を長期的に安定させるためには、契約面や管理面での注意点を押さえておくことが不可欠です。月極駐車場なら、利用者との賃貸借契約書に賃料や契約期間、支払い方法、管理責任の範囲などを明確に記載することが大切です。契約内容があいまいだとトラブルが発生した際にスムーズに対応できません。

コインパーキングを運営する場合は、設備導入時に契約する管理会社の業務範囲をよく確認しましょう。集金やクレーム対応、設備のメンテナンスなど、どこまで委託できるのか、どの程度の手数料が発生するのかを事前に把握しておく必要があります。

近年は、一括借り上げを利用するオーナーも増えています。固定額の賃料を管理会社から受け取れるため、稼働率に左右されず安定収益を得られるのが大きな魅力です。副業として駐車場を運営される方や、高齢の方など、管理に手間をかけたくない場合にも向いています。

まとめ

月極駐車場とコインパーキングという形態の違いや、立地条件による稼働率、初期費用・管理コスト、税金などを総合的に検討すれば、駐車場経営による土地活用の可能性が見えてくるはずです。安定的に収益を狙いたいなら月極駐車場、高い利回りを狙うなら立地を選んでコインパーキング、といった形でオーナーご自身の目的に合った手法を選ぶことが成功への近道となります。また、一括借り上げサービスを利用すれば、月ごとの変動が少なく、安定した収益を長く得ることも可能です。

しずなび株式会社では、オーナーと管理会社をマッチングするサービスを提供しており、賃料が毎月安定する一括借り上げ商品も取り扱っています。さらに、コインパーキングを運用する上で必要な【建物の解体・整地・舗装費用】をしずなび株式会社が立て替えするサービスもあり、駐車場経営が初めての方でも安心して事業スタートすることが可能です。
しずなびパーキング

静岡県で不動産購入、賃貸物件探し、駐車場経営など、不動産に関わる事なら、しずなびへご相談ください。セキスイハイムの中古住宅、賃貸アパートを中心に、静岡県の様々な物件が検索できます。また、お部屋探しに役立つ情報や、不動産売却・購入で失敗をしない為のポイントなどもご紹介しています。静岡県の不動産のことは私たちがお手伝いします。

この記事の監修者
しずなび株式会社 瀬戸 尊史
瀬戸 尊史
資格

宅地建物取引士/住宅ローンアドバイザー/スムストック住宅販売士

静岡県内の不動産業界一筋で20年以上の経験を持つスペシャリスト。不動産売買において豊富な実績を積み重ね、累計で社内表彰6回、全国表彰3回を達成。特に2019年度には、年間実績でセキスイハイム不動産グループ全国第1位を獲得するなど、その卓越した実力と信頼性を証明しています。資格を活かした専門的なアドバイスと、顧客のニーズに寄り添った丁寧な対応が強み。不動産のプロフェッショナルとして、多くのお客様に満足と安心を提供している。
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