マンション見学の留意点
目次
マンションの見学では、ここに注意!
気になるマンションが見つかり、案内を受けたいと思ったときは不動産会社に連絡して見学の手配をしてもらいましょう。 ここでは、マンションを見学する際に注意すべきポイントをまとめました。
未完成の新築マンションの見学
モデルルーム
まだ建設中の新築マンションでは、実際の物件を見られないケースが大半です。その場合、建設地とは違う場所にあるモデルルームを見ることになります。物件によっては、建築中のマンションの1室を見学用にすることもあります。 現地から離れたモデルルームには、代表的な間取りを再現したいくつかのパターンが用意されています。もちろん、あくまでも再現であるため壁の厚さや遮音性などは参考になりません。また、陽当りや部屋からの眺めを確認することもできません。
積極的な情報収集を心がけましょう
そこで大切になるのが、販売担当者とのコミュニケーションや印刷物などから集める情報です。実際の壁の厚さや遮音性を確認できないとしても、展示されている構造物の見本や模型などを見ながら、担当者に質問してみましょう。 建設現場の周囲を自分の足で歩き、街並みの特徴や雰囲気を肌で感じておくことも大切です。
中古マンションを見学する前に
見学日時の調整
売出し中の中古マンションに売主様が居住している場合、いつでも見学できるわけではありません。まずは仲介の不動産会社に連絡し、見学したい日時の候補を伝えましょう。担当者が売主様と日時を調整してくれます。 売主様のお仕事の関係で土日の昼間を指定されることが多いのですが、都合が悪ければ遠慮なく別の日時を希望しましょう。売却を急がない売主様でもない限り、日時の調整に応じてくれるはずです。
見学前に不動産会社が果たす役割
売買仲介の不動産会社は物件の見学前に下見をすることはもちろん、売主様や売主様側の仲介会社と事前に打ち合わせ、見学がスムーズに進むように取り計らうこともあります。また、見学の当日に買主様と売主様がよい雰囲気の中でやりとりができるよう配慮するのも仕事です。 買主様にとって不動産会社の担当者は物件の見方をアドバイスしてくれる頼もしい存在です。
売主様の事情を確認しておきましょう
売主様が個人の場合、可能な範囲で、仲介の不動産会社に売却の事情を聞いておくとよいでしょう。一般的には、不要な不動産の現金化や住み替えという理由が多いのですが、それ以外にも事情がありそうな場合は注意が必要です。特に、登記簿謄本に記載された売主様の所有期間が非常に短い時には、確認を怠ってはいけません。物件そのもののマイナス面や、周辺環境の問題が原因で売主様が物件を手放さざるを得なくなったかもしれないからです。
買主様と不動産会社の見学時の役割を確認しましょう
不動産会社の担当者と一緒に中古マンションの見学に行くときは、買主様との役割分担を明確にしておきましょう。具体的には、不動産の素人である買主様は全体から受ける印象や購入するかどうかの判断に重点を置くべきです。 担当者には専門家の目で物件を見てもらい、隠れた問題点や購入を判断する際に欠かせない注意点を洗い出してもらいましょう。また、売主様に質問しづらいことは、不動産売買の経験が豊富な担当者に代わりに尋ねてもらうことができます。
忘れずに持っていきたいもの
見学では、目に付いた箇所や、他の物件と比較したいポイント、メジャーで測ったサイズ、売主様や不動産会社の担当者に尋ねたいことなど、メモしなければならないことがたくさん出てきます。スマートフォンではなく手書きでメモする方は、しっかりとしたノートや手帳がおすすめです。物件の概要を記した書類やチラシ、インターネットで調べた情報を印刷した紙も忘れないようにしましょう。
また、売主様の立ち会いのもとで見学が行われる場合は、失礼のない服装を心がけましょう。ラフ過ぎる格好で訪問すると、悪い印象を抱く売主様もいます。
担当者との集合場所
不動産会社で担当者と待ち合わせれば、現地へ向かう間に物件の特徴や売主様の事情について一通りの話を聞くことができます。物件が都市部にある場合は駅で待ち合わせてもよいかもしれません。 担当者と何度も打ち合わせたことがあり、すでに相当の信頼関係が構築されている場合は、買主様の自宅で詳しい希望条件や資金計画について詰めた上で、現地へ向かうこともあります。 もちろん、時間がないときや担当者との距離感を保っておきたいケースでは現地集合でよいのですが、道に迷うなどして売主様を待たせないように気をつけましょう。
中古マンションのチェックポイント
見学するマンションが理想の暮らしをかなえてくれるかどうかを判断するとき、欠かせないのは間取りのチェックです。マンション選びで失敗しないための間取りの確認ポイントを挙げます。
水回り
キッチンや浴室、トイレの距離が近いと生活動線が短くなり、暮らしにムダが少なくなります。また、水回りが1ヶ所に集まっていると、リフォームする際のコストを抑えられます。廊下を挟んでキッチンとトイレが離れていないかどうかなど、水回りの位置を確認しましょう。
寝室や子ども部屋
寝室や子ども部屋として使えそうな部屋の位置関係も大切なチェックポイントです。部屋と部屋が廊下で別れていると、将来のライフスタイルの変化や子どもの独立に合わせて部屋をつなげるリフォームが難しくなります。
天井
チラシなどに掲載された間取り図でわかりにくいのが、マンションの下がり天井です。下がり天井は壁の上の方に梁(はり)が出っ張っている部分のことです。使い慣れた大型の家具を運び込んだところ、うまく収まらなかったり、使い勝手が悪かったりするトラブルを防ぐため、下がり天井の位置を確かめておきましょう。
コミュニティーの様子をつかむ
多くの世帯が入居するマンションでは、「どのような人たちが住んでいるか」も暮らしに影響します。中古マンションの場合、買主様はすでに形成されたコミュニティーに加わることになるため、居住者の様子を少しでも知りたいものです。 ただ、短時間の物件見学では居住者と顔を合わせることも少ないでしょう。そこで、コミュニティーの特徴が出やすい共有部分に注目しましょう。
エントランス
マンションの見学に訪れて最初に目にするのがエントランス。きちんと清掃されているか、電球が切れていないかなどを見てみましょう。集合ポストに設置されたごみ箱がチラシであふれていたり、掲示板に古い張り紙が残っていたりするなら、管理に問題がある可能性があります。
ごみ集積所
通常、マンションには専用のごみ集積所が設けられています。この集積所には居住者のモラルや、管理会社の管理体制が表れます。見学の際には必ずチェックするようにしましょう。集積所がきちんと清掃されていればひとまず安心ですが、収集日以外に出されたごみ袋が放置されていたり、こぼれ落ちたごみが片付けられていなかったりする場合は要注意です。
不動産会社の担当者の意見
不動産会社の担当者は、様々な物件の売買を成立させたことがあるだけでなく、入居後にトラブルが起きた事例もよく知っています。そのような担当者が隣戸の通路の使い方や自転車置き場の状態など、共有部分を気にしているようであれば、率直な感想を尋ねてみましょう。ごみ集積所と風向きの関係など、見学当日には気づきにくいポイントまでアドバイスしてくれるかもしれません。
物件を最もよく知っているのは売主様
売主様のお話に注意を向けましょう
見学させてもらうマンションのことを最もよく知っているのは、そこに居住している売主様です。売主様に隠す意思がなくても、初対面の買主様を相手に物件のマイナス面を次々と語ることはないでしょう。
そこで、室内を案内してもらうときには、買主様の話しぶりや態度にも注意を向けておきましょう。 売主様の対応が丁寧で、しっかりとした印象を受けたなら、物件を普段から丁寧に扱っていると推測できます。故障や不具合を未然に防ぐため、定期メンテナンスをきちんと行っていることも期待できます。
売主様に質問しましょう
マンションの室内や共有スペースを一通り見た後で、気になった点を売主様に質問してみましょう。実際に暮らしたときの便利さや近隣の状況、エリアの住環境など、売主様にしかわからないことを教えてもらえます。また、売主様の人柄に触れる機会でもあるため、進んで話してみましょう。 もちろん、見学を終えた時点で購入する気持ちがなくなったなら、無理に質問をする必要はありません。見学に協力してくれたことへの感謝を伝え、辞去しましょう。
見学時にやってはいけないこと
部屋や収納の扉を勝手に開ける
言うまでもなく、売主様が居住中のマンションで部屋や収納を無断で開けてはいけません。見学者を迎えるために邪魔なものを1室に押し込んでいるかもしれませんし、見学に立ち会いたくない家族が控えているかもしれません。
マイナスの感想を述べる
部屋の汚れや間取りの気に入らない点、予想よりも狭く感じたことなど、買主様の主観に基づくマイナスの感想は売主様の前で話さないようにしましょう。相手が不快な思いを抱けば、売買交渉が難しくなってしまうかもしれません。気になったマイナス面は見学の終了後、不動産会社の担当者に伝えましょう。
その場で価格交渉を始める
見学の場で買主様と売主様が価格や条件について話してしまうと、その後の本格的な交渉に影響を与えてしまいます。具体的には、その場でまとまった価格や条件を後で取り消すことは、難しいのです。また、「言った」「言わない」のトラブルを招く原因にもなります。 売主様との交渉は、依頼した不動産会社を通すようにしてください。
見学を終えたら早めに意思を伝えましょう
見学を終えた段階で購入するかどうかの意思が固まっているなら、すぐに不動産会社の担当者に話しましょう。意志が固まるまでには至らなくても、購入に前向きならその旨を伝えてください。 物件を本当に気に入ったなら、他の購入希望者に先手を打たれないためにも、決断は早い方がよいからです。反対に、購入する意思がなくなった場合も、すぐに伝えてください。売主様や不動産会社への遠慮はまったく要りません。
見学は理想のマンションと出会うチャンス
今回は、マンションを見学するときの注意点をご紹介しました。これらのポイントを頭に入れた上で、気になる物件があれば積極的に見学を申し込み、理想の暮らしをかなえるマンションを見つけてください。