売りたくても売れずに、維持費や固定資産税などを払い続けるだけの不動産を「負動産」と呼ぶことがあります。 そんな「負動産」の悩みの解決方法や対策をご紹介します。

負動産になってしまった不動産!どう処分すればいい?

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不動産が“負動産”になってしまう理由と処分方法

売却したいが買主様がなかなか見つからず、そのままになっている。賃貸に出そうとしているが、借主様が見つからない。使い道はないが、固定資産税や維持・管理費などを負担し続けなければならない…。

そのような不動産を“負動産”と呼ぶことがあります。 “負動産”を処分するためには、現状を早急に把握し、すぐに対策を打つことが大切です。ここでは、”負動産”が発生してしまう理由や、その処分方法をご紹介します。

全国の空き家は約848万9千戸

全国の空き家は約850万戸にもおよびます。静岡県の空き家は約28万戸で、全国13位となっており、年々増加しています。

総務省「平成30年(2018年)住宅・土地統計調査」(5年ごと)によると、全国の空き家は 約848万9千戸に上り、2013 年と比べて約29万3千戸(3.6%)増えました。

空き家の内訳を見ると、賃貸用の住宅が約432万7千戸と最も多く、売却用の住宅が約29万3千戸、別荘などの「二次的住宅」が約38万1千戸、その他の住宅が約348万7千戸となっています。

静岡県の空き家は約28万2千戸

同調査の静岡県分を見ると、空き家の数は約28万2千戸です。総住宅数に占める空き家の割合は16.4%で、全国13位となっています。 前回調査の2013年と比べると、空き家の数が約1万1千戸増加、空き家の割合は0.1ポイント上昇し、いずれも過去最高を記録しました。

行政の空き家対策

空き家対策特別措置法

空き家が活用されず、適切な管理も行われないと、防犯、防災、衛生、そして景観などの問題を引き起こしかねません。 そこで2015年に施行されたのが、空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)です。

同法では、倒壊の恐れがあるなど適切な管理がされていない空き家のうち、周辺への影響が大きいものを「特定空き家」と定義しています。そして、そのような空き家には行政が指導や勧告をしたり、所有者の負担で強制的に必要な対策を取らせたりすることもできます。

特定空き家は固定資産税が最大で6倍に

土地や建物の所有者は毎年、固定資産税を支払います。この固定資産税には住宅用地の特例があります。一定の条件を満たすと、税額が6分の1から3分の1に減免される特例です。

しかし、空き家対策特別措置法の特定空き家に指定されると、この特例の対象外となります。つまり、固定資産税が最大で6倍まで増えてしまうのです。

全国で進む空き家対策

全国の市区町村の約7割で、空き家対策特別措置法に基づく空家等対策計画が策定されています。(2020年3月末)

また、全国では2015年の同法の施行から5年で、約1.2万物件の特定空き家などが除去されました。同法に基づく助言・指導などを実施する市区町村の数や、措置件数も年々増えています。

なぜ”負動産”になるのか

買主様や借主様が見つからず、固定資産税などの負担によって少しずつ財産が削られていく”負動産”はなぜ発生するのでしょうか。

ランニングコストの高さ

不動産が”負動産”となる原因の1つは、ランニングコストの高さです。固定資産税のほか、マンションの管理費や修繕積立金といった恒常的な支出をきちんと計算せずに不動産を購入したり、相続したりした結果、経済的に苦しむことになってしまうのです。 住宅ローンは返済期間が終われば、負担から開放されますが、ランニングコストはいつまでも家計の負担となり続けます。

相続した不動産を活用できない

不動産を複数の相続人で共有にした結果、1人の意思だけでは活用できなくなるケースがあります。不動産の売却などを行うときに、所有者全員の合意が必要になるためです。

また、相続人の1人が不動産を単独で相続した場合でも、自分の意思で不動産を処分できないこともあります。親戚のつながりが強い地域で見られる例として、正月や法事のために人が集まる場所が必要だったり、大きな仏壇を置く家が必要だったりするケースがあります。

生まれ育った実家に愛着があり、手放したくないという心情的な理由のために売却できないこともあります。

バブル期に購入した不動産

1990年前後のバブル時代には各地でマンションや別荘地の開発が盛んでした。当時は不動産の価格が右肩上がりで上昇していました。 そのバブル期に購入した不動産が今、築30年を迎えています。木造建築の場合、築30年を経過すると市場価値が非常に低くなります

しかし、バブル期に不動産を手に入れて所有してきた売主様は、当時の購入価格を念頭に高値で売りたいと考えます。そこで市場とのギャップが生まれ、売るに売れない”負動産”になってしまうわけです。

“負動産”をどう処分するか

不動産会社の売却活動を確認する

個人の売主様が不動産会社に仲介を依頼して買主様を探してもらおうとしても、なかなか結果が出ない場合は、不動産会社の業務処理状況を確認してみましょう。 不動産会社が業務処理状況を報告する義務の有無や頻度は、媒介(仲介)契約の種類によって違います。 不動産会社がさまざまな活動を行っても売却につながらなければ、値下げを検討したり、不動産会社に不動産の買取を依頼したりすることになります。

賃貸物件として活用する

所有する住宅を貸し出すことを検討したものの、借主様とのトラブルが心配で実現しなかったという方もいるかもしれません。住宅を賃貸に出して期待できる収入は、売却に比べれば少ない上、不動産の所有者責任は残るため、メリットを感じにくいという理由もあるでしょう。 しかし、不動産は築年数が経つほど、借主様が見つかりにくい物件になっていきます。賃貸に出す計画があるなら、早めに不動産会社に相談したほうがよいでしょう。

DIY型の賃貸借で借主様を探す

最近では、DIY型という住宅賃貸借の契約形態が注目されています。借主様が部屋を自分でリフォームすることが前提になっているため、家賃を相場より安くできる特徴があります。借主様が改装した部分は、退去時に元に戻す必要がありません。 DIY型の住宅賃では、貸主様と借主様に次のようなメリットがあります。

貸主様のメリット

  • 現状のままの状態で貸すことができる。
  • 借主様が自費でDIYなどを行うため、長期間住んでくれる可能性がある。
  • 退去時には、貸出時よりも設備などの価値が上がっている可能性がある。

借主様のメリット

  • 持ち家のように自分の好みにできる。
  • 自費でDIYするため、賃料が安い。
  • 退去時に原状回復費用を払わなくてよい。

空き家バンク等を利用する

静岡県内にも「空き家バンク」を設けている市町があります。空き家バンクは不動産の売却・賃貸を希望する買主様・借主様と、空き家のオーナー様とのマッチングを目指す仕組みです。 具体的には、不動産会社から登録の申し出があった空き家の情報を紹介するほか、補助金の情報や、住民との交流情報などを提供しています。 空き家バンクのほかにも空き家を有効利用し、地域の活性化につなげている事例は全国にあります。

相続放棄をする

相続によって不動産を取得し、登記をすると、固定資産税を支払っていく必要があります。また、不動産を管理する責任も負います。このような義務を負わないようにする手段として、相続放棄があります。 財産にはプラスの財産とマイナスの財産があります。例えば、比較的新しく利用価値が高い住宅なら、プラスの財産と考える人が多いでしょう。借金はマイナスの財産です。

相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も相続を一切拒否することを言います。相続放棄をすると、相続放棄をした人は最初から相続人ではなかったとみなされます。反対に、マイナスの財産も含めた相続財産を受け入れることを相続の承認と言います。

相続では、被相続人が遺した住宅だけは相続するが、住宅ローンは相続しないといった都合のよい主張はできません。プラスの財産もマイナスの財産も相続の対象となることを理解した上で、相続するのか放棄するのかを決めることになります。

相続放棄をするためには、相続開始を知った日から3ヶ月以内に、被相続人が住んでいた土地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出する必要があります。

更地にする

古くて価値がない建物がある土地は、建物の価値を0円とし、更地にせずに売却するのが一般的です。

土地と建物を売りに出してもなかなか買主様が見つからない場合、建物を解体した方が売れるのではないかと考えるかもしれません。しかし、建物を取り壊して更地にするかどうかは、不動産会社に相談してから決めることをお勧めします。更地にしたものの、結局売れなかったということになれば、解体費用を回収できなくなってしまうからです。

最近では、古い家を改装して古民家として住みたいという買主様も増えています。また、買主様が不動産のプロではない場合、建物が建っている状態の方が土地の活用方法をイメージしやすくなります。 もちろん、倒壊などによって周囲に迷惑をかける恐れがある建物の場合、早めに解体しなければなりません。万が一、事故が起これば所有者として損害賠償を請求されることがあります。 最近は空き家対策の一環として、住宅の解体に補助金を出す自治体もあります。

寄付をする

固定資産税の支払い義務や所有者としての管理責任を負担に感じ、不動産の売却をやめて寄付したいと考える売主様もいます。 しかし、建築物そのものに歴史的な価値があったり、過去に有名な人物が住んでいたりした場合や、土地に使い道がある場合は別として、”負動産”の寄付を受け入れてくれる自治体や企業、個人が見つかる可能性は低いでしょう。

価値を自分で判断せず相談を

不動産の売却を試みても売れず、売主様自身が活用することができないからと言って、”負動産”と決めつけないようにしましょう。不動産のプロの目でチェックし、その不動産の特徴を活かす使い方が見つかれば、一転して価値ある財産となることもあります。諦めてしまう前に経験豊富で信頼できる不動産会社に相談してみましょう。

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