売りに出ていない空き地の購入方法と注意点
目次
住宅用の土地を探していると、売りに出ていない魅力的な空き地に出会うことがあります。
しかし、魅力的な空き地を見つけても、下記のような理由から購入まで至る方は少ないです。
- 売りに出ていない空き地を購入する方法が分からない
- 売りに出ていない理由が分からないと不安
- 購入しても良い土地なのか自分では判断できない
本記事では、空き地が売りに出ていない理由から、購入するための方法などを紹介します。
売りに出ていない空き地の購入を検討している方は、ご一読ください。
空き地が売りに出てない理由とは
空き地が売りに出ていない理由は、所有者ごとに異なります。
主に空き地が売りに出されていない理由は、下記の3つです。
- 土地の購入時よりも価値が下がっている
- 空き地の所有者が高齢や遠方在住
- 所有者が亡くなっている
土地の購入時よりも価値が下がっている
土地の価値が購入時よりも下がっている場合は「購入時の価値に戻るまで待ちたい」との理由から、空き地が売りに出ていないことがあります。
例えば、バブル期に高値掴みした土地を放置しているケースなどが考えられるでしょう。
空き地の所有者が高齢や遠方在住
空き地の所有者が高齢の場合も「空き地の処分方法が分からない」などの理由から、空き地が売りに出ていないことがあります。
また自ら所有している土地と認識していても、遠方に住んでいるため空き地の管理や処分を行えず、空き地を放置しているケースも考えられるでしょう。
上記のような理由で空き地を放置している場合は、購入希望者からの働きかけによって空き地の取引が成立する可能性があります。
所有者が亡くなっている
空き地の所有者が亡くなっており、相続人が「自分の管理すべき土地を把握していない」こともあります。
また昔から空き地になっている場合、自治体も所有者を把握していないケースもあり、元々の土地の所有者が亡くなってしまうと、空き地として放置されることが多いです。
空き地の所有者が分からないケースは、所有者への直接交渉は難しいでしょう。
どうしても気に入った空き地の所有者が分からない場合は、地元の不動産会社へ相談するのがおすすめです。
空き地が売りに出てない時はなにをすべきか
売りに出ていない空き地であっても購入は可能です。
売りに出ていない空き地を購入するためには、下記3つの方法を試してください。
- 法務局で登記簿をとる
- 空き地の所有者に問い合わせて交渉する
- 最寄りの不動産会社に相談する
法務局で登記簿をとる
空き地の購入を希望する場合は、法務局で登記簿をとり、所有者など空き地の詳細情報を調べましょう。
登記簿は、法務局や地方法務局から取得します。
登記簿を取得する方法は下記3つです。
- 法務局へ出向いて窓口で取得する
- 登記所へ郵送請求して取得する
- オンラインで取得する
オフライン・オンラインどちらの方法でも手数料が必要なことには注意が必要です。
登記簿を取得したい方は、法務局の不動産登記関連ページをご確認ください。
空き地の所有者に問い合わせて交渉する
登記簿で所有者の確認が行えたら、所有者との直接交渉もできます。
しかし、所有者と何の関係性も構築できていない段階で、空き地の売却を交渉しても不信感を与えてしまう可能性が高いです。
また、売却交渉が滞りなく進んでも、土地の売却には細かい法律が関わってきます。
法律の知識がない方が、自分だけの力で土地の取引を行うと、意図せず法律違反を犯す危険が高いです。
空き地の売却交渉や売却の処理をスムーズに進めるためには、次に紹介する最寄りの不動産会社に相談することをおすすめします。
最寄りの不動産会社に相談する
最寄りの不動産会社への相談は、売りに出ていない空き地を購入する最も確実な方法といえるでしょう。
特に地方の場合、不動産会社が空き地の所有者と面識があることも多いです。
不動産会社と所有者に面識があれば、購入希望者と所有者を繋いでくれて、スムーズな売却交渉を行えることもあります。
また、不動産取引をスムーズに行うためには、専門知識が欠かせません。
不動産会社を通すことで、的確なアドバイスを受けられトラブルなく不動産取引を進められるでしょう。
しかし、不動産会社に仲介を依頼すると、仲介手数料が発生することには注意が必要です。
1つの不動産会社だけで、話を進めてしまうと高額な手数料を請求されてしまうこともあります。
仲介手数料を抑えたい場合は、複数の不動産会社に相見積りを取り、仲介手数料の相場を調べましょう。
空き地の所有者からすぐ購入して大丈夫?
所有者から空き地の購入を了承されても「本当に購入して問題はないのか」と、不安になる方もいるでしょう。
ここでは、空き地購入での注意点を下記3つ紹介します。
- 空き地の個人売買にはリスクもあるので注意
- 現在の建築基準法に引っかかる恐れ
- 境界が正確に測定されているかチェック
空き地の個人売買にはリスクもあるので注意
不動産会社などの業者を通して行わない売買を個人売買といいます。
個人売買のメリットは、不動産会社を通さないため仲介手数料が掛からないことです。
しかし、不動産会社に仲介を依頼しないことによるリスクもあります。
契約書の不備によるトラブルが、考えられるリスクとしては大きいでしょう。
一例としては、購入時には分からなかった不動産の欠陥が見つかった場合です。
購入後に不動産の欠陥が判明した場合、買主と売主どちらに責任の所在があるのかを契約書に記載していないと、後々のトラブルに発展してしまいます。
上記のようなトラブルを避けるためには、仲介手数料が掛かっても経験と知識が豊富な不動産会社に依頼するべきです。
現在の建築基準法に引っかかる恐れ
現在の建築基準法に抵触していまい、購入した空き地に必ず住宅を建てられるとは限りません。
建築基準法は時代に合わせて改正されています。
昔は自由に建築できた土地であっても、現在の基準では建築できない土地となっていることは、珍しくありません。
空き地を購入する場合は「現在の建築基準法に引っかからず、住宅を建てられるのか」必ず調べましょう。
境界が正確に測定されているかチェック
長期間放置されている空き地は、隣地との境界が曖昧になっていることがあります。
境界をはっきりさせないまま土地を購入すると、後々に隣人とのトラブルが発生する可能性が高いです。
境界線が曖昧な土地を購入する場合は、登記簿に記載されている面積を確認しましょう。
また、登記簿に記載されている面積と実測面積が異なる場合もあります。
上記の場合は、登記簿に記載されている面積を利用しますが、隣人とのトラブルに発展する可能性が高いです。
可能であれば、隣人と一緒に土地の境界線を確認するといった手順を踏む方が、隣人トラブルを避けられます。
良い土地に見えても買ってはいけない空き地もある
良い土地に見えても、購入すると後悔する可能性が高い空き地もあります。
下記6つの条件に該当する土地は、購入後にトラブルが発生する可能性が高いため、注意が必要です。
- 角地だが道路に接していない
- 目の前の道路に消火栓がある
- 土地の形がいびつ
- 土地が周囲より低い位置にある
- 交通アクセスが不便
- 抵当権が入っている
角地だが道路に接していない
建築基準法では、住宅の建設を行うための条件の1つとして「土地の一面が4メートル幅の道路に2メートル以上接している」ことを求めています。
上記の規定は「接道義務」と呼ばれ、空き地を購入する上で、必ず確認すべきポイントの1つです。
また、4メートルの道路に接していない場合は、2メートル幅の道路を用意しなければなりません。
しかし、接している道路が4メートルに満たない場合は、「接している道路の中心線から2メートルの範囲までセットバック」することも求められます。
2メートル幅の道路に接している土地の一面は、2メートルのセットバックを考慮して住宅を建設しなければなりません。
つまり、自分が所有している土地でありながら「住宅だけでなく塀や門扉などのエクステリアも建てられない」点には、注意が必要です。
目の前の道路に消火栓がある
マイカーを「持っている方」「持つ予定がある方」は、目の前の道路に消火栓が設置されているかは必ず確認しましょう。
道路交通法では、消火栓の5メートル以内は駐車禁止としています。
消火栓が目の前の道路に設置されている場合は、駐車場を作れないことには注意が必要です。
土地の形がいびつ
下記のような形がいびつな土地は、スムーズに売却できない可能性があるため注意が必要です。
- 極小地
- 極端に細長い土地
- 土地の形が三角形
- 高低差のある傾斜地
上記のような形がいびつな土地は、購入費用を抑えられるメリットがあります。
しかし、一般的な土地よりも住宅を建てるのに手間と費用が掛かる場合が多いです。
そのため、なかなか購入希望者が現れにくいデメリットもあります。
また購入希望者が多く現れないと、土地の価値を評価されにくいため、購入時よりも低い価格でしか売却できない可能性も高いです。
マイホームのための土地購入であっても、売却時のことも考慮し土地を選ぶことをおすすめします。
土地が周囲より低い位置にある
住宅用の土地として、周囲より低い位置にある土地もおすすめできません。
周囲より低い位置にある土地は、雨水が流れ込みやすいため、排水方法を事前に検討する必要があります。
また日当たりも悪い可能性が高いため、道路よりも低い位置にある土地は、一般的な土地よりも手間と費用が掛かることには注意が必要です。
交通アクセスが不便
交通アクセスが不便な土地の購入も十分な検討が必要です。
若いうちは「交通アクセスが不便でも問題ない」と考える方が多いですが、土地の購入は高齢になった時のことも考慮することをおすすめします。
高齢になると歩くことが億劫になったり、ちょっとの移動がとても手間に感じる方が多いです。
土地の購入は、価格だけでなく交通アクセスなどの生活の便利さも考慮しましょう。
抵当権が入っている
抵当権の入っている土地は、代金を支払っても土地の所有権を手に入れられないことがあるため、注意が必要です。
抵当権とは、住宅ローンを組む際に、住宅ローンを支払えなくなった場合に備えて金融機関が土地と建物を差し押さえる権利のことです。
住宅ローンの支払いが終わっていても、抹消の手続きを行わない限り抵当権は、残り続けます。
また個人間のトラブルとして代金を支払ったが、抵当権を渡されないケースもあるため注意が必要です。
抵当権が設定されている土地は、抵当権が抹消されるまで決して代金を支払ってはいけません。
土地を購入する際に気を付けたい4つのポイント
自分が探している土地の条件はしっかりまとめておく
購入するための用途は土地を探される上で誰しもが考えられていますが、より詳細な用途や条件をしっかり考えておくとよりよい土地探しができます。
これまでもご紹介してきたように土地を利用する際には、建築法や道路交通法などが関係してきます。
住宅であれば周辺環境などとの関係で建物の高さに制限がでることもあります。
そのような制限がある場合、どこまで折り合いをつけれるかで、土地を購入するか検討することができます。
条件をしっかりとまとめて置くことで土地探しだけでなく、購入もスムーズにいくことがあります。
用途地域の分類はどこになっているか
そのエリアの土地の使い方が定められており、購入後に購入目的では使えないことが発覚することにもなりかねません。
土地の用途地域には「住宅系」「商業系」「工業系」とあります。
住居系
第一種低層住居専用地域
住宅、共同住宅、寄宿舎、兼用住宅(諸制限あり)などが建築可能な地域です。
商業系
近隣商業地域
住環境悪化の恐れがある工場や、危険性の高い工場以外は、さまざまな用途の建築可能な地域です。近隣住民への日用品を供給する商業の利便を増進する地域です。
工業系
準工業地域
住環境悪化の恐れがある工場や、危険性の高い工場、風俗営業店以外は、さまざまな用途の建築可能な地域です。
用途地域について詳しく解説した記事はこちら「土地購入前に知りたい13種類の用途地域」
図面の方位と現地の方位は合致しているか
日当たりのことを考えた時に方位はしっかりと確認しておく必要があります。また建築法でも北側にあたる家への配慮も必要になります。
図面通りに住宅を建てたとしても間違っていてトラブルになることもあります。
そうならないためにも、しっかりと現地に方位磁石を追っていき確認をしておくことをおすすめします。
本当に土地面積は足りているか
土地の面積=住宅面積ではありません。
建ぺい率や土地のある場所によって住宅を建てられる面積と高さは限られています。
「土地」という言葉の中には建築条件も含まれていると考えて、土地の面積を検討しましょう。
まとめ
今回は売りに出ていない空き地の購入方法と注意点についてご紹介しました。
納得して土地を購入するためには売りに出ていない理由や値段の理由を調べる事、
後々のトラブルを避けるために専門知識と豊富な経験を持ったプロに相談することが大切です。
その他、静岡県で不動産・土地の売却でお困りであれば、しずなびへお気軽にご相談ください。
不動産の売却のサポートを致します。
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