マイホーム建てるなら今が勝負!
消費増税法案が2012年8月10日に成立し、現在5%の消費税率は2014年4月1日に8%、2015年10月1日に10%に引き上げられる公算が強まった。巨額の借金を抱える日本が、懸案である財政健全化にようやく一歩踏み出すとは云え、家計への負担はズシリと重くなる。
とりわけ高額消費となる住宅取得に関しては負担軽減措置(住宅エコポイントの付与、住宅ローン減税の拡充、不動産取得税の軽減など)も検討されている。しかしいずれの措置も増税分をわずかに軽減する程度でしかない。マイホームの取得を検討しているなら早めの対応が欠かせない。
増税 2014年4月!税率8%に!
消費増税 最終判断は2013年秋!
今回の消費増税には税率引き上げの規定に関し「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」とある。つまり法案には「景気条項」が盛り込まれ、増税実施の判断は、税率引き上げ半年前の2013年秋に、経済状況をみて行われる。この時点で景気が悪ければ、「施行の停止」を行なうというものだが、その判断基準は「名目3%、実質2%」の経済成長率だ。(下図参照)
名目成長と実質成長(ウィキペディアより)
経済規模の計測は、一般的に国内総生産 (GDP) を用いて行う。GDPは、名目価格により計測された価値を合算した名目GDPと、基準年の価格を基に計測された価値を合算した実質GDPがある。 同じように、名目GDPの変動を名目経済成長率と呼び、実質GDPの変動を実質経済成長率とよぶ。四半期(3ヶ月)あるいは1年ごとの増加率をパーセントで表す。
名目経済成長率(%)=(今年の名目GDP-去年の名目GDP)÷去年の名目GDP×100
実質経済成長率(%)=(今年の実質GDP-去年の実質GDP)÷去年の実質GDP×100
「景気条項」は まやかし? 駆け込み需要がGDPを押し上げ
しかし、ここで注意しておきたいことは、この「景気条項」は単なる努力目標としている点だ。政府は増税実施の条件ではないことを明らかにしており、野田首相はその時点で「総合的に勘案する」とだけ応えている。
では増税実施の可能性はどうだろうか? 懸念されるのは、消費税引き上げ前に景気に与える影響である。SMBC日興証券の試算によると、まず増税前の駆け込み需要で国内総生産(GDP)は、2013年度の駆け込み需要が総額で7.7兆円に上り、実質GDPを1.4%押し上げるという。すると本来あるべき景気とは無関係に基準を満たす可能性があることだ。これがどう判断されるか今後注目したいところだが、いずれにしても経済状況が逼迫している現状からは消費増税は避けて通れないと覚悟しておくべきだろう。
編集協力 静岡情報通信