売却前にやっておこう!マンションのハウスクリーニング
目次
マンション売却前にハウスクリーニングを行うメリットとは?
中古マンションの売主様が物件を少しでも高く売りたいと考えるのは当然のことです。そのためにハウスクリーニングが必要なのか疑問に思う方も多いでしょう。 売却の前にハウスクリーニングを行うかどうかは売主様の判断次第です。ただ、購入希望者の印象をよくするためには、ある程度の清掃は欠かせないでしょう。内覧に訪れた購入希望者の第一印象が芳しくなければ、その後の売主様や不動産会社による説明も効果が薄いでしょう。
物件をきれいにしておくことは売却をうまく進めるための大切なポイントです。 今回は中古マンションの売却前に行うハウスクリーニングの話題です。
ハウスクリーニングとは
清掃の専門業者がプロ用の道具や機材を使用し、豊富な経験で身に付けた技術を駆使して家を清掃してくれるサービスがハウスクリーニングです。 特に、浴室や洗面、トイレ、キッチンといった水回りの清掃では素人と大きな差が出ます。
もちろん、リビングや寝室などを含む住まい全体がサービスの対象です。 ハウスクリーニングの料金は家の広さや間取り、汚れの度合いなどによって変わります。また、チェーン店や個人事業など清掃業者の経営形態によっても異なります。
ハウスクリーニングのメリット
サイト掲載写真の見栄え
不動産会社に仲介を依頼してマンションを売却する際に欠かせないのがインターネットやチラシに掲載する室内の写真です。 買主様候補に対して少しでもよい印象を与えるために、清潔感のある写真を準備することが大切です。とくに、汚れが目立つ場合はハウスクリーニングをしない選択肢はないでしょう。浴室やキッチン、トイレ、壁紙、窓のサッシなどが汚れていたりカビが生えていたりすると、いくら写真の撮り方や撮影後の修正を工夫しても限界があるからです。 見栄えのよい写真をサイトやチラシに掲載できれば、内覧希望者が増えることも期待できます。
内覧時の印象アップ
中古マンションの購入を検討している方のほとんどが、物件の内覧を希望します。内覧に訪れる方の印象をよくするためには、ハウスクリーニングをした方がよいでしょう。同じ広さや間取り、築年数でも、汚れた部屋とキレイな部屋では印象がまったく異なります。 注意しておきたいのが、室内のニオイです。通常の生活をしているだけでも他人の家のニオイは気になるもの。ましてや、ペットを飼っている家ならば必ずと言ってよいほどニオイが残っており、ペットを飼っていない内覧者に悪い印象をもたれてしまう恐れがあります。 室内の見た目やニオイ対策に細心の注意を払うためにも、ハウスクリーニングを実施するとよいでしょう。
早期売却が期待できる
室内をキレイに清掃して清潔感のある写真をサイトなどに掲載し、内覧者が増えれば物件を早期に売却できる可能性が高くなります。物件の売却にかかる時間を短くできれば、金額的なメリットもあります。
維持費を抑えられる
マンションが売れない間は売主様が維持費を負担することになります。具体的には管理費、修繕積立金、固定資産税、都市計画税などです。もちろん、その金額は物件によって異なりますが、多くの物件では月3~4万円は下らないでしょう。つまり、半年にわたって売れ残ったとすると、20万円前後の出費となるわけです。 住宅ローンの返済が残っていれば、月々の支払いがさらに重くなります。
値引き交渉をされにくい
マンションのハウスクリーニングを行わず、汚れが目立つ状態で売却活動を始めると、内覧に訪れた買主様候補から値引き交渉の材料にされてしまう恐れがあります。特に浴室やキッチン、トイレなどの水回りは汚れを指摘されやすい個所です。クリーニングをしっかりと行い、内覧者から指摘される可能性を減らしておけば、値下げ交渉をされにくくなります。
売却に時間がかかったことによって必要になった維持費と、値引き交渉の結果として下がってしまった売却価格の目減り分を合算し、ハウスクリーニングの費用と比べると、クリーニング費用の方が安いはずです。 つまり、ハウスクリーニングは物件を早期に希望の金額で売却する可能性を高めてくれる高コストパフォーマンスの手段と言えます。
清潔感をPRできる
内覧の際、室内の目につくところに「ハウスクリーニング済み」と表記しておけば、内覧者に対するアピールになります。例えばキッチンや浴室などの水回り、エアコン、内覧者の第一印象が決まる玄関などです。費用も手間もそれほど掛からないPRですが、売却の可能性を高めてくれます。
ハウスクリーニングを行わないデメリット
「売れ残り」と敬遠される
ハウスクリーニングを行わないことで売却に時間を要してしまうと、「何らかの問題がある物件では?」と思われ内覧を敬遠されてしまう恐れもあります。売却活動の期間が延び、「売れ残り物件」と思われて不利な状況に陥るという悪循環を招きかねません。 やっと購入希望者が現れたとしても、値引き交渉でなかなか断りにくい状況を生み出してしまいます。
ハウスクリーニングのデメリット
費用を売却価格に上乗せできない
ハウスクリーニングのメリットを紹介してきましたが、ハウスクリーニングには売主様の多くが不満を感じるポイントがあります。それは、ハウスクリーニングを行ったからといって、その費用を売却価格に上乗せできるわけではないという点です。 ハウスクリーニングは物件の価値を上げるために行うのではなく、内覧者の印象悪化や売却活動の長期化、値下げ交渉などを防ぐといった効果を狙って行うものです。
プロに頼むか、自力で行うか
水回りのクリーニングはプロに頼む
売主様が一生懸命に自力で掃除をしても、掃除のプロとの差をなかなか埋められないのがキッチンや浴室などの水回りです。これらの個所は普段の生活でこまめに掃除をしていても、長年にわたって付着した汚れを取り切れません。ところが、専用の道具と技術を持った清掃業者なら、見た目の印象がガラリと変わるほどきれいにしてくれます。 水回りは買主様候補が特に注目するポイントでもあるため、プロに頼まず自分で水回りを掃除すると、清潔感のある物件と判断されない恐れがあります。
自分で清掃して出費を抑える
掃除にある程度の自信があったり、協力してくれる人手を確保できたりする売主様なら、自分で清掃することで出費を抑えられます。 水回りには素人では取り切れないカビなどがありますが、窓ガラスやフローリングなどは市販されている清掃用具や洗剤を使ってピカピカに仕上げることが可能です。また、エアコンの掃除を徹底的に行うならプロに頼むべきですが、市販の洗浄剤を使っても見た目やニオイを改善できます。 自力で清掃を行った後に大切なのは、自分が内覧者になったつもりで細部まで点検してみることです。
どの会社に頼めばよいか
マンション売却の仲介を依頼している不動産会社に相談すれば、取引のあるハウスクリーニング会社の紹介を受けられ、見積もりも取れるでしょう。 しかし、クリーニングの価格を重視するなら売主様が自分で清掃会社を探す方法もあります。その場合、価格交渉の準備として物件が所在するエリアのハウスクリーニングの相場を知っておくとよいでしょう。
相場を知っておこう
すでに述べたように、ハウスクリーニングの費用は売主様が負担することになります。当然、売主様は少しでも費用を抑えたいと考えますが、不動産のプロではない一般の方はハウスクリーニングにどれくらいのお金がかかるのかについて見当がつかないでしょう。マンションの売却代金が数千万円に上る場合は金銭感覚が麻痺してしまい、多少割高のクリーニング費用も適正価格に思えてしまうかもしれません。 そこで、インターネットなどを活用して下調べをしておくことで、清掃会社から示された価格が妥当かどうかを判断できます。
3LDKで10万円前後
清掃会社や物件の広さ、清掃の仕上がり具合、汚れ具合などによってさまざまではありますが、3LDKや4LDKのファミリータイプマンションの場合、室内の清掃一式で10万円前後というケースが多いようです。引っ越し前後の家具がない状態で行う場合の方が、在宅で行う場合より安くなるのが一般的です。 また、ほとんどの清掃会社が水回りのみを行うパック料金を用意しています。 ハウスクリーニングの会社には得意分野がありますので、売主様が売却しようとする物件のどの部分をクリーニングしたいのかを明らかにした上で、会社を選ぶとよいでしょう。
クリーニング資金も計算に入れておく
マンションの売却を目指すとき、ハウスクリーニングがもたらすメリットや、専門会社にクリーニングを依頼しない場合のデメリットについてご紹介しました。 売却前のハウスクリーニングには大幅な値引き交渉を防ぐなどの金銭的な効果と、早期売却の可能性を高める効果があります。もちろん、売主様が自ら清掃をする手間と時間も節約できます。 マンションの売却を計画するときには、ハウスクリーニングの費用も資金計画に組み込んでおくとよいでしょう。