UA値とは?適した断熱性能の家に住むために

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断熱性能を表す指標、UA値について解説します。静岡県のUA値の基準値や2022年10月に新設された断熱等級6・7についても紹介しています。断熱性能を高めるリフォーム箇所も悩み別に解説!
  • 断熱性能の高いを調べていたら、UA値が出てきた
  • UAのことが、よく分からない
  • 断熱性能の良い家に住むためにはどうしたらいいのか知りたい

UA値は、住宅の断熱性能を表す基準です。
UA値について理解を深めると、自分にとって最適な断熱性能が分かります。

本記事では断熱性能を図るうえで欠かせない「UA値」について解説します。
またケース別に断熱リフォームの方法も解説するため、ぜひ参考にしてください。

UA値とは

UA値(ユーエー値)とは、断熱性能を把握するための指標です。

UA値(ユーエー値)とは、断熱性能を把握するための指標です。日本語では「外皮平均熱貫流率」とも言います。
つまり、室内の暖かい空気・冷たい空気が、どのくらい外に逃げていくかを示す値です。
UA値が小さくなるほど、断熱性能が高いと判断できます。

UA値は、外皮から逃げる熱量を外皮全体の面積で割って求めます。
UA値[W/㎡K]=建物が損失する熱量の合計[W/K]÷外皮面積[㎡]

ちなみに外皮とは、以下の住宅外周部分のことです。

  • 外壁
  • 屋根(天井)
  • 窓(開口部)など

UA値の基準とは

UA値の基準とは

国土交通省は、UA値を断熱等級の基準に用いています。

  • UA値が小さい→等級が高くなる
  • UA値が大きい→等級は低くなる

2022年10月1日に断熱等級6・7が新設されたことにより、2022年12月時点では、最も断熱性能が高い住宅には等級7が、最も断熱性能が低い住宅には等級1が当てはまります。

【参考】住宅性能表示制度の見直しについて-国土交通省

2022年10月1日に新設された断熱等級6・7についてはコラムの後半で解説します。

UA値の基準は地域区分と断熱性能の等級

UA値の基準は、全国一律ではありません。地域区分は四つに分類されており、地域の気候に合わせて基準値に差が設けられています。

UA値の基準は、全国一律ではありません。
地域区分は四つに分類されており、地域の気候に合わせて基準値に差が設けられています。

静岡県の地域区分、静岡県でZEH住宅として認められる基準を解説します

静岡の地域区分は5〜7

国土交通省の地域区分新旧表(令和2年7月時点)によると、静岡県は地域区分5〜7に該当します。

地域区分5 御殿場市、小山町、川根本町
地域区分6 浜松市、熱海市、三島市、富士宮市、島田市、 掛川市、袋井市、裾野市、湖西市、伊豆市、菊 川市、伊豆の国市、西伊豆町、函南町、長泉町、森町
地域区分7 静岡市、沼津市、伊東市、富士市、磐田市、焼 津市、藤枝市、下田市、御前崎市、牧之原市、 東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、清水 町、吉田町

 

地域区分5〜7の等級5に求められるUA値は0.6

地域区分5〜7の等級5に、求められるUA値は0.6です。ちなみに地域区分5〜7でZEH住宅として認められるには、UA値を0.6以下にしなければなりません。

【参考】住宅性能表示制度の見直しについて-国土交通省

つまり静岡県内でZEH対応の住宅にするには、UA値0.6以下が求められます。先述している通り、地域区分によって求められるUA値は、異なります。
詳しくは工務店や不動産会社に問い合わせください。

またZEHついて知りたい方は、ZEHと補助金について解説して記事をご確認ください。
ZEHとは?補助金を利用して中古住宅をリノベーション しずなび不動産コラム

住宅に取り入れられる断熱

住宅に取り入れられる断熱

ZEHは新築住宅だけでなく、中古住宅をリフォームして断熱性能を高めれば認定を受けられます。
しかし「住宅のどこを断熱リフォームすればいいか、分からない」人もいるでしょう。

断熱性能を高めるリフォームでは、以下4か所の断熱を行います。

  • 壁の断熱
  • 窓の断熱
  • 床の断熱
  • 天井の断熱

住宅の断熱性能を高めるために重要なことは、一箇所だけリフォームを行うのではなく、住宅全体のリフォームを行うこと。
なぜなら、一箇所だけ断熱性能を高めても、断熱性能の低い箇所から熱が逃げてしまうためです。
ただ「住宅全体をリフォームできるだけのお金がない」と考える方もいるでしょう。
住宅全体のリフォームができない方に向けて、ケース別に断熱効果の高いリフォーム方法を紹介します

壁の断熱

  • 家全体が冷えていると感じている​
  • エアコンやストーブを使っていても部屋が温まらない

上記の上記のケースでは、壁の断熱をおすすめします。壁は最も住宅を被っている面積が大きく、断熱リフォームの効果が高いです。
壁断熱は以下の3パターンに分かれます。

  • 内断熱
    内断熱では、断熱材を柱や筋交いの間に施工する工法
  • 外張り断熱
    外張断熱では、断熱材で住宅全体を覆う工法
  • ダブル断熱
    内断熱外張断熱どちらも行う方法

ダブル断熱が最も断熱性能を高めますが、費用もかかります。最も安価に済ませたいのであれば、内断熱がおすすめです。しかし断熱の効果が低い点には、注意しましょう。

窓の断熱

  • 部屋の中で窓の近くだけが寒い
  • 結露防止したい

上記の方は、窓の断熱をおすすめします。窓は住宅の中で、最も熱が逃げやすい場所だからです。

冬は暖房器具で温められた熱が58%も窓から逃げてしまい、夏は外の空気が70%も窓から流入します。
【参考】開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?-一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会

そのため窓は住宅に占める面積は少ないですが、断熱リフォームの効果は大きいです。
窓の断熱方法は、より断熱性能の高い窓ガラスに変える方法が一般的です。窓ガラスの種類は以下を参照してください。

  • 断熱複層ガラス
  • 複層ガラス
  • 単層ガラス

断熱複層ガラスが最も断熱性能が高く、費用も掛かります。一般住宅には単層ガラスが使用されるケースが多いですが、断熱性能は期待できません。

床の断熱

  • 靴下を履いていても床が冷たい
  • 冬はスリッパが欠かせない

上記の方は、床の断熱を検討してください。床は直接足が触れる場所のため、寒さを感じやすいです。
床の断熱は、床下に断熱材を入れる方法で行います。床下にもぐって作業するため、床板を剥がすことはありません。ただし住宅の構造によっては、床板を剥がさなければ、施工できないこともあります。
また床の断熱リフォームを行ってもまだフローリングが冷たいと感じる方は、床暖房を入れることも検討してください。

天井の断熱

  • 冬は天井付近が寒く、床付近が暖かい
  • 夏は天井付近が暑く、床付近は涼しい
  • 天井付近と床付近とで、温度差を感じる

上記の方は、天井の断熱がおすすめです。天井の断熱が不十分だと、夏は直射日光で屋根が温められることにより部屋全体の温度が上がります。
また冬は室内の空気が天井から逃げてしまい、室内の温度が下がってしまいます。
天井の断熱は、天井裏に断熱材を敷き込む工法です。ただし天井の構造によっては、天井材を剥がさなければなりません。

断熱リフォームの種類・費用・工期

断熱リフォームの種類・費用・工期

断熱リフォームの種類・費用・工期の目安を以下にまとめました。

断熱リフォームの方法 リフォーム方法ごとの費用相場 工期
壁の断熱 内断熱:約4,000円〜6,000円/㎡
外張り断熱:7,000円〜30,000円/㎡
ダブル断熱:9,000円〜30,000円/㎡
2週間〜1ヶ月
窓の断熱 2万円~30万円/ヶ所 1日〜2日
床の断熱 4千円〜1万円/㎡ 1日〜10日
天井の断熱 4千円〜1万円/㎡ 2日〜10日

リフォームの費用は使う材料や工法、地域によって大きく異なります。詳しくは、工務店や不動産会社に問い合わせください。

2022年10月に省エネ基準が改正され等級6と7の新設

2022年10月に省エネ基準が改正され等級6と7の新設

先述しましたが、2022年10月に断熱等級6と7が新設されました。
静岡県の地域区分5〜7に求められるUA値は、以下の通りです。

  地域区分5 地域区分6 地域区分7
等級7 0.26 0.26 0.26
等級6 0.46 0.46 0.46

【参考】住宅性能表示制度の見直しについて-国土交通省

厳しい断熱等級が新設されたことで、今以上に住宅に高い性能が求められます。住宅の性能が高いと、快適な住環境につながりやすいです。

しかしメリットばかりではありません。断熱等級が新設されたことによるデメリットを、以下に解説します。

  • 補助金等の活用が難しくなる
  • 性能が良いため、費用も高くなる
  • 家の選択肢が少なくなる

補助金等の活用が難しくなる

等級が高くなると、求められるUA値も厳しくなるため補助金の活用が難しくなります。

たとえ補助金の交付が受けられなくても、工事に支障が出ないように資金計画を立てなければなりません。

性能が良いため、費用も高くなる

UA値を低くして断熱等級を上げるためには、断熱性能の高い製品を選ばなければなりません。当然ですが断熱性能が上がるほど、費用も掛かります。
価格に幅はありますが、等級5と比べた場合の価格差は以下の通りです。

  • 等級6:数十万円
  • 等級7:数百万円

補助金を活用できたとしても、価格差を賄えないこともあります。
断熱性能が高まれば、日々の光熱費を抑えられることはメリットです。しかしZEHに対応するための費用が高すぎて、予算感が合わないと断念する方がいることは知っておきましょう。

またZEHビルダー/プランナーに​、ZEHの導入が未達の理由について調査したところ「顧客の予算」との回答が3,383件で最も多く挙げられていました。
【参考】ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業調査発表会 2020-経済産業省 資源エネルギー庁

断熱等級の高い住宅は快適ですが、費用も掛かります。工務店や不動産会社に価格差を確認の上で、断熱等級の高い家に住むのかを判断してください。

家の選択肢が少なくなる

家の選択肢が、少なくなることもデメリットです。先述しましたが、断熱等級6・7は施行されたばかりです。
断熱等級6・7に対応した分譲住宅は、多くありません。そのため立地や価格などを含め選択肢が少ないです。

まとめ

断熱性能を把握するための指標、UA値について解説しました。
物件を検討する際に、断熱性能を確認するにはUA値を参考にしましょう。
断熱性能の高い住宅を選ぶことは光熱費の節約になりますが、性能の高い住宅を建てたり、リフォームで性能を上げるには初期投資費用が大きくかかります。
また、分譲住宅や建売住宅で最初からZEHの基準をクリアしているものは多くないので、自分で設備を調べて選んだり設置するために工務店や不動産会社に注文するなどの手間もあります。

ZEH住宅という条件にこだわらないのであればUA値が0.8以下の分譲住宅を揃えたしずなびの分譲住宅「aru house(アルハウス)」もご検討してみてはいかがでしょうか。
静岡県の省エネ基準のUA値は0.87以下なので、断熱性において基準をクリアしているしずなびの分譲住宅「aru house(アルハウス)」でも、快適で省エネな生活を送ることができます。
しずなびの分譲住宅「aru house(アルハウス)」についてはこちらのサイトでご紹介しています。

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