間取り図から見る中古住宅の住みやすさのポイント

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間取り図から見る中古住宅の住みやすさのポイント

住みやすい中古物件を購入するためには、間取り図の見方や重視すべきポイントを抑えることが大切です。
住宅や建築に詳しくない方が間取り図を見ても、部屋の広さや設備しかわからず、実際に住むイメージを紐付けられません。

そこで本記事では、間取り図を動線に当てはめて実際の生活をイメージする方法、掃除・風通し、収納スペースなど住みやすい間取りのポイント、間取り図ではわからない情報の確認方法について紹介します。

自分や家族の動線から間取り図に当てはめる

自分や家族の動線から間取り図に当てはめる

間取り図を見るときは、自分や家族の動線を考えながら確認しましょう。現住居での動きと新住居での動線が大きく異なると、慣れるまで生活しにくいと感じる可能性があるためです。ベッドルームからリビング、または洗面所へ直行したいなど日頃の動線を考えて間取り図を見てみましょう。

家事動線

家事動線とは洗濯や料理、掃除など日常的な家事をこなす際に使う経路のことです。家事動線が悪いとスマートに家事ができず、引っ越したあとに後悔するかもしれません。

たとえば、脱衣所のすぐそばに洗濯かごがあり、洗濯機にすぐに服を入れられると洗濯の工程がスムーズです。また洗濯物干し場が洗濯機から近ければ、洗濯物を干す手間を省けます。

また、キッチンも同様に料理をしたあとの配膳、洗い物の動線を考えた間取りになっているかチェックしましょう。キッチンとダイニングが遠いと配膳、洗い物を下げる手間がかかります。またキッチン自体の間取りも冷蔵庫とコンロの距離や広さなど、調理に不便がないかチェックしてください。

さらに掃除のしやすさもチェックしてください。部屋の間取りが複雑だと、各部屋に移動して清掃作業をしなければならず、手間がかかります。なるべくシンプルな間取りの方が、掃除自体はしやすいでしょう。

生活動線

生活動線とは、家族や来客が生活で家を使用するうえでの動線です。たとえば、玄関から自分の部屋までに通る経路、寝室からリビングやトイレなどへの動線を意味します。

自室からリビングまでの動線が複雑だと、家族がリビングに集まるのが面倒になり、団欒の機会が減ってしまうリスクも考えられます。 またトイレがそれぞれの部屋やリビングから行きにくい間取りだと、家族も来客も用をたす際に不便です。

家族皆が生活しやすい動線になっているか、来客が多い家庭はリビングとトイレや洗面所への動線も意識して確認しましょう。

掃除のしやすい間取り

掃除のしやすい間取り

家事動線で大切な掃除がしやすい間取りとは、間取りがシンプルな構造です。間取りが複雑だと掃除のたびに各部屋を移動して掃除機をかけたり、雑巾掛けをしなければなりません。
またマッピング機能の無いロボット掃除機を使用する場合も、構造が複雑だと掃除しきれない箇所が生まれます。

中古住宅の場合は注文住宅のように、間取りを自由に指定できません。極力掃除しやすい間取りを選ぶには、大きな収納があるかチェックしましょう。収納に物をしまえるため床に物を置くことがなくなり、掃除しやすくなります。

風通しのよい間取り

風通しのよい間取り

中古住宅の間取り図を見る際は、風通しが良いかどうかチェックしましょう。風通しが悪いと部屋の空気が滞り、湿気などがこもりやすくなります。湿気によって壁紙が剥がれたり、カビが生えたりするリスクがあるため、風通しは重要です。

風通しが良いかどうかは、間取り図の窓の位置を確認しましょう。窓が住宅の片面に集中していると、一方向からしか風が入らないため、空気が滞りやすいです。窓の直線上に窓やドアなどの開口部があれば風が直線に吹き抜けるため、風通しが良くなります。

収納スペースの形状と大きさ

収納スペースの形状と大きさ

間取り上の収納スペースの形状や大きさも、必ず確認すべきポイントです。洋服を収納するクローゼットだけでなく、衣替えした服を収納して置く場所や、暖房器具や扇風機などをしまって置く場所があるか確認してください。
季節限定で使用する衣類や機器を収納できないと、室内が散らかって見えるうえに掃除しにくいです。
また間取り図の収納を見る際には、クローゼットの扉を開閉するスペースもチェックしてください。扉の開閉部には物を置けないため、思ったよりも家具などを置くスペースが少なくなるケースがあるためです。

収納以外でも使える納戸

収納スペースの形状と大きさ

住宅によっては納戸が設置されている場合があります。間取り図では納戸またはS(2LDKSなど)と表記されます。

納戸・Sとは…建築基準法上で採光や通気性が不足している部屋のことです。居室としてのスペースがあっても法律上居室として表記できないため、納戸と表記されます。

納戸は収納としても使えるため、在宅で仕事する方の仕事部屋や書斎として使われるケースも多いです。ただし納戸にコンセントやエアコンが設置されていない住宅も多いため、居室として利用する場合は必要な設備が付帯しているか確認しましょう。また、通気性が著しく悪く空気がこもる場合もあるため、通気性は良いか、悪い場合はサーキュレーターなどを使って循環させられるか対策を考えておきましょう。

ドアの位置と種類

ドアの位置と種類

間取り図を見るうえでドアの位置と種類も重要です。ドアの場所を見て、移動動線がスムーズかどうかチェックしましょう。 たとえば、二階建ての家で階段を上がった先に廊下があり、廊下の脇にそれぞれの居室へのドアが設置されていれば、居室への移動がスムーズです。

またドアの形状が開戸の場合は扇形に開閉するため、開閉部には物を置けないことに注意しましょう。引き戸の場合は開閉部分に配慮する必要はありませんが、引き戸のレール上に物を置くと開閉ができないため、あまり近くに家具などが配置できません。

リビングはテレビの設置場所をイメージ

リビングはテレビの設置場所をイメージ

リビングの間取りは、テレビの設置場所をイメージして見るとわかりやすいです。原則テレビの前を横切らない動線でリビングに出入りできる間取りを選ぶと良いでしょう。
テレビの前を横切ると見ている人も気が散り、トイレなどで席を立つ際に気を遣ってしまいます。

コンセントに近い位置でテレビを設置すると仮定し、入口のドアからダイニングへ向かう動線、テレビ前からトイレなどへの動線を想像してください。

吹き抜けのメリット・デメリット

吹き抜けのメリット・デメリット

天井から光が差し込む吹き抜けがある家は、明るい印象があり憧れている人も多いでしょう。確かに吹き抜けがあると採光量が多くなり室内が明るく見え、開放感のある部屋に見えます。一方で、メンテナンスの手間や空調の効きにくさなどのデメリットがある点も、把握しておきましょう。

メリット

吹き抜けがあることで光を多く取り入れやすくなるため、部屋全体が明るい印象になるでしょう。昼間は電気をつけなくても部屋が明るく、住んでいても気分が明るくなります。
また吹き抜けは開放感の演出にも効果的で、部屋が広く見える効果があります。

住居で趣味の物を展示したり、インテリアにこだわりたい方にも吹き抜けはおすすめです。吹き抜けがあることで生まれる壁にアートを展示したり、吹き抜けの下に観葉植物などをおくなどすれば、室内に庭があるような部屋を作れます。

デメリット

一方で吹き抜けは多大なスペースを使うため、2階のスペースが狭くなるデメリットがあります。2階の居室が少なくなったり、トイレの設置がない可能性もあるため、生活動線を考えて吹き抜けがある家を選ぶか考えましょう。
またリビングに吹き抜けがある家は天井によって冷暖気が遮断されず、冷暖房効率が悪くなります。また冷暖房を効かせる面積が広くなってしまうため、光熱費も吹き抜けのない家よりも高くなるでしょう。

また吹き抜けの天井部分に設置されている電球の取り替え、吹き抜け上部が窓になっている場合は清掃が大変など、メンテナンスの手間もかかります。

車庫は敷地内の収容台数よりも入れやすさに注目

住居内だけでなく、車庫の間取りも必ず確認しましょう。まず所有している台数分の車が停められることを前提として、広さや乗降スペースなどにも配慮してください。
所有している車の大きさによっては、狭い車庫だと駐車できない可能性があります。あまりにギリギリのサイズだと、ミスによって車や車庫が破損するリスクもあるでしょう。

また家から車庫への出入りや乗降スペースが十分かどうかも重要です。車庫から玄関の動線が悪いと、買い物帰りに荷物を運び込む際に不便を感じます。また乗降スペースが狭いとドアを壁などにぶつけてしまうなどの事故につながります。

間取り図から得にくい情報

間取り図から得にくい情報

中古物件の間取り図から、生活動線や家事動線は想像しやすいです。しかし、間取り図だけ見てもわからない部分があり、実際に入居してからイメージが違ったり、住宅を思うように使えないリスクがあります。
間取り図を見て動線などをイメージしたあとは、必ず内覧しましょう。具体的に間取り図から得にくい情報について解説します。

天井高さ・梁

間取り図からは天井の高さや梁の有無がわかりません。

梁とは…床や屋根を支えるために、天井に設置される建材です。梁を通して柱や壁に重さが伝わり、屋根の荷重を分散させる効果があります。日本の古い住宅に見られる構造です。

間取り図に天井の高さについての記載がないためです。特に中古物件は築年数が古いと天井が低いことがあり、圧迫感を覚える、または部屋自体が狭く見えることがあります。

梁は天井の下部に設置されているため、実際に内覧すると設置しようと思った家具が置けなかったり、想像よりも天井が低いと感じる可能性もあるでしょう。

コンセント

間取り図にコンセントの位置は書かれていないため、必ず内覧して位置を確かめましょう。間取り図だけを見て「ここにテレビを置こう」などと想像しても、コンセントがなければ思ったように配置できません。
延長コードを使うという手もありますが、コード隠しなどの手間もかかるため、想像した配置にできる場所にコンセントがある物件を選ぶことをおすすめします。

玄関や廊下にコンセントがないと、掃除機をかける際に給電できないなど、家事動線にも影響を及ぼすリスクがあります。

また築年数が古い中古物件はコンセントの位置自体が少ないことがあるため、必ず内覧してコンセントの数や配置を確認してください。

まとめ

中古住宅の購入を検討する際に、間取り図から動線を想像することは非常に重要です。家事や家族の動きを想像しながら、実際の生活に適した家かどうか確かめましょう。また間取り図ではわからない天井や梁の高さなども、重要なチェック項目です。 間取り図で動線をイメージしたあとに必ず内覧し、イメージ通りの生活が送れるか確認してください。

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