リースバックのリスクとトラブル事例|契約前に知っておくべき対策ポイント

こんにちは!しずなび株式会社です。
リースバックを検討している方は、次のような不安や疑問を抱えていませんか?
- 「リースバックのリスクやトラブルを事前に知りたい」
- 「家を売却しても住み続けたいが、本当に安全なのか不安」
- 「実際に起こったリースバックのトラブル事例を知って対策したい」
こうした声は、近年ますます増えています。背景には、日本全体の高齢化と資産活用の多様化があります。総務省統計局のデータによると、持ち家世帯の約6割は60歳以上の世帯主が占めています。その中には「老後資金の確保」「相続対策」「ローン返済負担の軽減」といった理由で自宅を売却しようと考える方が多くいます。
しかし、「住み慣れた家を離れたくない」という思いから、リースバックという選択肢を知り、魅力を感じる方も少なくありません。実際、私のもとにも「すぐに現金が欲しいが、できればこの家で暮らし続けたい」という相談は頻繁に寄せられます。
一方で、契約後に予想外の出費や条件変更、退去の要請などに直面し、「もっと事前に知っておけばよかった」と後悔する事例も後を絶ちません。
この記事では、「リースバック トラブル」「リースバック リスク」に関する最新かつ具体的な情報を網羅的に解説します。読むと、次のことがわかります。
- リースバックに潜む主なリスク
- 実際に発生したトラブル事例とその原因
- トラブルを避けるための具体的な対策
- 失敗しないための3つの重要ポイント
これからリースバックを検討するご家族や、既に業者から提案を受けている方は、ぜひ最後まで読んでください。
リースバックに潜む主なリスク
リースバックは便利な制度ですが、仕組みの性質上、注意すべきポイントが多くあります。ここでは、代表的なリスクとその背景を解説します。
売却価格が市場より低くなる
リースバックでは、買取価格が市場価格より低く設定されます。一般的に50〜80%程度が目安で、理由は買主側が再販売や賃貸経営のリスクを見込むためです。
例えば市場価格が2,000万円の物件でも、リースバックでは1,000〜1,600万円の提示になることがあります。差額が数百万円に及ぶため、「手元資金を増やしたい」という目的で始めたのに、思ったより現金が残らず計画が狂うこともあります。
実際に、ある60代の男性は市場査定で2,300万円と出た物件を、リースバックを利用し1,650万円で売却しました。契約後に他社査定の金額を知り、「もっと高く売れたのでは」と後悔していました。
家賃が相場より高く設定される
リースバックの家賃は、売却価格と利回りを基に計算されます。利回りは年9〜12%が多く、これにより家賃が周辺相場より高くなる傾向があります。
例えば売却額1,500万円・利回り8%なら、年間家賃は120万円(月額10万円)です。近隣の同等物件が月7万円なら、差額は毎月3万円、年間36万円の負担増となります。さらに固定資産税や修繕積立金が別途かかる場合もあり、契約前に総額を把握しないと、数年後に生活を圧迫します。
定期借家契約が多く更新保証がない
多くのリースバックは定期借家契約で、期間は2〜3年が一般的です。法律上、定期借家契約は期間満了で自動終了するため、更新は買主の判断に委ねられます。
私の経験でも、契約満了後に「更新はできません」と告げられ、やむなく引っ越しをした事例があります。高齢者や持病がある方にとって、短期間での転居は大きな負担です。
住宅ローン残債が売却額を上回ると成立困難
オーバーローン状態(ローン残高 > 売却額)では、売却金額でローン完済ができず、リースバック契約が成立しないことがあります。残債を自己資金で補う必要があるため、事前に金融機関と相談し、返済計画を明確にすることが重要です。
実際に発生したトラブル事例とその原因
ここからは、実際に寄せられた相談をもとに、代表的なトラブル事例を詳しく紹介します。
家賃の急激な値上げ
契約時に「家賃は据え置き」と言われても、契約書にその文言がなければ、更新時に大幅な値上げが行われることがあります。
ある高齢夫婦は、月8万円から10万円に引き上げられ、生活費のやりくりが苦しくなりました。値上げ理由は「固定資産税や修繕費の上昇」とされましたが、事前説明がなかったため不信感が募りました。
契約更新拒否による退去要請
定期借家契約は、期間満了で終了します。契約更新を拒否されれば、退去せざるを得ません。
70代の女性は「終身住める」と信じて契約しましたが、3年後に「契約終了」と告げられました。高齢で新居探しが難しく、家族も遠方に住んでおり、精神的な負担は非常に大きかったそうです。
買い戻し特約が行使できない
契約書に「買い戻し可能」と書かれていても、条件があいまいな場合、実際には行使できないことがあります。
ある男性は、5年後に同額で買い戻せると思っていましたが、実際には「市場価格に応じた再計算」が行われ、当初の1.5倍の価格を提示され、断念しました。
物件の転売による居住継続困難
買主が物件を第三者に転売すると、新しい所有者が契約を引き継がないことがあります。この場合、突然の退去要請に直面します。
特に個人投資家が買主となる場合は転売リスクが高く、契約時に転売禁止条項を盛り込むことが重要です。
業者倒産による契約不安定化
業者の倒産により、契約条件が大きく変わる場合があります。倒産に伴い物件が競売にかけられ、新たな所有者から退去を求められたケースもありました。
修繕費負担が曖昧で高額請求される
借主負担の範囲が不明確だと、経年劣化の修繕費まで請求されることがあります。屋根修理に100万円以上を請求された事例もあり、「これなら賃貸に引っ越したほうが安かった」という声もあります。
相続人とのトラブル
所有権が移転するため、相続時に「家が相続できない」と家族間で揉めることがあります。特に高齢の親が契約する場合は、子ども世代の理解を得ておくことが不可欠です。
強引な勧誘による高齢者被害
「ずっと住める」といった誤解を招く説明で契約させられる事例もあります。国民生活センターには、高齢者からの相談が毎年寄せられています。
トラブルを避けるための具体的な対策
リースバック契約を安全に進めるには、事前準備と冷静な判断が欠かせません。ここでは、契約前に押さえておくべきポイントを、実際のエピソードを交えて解説します。
複数業者で条件を比較する重要性
リースバックの条件は業者によって大きく異なります。同じ物件でも、買取価格が数百万円、家賃が数万円違うことも珍しくありません。以前、ある60代ご夫婦が1社だけに査定を依頼し、そのまま契約を結びました。ところが、契約後に知人から別業者を紹介され査定を受けたところ、買取価格が250万円高く、家賃も月1万円安い条件が提示されたのです。すでに契約を終えていたため、条件を切り替えることはできませんでした。
一方で、別の事例では3社に査定を依頼し、提示条件を表にして比較した方がいます。最終的に市場価格の80%で買い取ってもらい、家賃も周辺相場並みに抑えることができ、生活に余裕を残せました。この差は「比較をしたかどうか」に尽きます。
将来を見据えた家賃と買戻し計画
契約時に払える家賃でも、数年先の生活環境は変わります。定年退職や病気による収入減少、物価上昇などで支払いが重くなることは珍しくありません。実際、50代男性が月10万円の家賃で契約し、現役時代は問題なく支払っていましたが、退職後の年金生活では負担が大きく、半年後に滞納してしまいました。
逆に、契約前に老後の収入や医療費を考慮し、家賃が将来の生活費を圧迫しないよう計算した方もいます。この方は、契約時の家賃をあえて相場より低く抑え、余剰分を貯蓄に回すことで、定年後も安定した暮らしを維持できています。
契約書の細部を読み込む
リースバックで最も見落とされやすいのが、契約書の細かな条項です。口頭での説明と契約書の内容が異なることは珍しくありません。ある女性は「家賃はずっと変わらない」との説明を信じて契約しましたが、契約書にはその旨が書かれておらず、更新時に20%の値上げを通告されました。
別のケースでは、契約前に弁護士に確認を依頼し、家賃改定や修繕費負担の条件を明確に盛り込んだ方がいます。その結果、更新後も家賃は据え置きとなり、修繕費を巡る争いも起こらずに済みました。契約書は「読む」だけでなく「交渉して修正する」ことも重要です。
信頼できる業者選び
業者の信頼性は、契約の安定性に直結します。特に小規模業者や新興企業は、経営状況によっては倒産のリスクがあります。ある契約者は小規模業者と契約し、3年後にその業者が倒産。物件は競売にかけられ、新しい所有者から退去を迫られました。
一方で、上場企業や長年の実績を持つ不動産会社と契約した方は、安定した条件で長期契約を維持できています。契約条件だけでなく、企業の信頼性や経営基盤もチェックすべき要素です。
家族・相続人の合意形成
リースバック契約は、所有権が第三者に移るため、相続時に家族間トラブルの火種になることがあります。高齢の母親が子どもに相談せず契約を結び、亡くなった後に「家が相続できない」と知った兄弟が争った事例もあります。
逆に、契約前に家族全員で話し合いを行ったケースでは、相続発生時も円滑に手続きが進みました。大切なのは、契約を「家族全員の理解と合意の上」で進めることです。
専門家の力を借りる
契約書は専門用語が多く、一般の方には判断が難しい部分があります。不安を感じたら、不動産取引に詳しい弁護士や司法書士に相談しましょう。実際、専門家の助言で不利な条件を修正し、数年後に家賃負担や退去リスクを避けられた例があります。
「相談費用がもったいない」と考える方もいますが、将来的に何百万円もの損失を防げる可能性を考えれば、契約前の相談は十分に元が取れる投資です。
失敗しないための3つの重要ポイント
リースバックは便利な制度ですが、契約後に後悔しないためには、契約前の準備と情報収集が欠かせません。ここでは、特に重要な3つの方法を紹介します。単なるチェックポイントではなく、実際の体験談や注意点を交えながら解説します。
① 契約書を徹底的に確認する
契約書は、後のトラブルを防ぐための唯一の「証拠」です。ところが、多くの方は契約書を細部まで読み込まず、口頭での説明だけを信じてしまいます。以前、ある男性は「買い戻し価格は一定」と営業担当者から説明を受けて契約しましたが、契約書にはその条件が明記されておらず、再購入時には相場の1.5倍の価格を提示されました。
一方、別のご夫婦は契約前に弁護士に契約書を見せ、疑問点をすべて洗い出しました。その結果、家賃の改定条件や買戻し価格の固定など、有利な条項を追加でき、契約後も安心して生活を続けられています。契約書は「読む」だけでなく「交渉して修正する」姿勢が重要です。
② 自宅の適正価格と家賃相場を知る
リースバックの条件が妥当かどうかは、自宅の市場価格と周辺の家賃相場を知って初めて判断できます。市場価格を知らなければ、提示された買取額が安すぎても気づけません。
実際、70代の女性は不動産会社1社の査定だけをもとに契約し、後日別の会社に査定を依頼したところ300万円以上の差があることが判明しました。しかし時すでに遅く、契約解除にも違約金が発生してしまいました。反対に、事前に3社以上の査定を受けた方は、最も高い買取額と適正な家賃条件を選べたため、売却益と生活の両方に余裕を持つことができています。情報は比較して初めて価値が生まれます。
③ 信頼できる買主・相談先を見つける
契約後の安定性は、買主の信頼性に大きく左右されます。経営基盤が脆弱な業者は、倒産や契約条件の一方的変更といったリスクが高まります。実際、小規模な不動産業者と契約したある男性は、業者の倒産によって物件が第三者に売却され、新しい所有者から退去を求められました。
一方で、上場企業や長年の実績を持つ業者と契約した方は、契約条件が安定し、アフターサポートも充実していました。また、不動産に詳しい弁護士やファイナンシャルプランナーに相談しながら業者を選んだ結果、将来の相続や生活設計まで見据えた契約ができたという事例もあります。信頼できる相談先を持つことは、契約内容そのものと同じくらい重要です。
まとめ
リースバックは、自宅を売却しながら住み続けられる便利な制度ですが、「売却価格が低くなる」「家賃が高くなる」「契約更新が保証されない」などのリスクがあります。契約書の不備や説明不足が原因で、家賃値上げや退去要請といったトラブルが発生するケースも少なくありません。
こうしたリスクを避けるためには、複数業者の条件比較、将来を見据えた家賃計画、契約書の細部確認、信頼できる業者選びが重要です。事前の準備と冷静な判断が、契約後の安心につながります。
しずなび株式会社は、そのようなトラブルを未然に防ぐため、まずは相談者の悩みや希望を十分に把握し、提案できるリースバック条件を丁寧に説明することを念頭におき、取り組んでいます。静岡県内のリースバック相談はしずなび株式会社にお任せください。

宅地建物取引士/住宅ローンアドバイザー/スムストック住宅販売士