2015年静岡県西部不動産市場を予測
2015年は10年前の相場で推移。 競わず、焦らず、じっくり選ぼう。
「全体的に地価は下がっているが、場所によっては高値で取引されている土地も少なくない」と中村さん。毎年1月1日時点の地価公示や7月1日時点の基準地価は特定の地点をピックアップして調査するもので、実際に取引される実勢価格とイコールではない。立地や土地形状、接面道路といった諸条件によって土地ごとに価格が決められ、多くの人が欲しがる土地は当然ながら強気な値段となる。中村さんは「地価が下がっても売り手は価格を簡単に下げません。売り手と買い手の目線ギャップが大きいため、現在の取引は低調ですが、買い手に魅力を感じさせるマーケットを掘り起し、満足を提供している成功例もたくさんあります」と強調する。マイナス要素が露出した全体像に捉われることなく、一つひとつ個別に探していけば、これぞという土地に出会えるはずだ。
スタートダッシュは勢いがあったが、途中から息切れ気味の2014年が終わり、間もなく2015年が始まる。円安、株価、増税、雇用、賃金など、生活に直結する話題から片時も目が離せない今後、不動産市場はどのようになるのだろうか。中村さんに予想してもらった。「地価は10年前の相場で推移し、まだしばらく下落が続くと思われます。先ほど申し上げたように建築費高騰で分譲マンション価格の値上がりも避けられないでしょう。でも、こうした状況は決して悲観すべきものではありません。私たちは最もよかった時代を基準に考えがちですが、今の状況が普通であって、その中で最善の選択をすることが大切です。競わず、焦らず、じっくりと選び、納得できる買い物をしていただきたいですね」
住宅購入にあたって住宅ローン金利も見逃せない。最近は変動金利型が人気を集めている。景気の冷え込みに伴い、住宅ローン金利が歴史的な低水準まで低下。特に変動金利型の商品は1%前後まで下がるなど、空前の低金利となっている。住宅ローン金利はしばらく上昇しないだろうという見込みから変動金利でローンを組む人が増えている。将来の予測はなかなか難しいが、潮目が変わっても慌てることがないよう、ライフプランをもとに堅実な住宅ローン返済計画を立てよう。
年が明け、人々の気持ちがリセットされるように不動産市場にも明るい話題を見出したい。引き続き地域の不動産市場動向を追いかけ、幅広く集めた最新情報を発信していく。
編集協力 静岡情報通信