シロアリ被害のある家を高く売る!必見の売却方法と注意点まとめ

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シロアリ被害のある家を高く売る!必見の売却方法と注意点まとめ

木造建築の大敵であるシロアリに食い荒らされた家は、高額で売却しづらいです。シロアリ被害がある家を売却しようと考えている方、湿気の高い土地でシロアリ被害が心配な方は、以下のような不安を抱いているでしょう。

  • シロアリ被害があると売却価格にどう影響するのか
  • シロアリ被害がある家を相場程度で売却する方法はないか
  • シロアリ被害がある家の売却方法が知りたい
  • シロアリ駆除や予防策が知りたい

本記事では、シロアリ被害が売却価格に及ぼす影響や売却する方法、シロアリ被害が起きやすい家の特徴や駆除・予防策を解説します。

シロアリ被害がある家をなるべく高く売却したい方、売却に備えてシロアリ被害を防ぎたい方は参考にしてください。

シロアリ被害と売却価格

シロアリ被害があると、家の売却価格に影響があります。

シロアリ被害があると、家の売却価格に影響があります。

  1. 1.シロアリ被害が売却価格に及ぼす影響
  2. 2.売却価格を維持するための対策

具体的にどのような影響が出るのか、売却価格を維持する方法を把握しておきましょう。

シロアリ被害が売却価格に及ぼす影響

シロアリ被害がある家は、売却価格が安くなります。物件内の木材がシロアリによって食べられてしまい、強度が下がるためです。
また、シロアリ被害があったこと自体に嫌悪感を持ち、購入を取りやめる購入希望者もいます。
シロアリ被害があることを隠して売却しようとする方も稀にいますが、被害を隠してはいけません。民法第566条には、売却しようとする物件に瑕疵があった場合は事前に通知しなければならないと定められています。これを「契約不適合責任」と呼びます。

第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

【引用】民法 | e-Gov法令検索

売却後にシロアリ被害があった旨が判明した場合は、代金減額請求や損害賠償に応じなければなりません。

売却価格を維持するための対策

シロアリ被害にあった家の売却価格を維持するためには、以下3つの対策が有効です。

  1. 1.シロアリを駆除してから売却
  2. 2.シロアリ被害にあった部分を修繕してから売却
  3. 3.更地にして売却

シロアリ被害がある自宅の売却を検討している方は、参考にしてください。

シロアリを駆除してから売却

シロアリ被害が拡大する前に早期駆除して売却しましょう。早期に駆除すれば修繕も軽度で済み、更地に戻してから売却するよりもコストを抑えられます。
シロアリ被害の度合いによっては、被害があったが駆除済みであることを伝えたうえでの売却を検討しましょう。

シロアリ被害にあった部分を修繕してから売却

シロアリ被害が出ている部分を修繕し、その後売却する方法もあります。修繕後であればシロアリ被害があったとしても、さほど売却価格が下がりません。
ただし、シロアリ被害の度合いによっては数百万円単位の修繕費が必要です。
修繕費があまりに高額になる場合は、更地にしてからの売却も検討しましょう。

更地にして売却

シロアリ被害がひどい場合は、物件を解体し、更地にして売却する方法もあります。解体費用は売主負担となりますが、物件を解体してあるため、シロアリ被害による契約不適合責任を問われることはありません。
また、シロアリ被害で倒壊しそうな建物を売却するよりも高く売れる可能性があります。

ただし、シロアリ被害を受けた建物を解体して売却すると、固定資産税が高くなります。建物がある場合は固定資産税と都市計画税は「住宅用地の軽減措置特例」が適用されますが、解体した場合は上記特例の適用外となるためです。

固定資産税の金額と売却額を計算し、最も高額で売れる方法でシロアリ被害があった家を売却しましょう。

シロアリ被害の兆候

シロアリ被害の兆候

シロアリ被害は早期発見・早期駆除が大切です。被害に気づくためには、シロアリ被害の兆候を知っておく必要があります。

  1. 1.家の中でのシロアリの兆候
  2. 2.家の外でのシロアリの兆候

屋内外で気づくことができるシロアリ被害の兆候を、それぞれ解説します。

家の中でのシロアリの兆候

屋内で気づけるシロアリ被害の兆候は以下の4つです。

  1. 1.床が軋む・畳がフワフワする
  2. 2.壁や柱を叩くと空洞音がする
  3. 3.ドアの開閉が悪くなる
  4. 4.風呂場の木材が変色する

日常生活の中で、以上4つの兆候が現れたらシロアリ被害を疑い、早急に検査しましょう。

床が軋む・畳がフワフワする

床が軋んだり、畳の上を歩いた際にフワフワした感触がある場合は、シロアリ被害の兆候かもしれません。
シロアリは湿度の高い環境を好みますが、床下は湿度が高くなりやすいため、シロアリの温床となりやすいです。

また、シロアリは木材のみならず藁も好んで食べるため、藁製の畳はシロアリの被害にあう可能性があります。

床の軋みや、畳がフワフワするという兆候は経年劣化でも見られるため、見分けは難しいです。判断に迷った際は、専門家に検査してもらいましょう。

壁や柱を叩くと空洞音がする

自宅の壁や柱を叩くと、空洞音がする場合もシロアリ被害の兆候である可能性があります。シロアリは木材の内部を侵食するため、柱や壁に穴が空いて、ポコポコという軽い音がします。

他の壁や柱を叩いて比較し、明らかに軽い音がする場合は検査してもらうと良いでしょう。

ドアの開閉が悪くなる

自宅ドアの開閉が悪くなってきた場合も、シロアリの兆候かもしれません。シロアリが木材を食べ進めると、柱が侵食されて立て付けが悪くなり、ドアやふすまの開閉が悪くなるためです。

もちろん経年劣化や木材の腐食、蝶番の呼称が原因の場合もありますが、立て付けの悪い扉は日常生活に支障をきたすため、点検して原因を特定しましょう。

風呂場の木材が変色する

風呂場の木材が変色した場合も、シロアリの兆候である可能性があります。湿気の高い風呂場はシロアリがこのむ場所のひとつです。風呂場にシロアリが住み着いて木材を食べてしまい、空洞化した内側に湿度が吸収されて変色します。

風呂場の木材が不自然に変色している場合は、点検を呼んでシロアリ検査をおこないましょう。

家の外でのシロアリの兆候

屋内だけでなく屋外でも、シロアリの兆候がわかる場合があります。屋外でのシロアリの兆候を解説します。

ウッドデッキや垣根などがぐらつく

ウッドデッキや垣根がぐらつく場合は、シロアリが発生している可能性があります。屋外にある木材は風雨によって湿度を溜め込み、シロアリが住みつきやすい環境になるためです。
ウッドデッキに穴が空いている、垣根がグラグラしている場合は、シロアリがいないか確認してください。
また、木材以外にも枯葉・ダンボールもシロアリが好む棲家です。庭に枯葉や段ボールなどを放置せず、適切に廃棄するようにしましょう。

シロアリ被害発生のピーク時期

シロアリ被害発生のピーク時期

シロアリは年間を通して活動していますが、被害発生のピークは4月から6月です。4月から6月は気温が高く、また湿度が上がりやすいためシロアリの活動が活発になります。
真冬は気温が低く、空気が乾燥しているため活動が鈍くなりますが、冬眠するわけではありません。

シロアリ被害が起こりやすい家の特徴

シロアリ被害が起こりやすい家の特徴

シロアリ被害が起こりやすい家の特徴は、以下の2つです。

  1. 1.シロアリを引き寄せる建材と構造
  2. 2.土地や環境の影響

自宅が2つの特徴に当てはまる場合は、特にシロアリ被害に気をつけなければなりません。シロアリが好む家の特徴を把握し、しっかり対策しましょう。

シロアリを引き寄せる建材と構造

シロアリ被害が起こりやすい家は、シロアリが好む建材・構造で建てられた家です。シロアリは湿気を好み、風通しが悪い場所に発生します。

  • 床下が低く風通しが悪い
  • 断熱材が地面近くまで敷いてある
  • 水回りに通気口が設置されていない
  • 地下水位が高い

床下が低く風通しが悪い家や、断熱材が地面近くまで敷いてある家はシロアリを引き寄せやすいでしょう。
また、水回りに通気口がない家も、湿気が高くなるためシロアリが発生しやすいです。地下水位が高い土地に建てられた家も、床下が乾燥しづらいためシロアリが発生します。

土地や環境の影響

自宅付近の土地や環境の影響で、シロアリ被害が発生しやすいケースもあります。シロアリが発生しやすい土地や環境は、以下のようなものです。

  • 近隣に沼地や池がある
  • 山林を造成した分譲地
  • 山や林の近くの土地
  • シロアリ駆除が近所で実施された
  • 敷地内に木材・樹木が生えている

沼地や池の近くは土地自体の湿度が高いため、シロアリが好む環境になりやすいです。また山林を造成した分譲地は、元々シロアリが生息していた可能性が高く、その家に建てられた住宅ではシロアリ被害が起こりやすくなります。

また近所でシロアリ駆除が実施された場合も要注意です。土壌は繋がっているため、自宅でもシロアリが発生する可能性は十分にあります。また、敷地内に木材や樹木が生えている場合も、シロアリを引き寄せやすく、自宅に被害が出る可能性があるでしょう。

シロアリ駆除と予防法

シロアリ駆除と予防法

シロアリ駆除と予防の方法は2つあります。

  1. 1.専門家によるシロアリ駆除
  2. 2.自宅でできるシロアリ予防策

シロアリが発生した場合は専門家による駆除を行いましょう。自宅がシロアリ被害に遭いやすい環境の場合は、自分でできる予防策を実施してください。

専門家によるシロアリ駆除

シロアリが発生した場合は、専門家を呼んでシロアリ駆除を行います。専門家によるシロアリ駆除の方法は、主に2つです。

  • バリア工法
  • ベイト工法

バリア工法は木材に薬剤を加圧注入し、シロアリが侵入できないようにブロックする方法です。また土壌部にも薬剤を散布することでバリアを張り、シロアリを締め出します。
非常に即効性が高く、薬剤の効果は5年間といわれているため長期的な対策として有効です。ただし、薬剤に独特のニオイがあるため、ニオイに敏感な方やペットへの配慮が必要となります。

ベイト工法は、家の周りにシロアリが好むベイト剤(エサ)を散布して、シロアリの巣に餌を運ばせて巣ごと駆除する方法です。薬剤の散布が必要ないため、小さなお子様やペットがいる家庭でも安心して利用できます。ただし即効性はなく、段階的に巣が駆除されていくのを待たなければなりません。すでにシロアリ被害が進行している場合は、バリア工法を選んだ方が良いでしょう。

自宅でできるシロアリ予防策

自宅でできるシロアリ予防策はまず、シロアリを侵入させないことです。そのためには、シロアリが好む環境を排除しましょう。
庭や屋外に枯れ葉や段ボールを放置せず、すぐに廃棄してください。湿気の高い環境を作らないために、家の風通しをよくしましょう。
原則家の周りに荷物を置かないようにしたり、通気口を塞がないように気をつけてください。また、庭木が生い茂っている場合などは剪定し、風通しを良くしましょう。

湿度の高い土地に住んでいる方は、ホームセンターなどで手に入る『調湿剤』を使う方法もおすすめです。湿気を防いでシロアリの発生を防いでくれます。ただし、使用の際は床下に潜る必要があるため、作業の際は注意してください。

自宅に雨漏りや水漏れがないか定期的にチェックし、万が一亀裂や破損があった場合はすぐに修理してください。小さな亀裂からでもシロアリが侵入してしまいます。

上記のメンテナンスを日頃から心がけることで、シロアリ被害を予防できます。

シロアリ駆除費用の相場

シロアリ駆除費用の相場

シロアリが発生した場合の駆除費用は、敷地面積や駆除方法によって異なります。目安として、以下の価格を参考にしてください。

シロアリ駆除費用は、1㎡あたり3,000円前後が相場です。
20〜30坪の一軒家であれば、おおよそ20〜30万円程度の駆除費用がかかります。
また、バリア工法とベイト工法によっても費用が変わる点に注意してください。
ベイト工法の方がバリア工法より一般的に費用は高額になります。また、ステーション(ベイト置き場)の数が増えれば、面積にかかわらず駆除費用が高くなる点に注意しましょう。

シロアリ駆除費用は業者によっても異なるため、必ず相見積もりをとって複数の業者を比較してから依頼してください。

シロアリ被害の家を売却する流れ

シロアリ被害のあった家を売却する流れをご紹介します。

  1. 1.不動産会社へ見積もりを依頼する
  2. 2.売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ
  3. 3.不動産会社の決定後、売却方法の決定
  4. 4.内覧を実施して買い主を決定
  5. 5.重要事項説明を済ませて売却契約を結ぶ
  6. 6.住宅や土地を買い主に引き渡し

不動産会社へ見積もりを依頼する

まずは不動産会社に依頼して、家の売却価格を見積もりしてもらいます。
ネットの一括査定などもありますが、シロアリ被害があった物件の場合、シロアリ被害がどの程度かがわからないため正しい見積もりは作れません。
そのため、不動産会社に内覧をしてもらい、シロアリ被害の状況や売却価格を確認してもらいましょう。

シロアリ被害のある不動産の売却方法は2つです。シロアリ被害を修繕して売る。もう一つは家を解体し、更地にして売却をする。
シロアリ被害を受けた物件は売却価格は下がり、ひどい場合は修繕に多くの多くの費用がかかります。そのため、更地にして売却する方が売却価格が高くなることもあります。不動産会社に見てもらいより良い見積もりを作成してもらうことをおすすめします。

売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ

売却は個人売却という方法もありますが、今回のようにシロアリ被害を受けている家は瑕疵の説明責任などがあります。
瑕疵について隠さず正しく伝えて置かなければ、後々に損害賠償等の請求を受けることなどありますので注意が必要です。
そのため、不動産会社に仲介もしくは買取を依頼することで訳あり物件でも売却を行いやすくなります。

不動産会社の決定後、売却方法の決定

売却の流れの最初にご紹介したように、売却方法は以下2つです。

  • シロアリ被害を修繕し売却を行う
  • 建物を解体し、更地にして土地を売り出す

売却方法に併せて修繕もしくは解体を実施していきます。
実施が完了したら、買い主を探すために不動産会社が広告の出稿などを開始します。

内覧を実施して買い主を決定

不動産を購入したい買い主が現れたら、内覧してもらいます。
内覧時には、不動産会社の担当者が買い主に不動産のことやシロアリへの対応について説明します。
シロアリ被害の不動産は他の不動産よりも売却が困難ですが、もし内覧希望者が少ない場合は、不動産会社を変えることも検討しましょう。

重要事項説明を済ませて売却契約を結ぶ

内覧を行い買い主が納得して購入の意志を示したら、売却契約と重要事項説明を行います。
不動産会社が買い主に売却契約と重要事項説明は行いますが、そこで住宅の瑕疵をすべて伝え、問題点をすべて説明していきます。
買い主の質問に対して、後々トラブルにならないように正直に答えていく必要があります。シロアリ以外の瑕疵についても説明が必要になります。もしその他瑕疵にあたるものがある場合は、事前に不動産会社に伝えておきましょう。

住宅や土地を買い主に引き渡し

無事に売却の契約が結べたら、物件や土地、必要な書類などを引き渡していきます。
住居や土地の引き渡しは不動産会社が行うため、売り主側で行うことは特にありません。
無事引き渡しが終われば売却完了となります。

まとめ

シロアリ被害を受けた家は受けていない家よりも売却が困難になります。売却価格が下がるだけではなく、安全に住めるか不安な家という印象も与えてしまうため、売れにくくなります。
今売却を考えられている方だけでなく、いずれ売却を検討している方はシロアリ被害にあわないために、定期的にチェックを行うことや湿気を貯めないようにしていきましょう。

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