リースバックとは?メリット・デメリットを解説

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リースバックで自宅を売ってもそのまま住める

コロナ禍や社会情勢の変化で先が見えないなか、不動産を活用した生活資金の調達方法として、『リースバック』に注目が集まっています。

しずなび株式会社(旧:静岡セキスイハイム不動産)では、静岡県内のリースバックのご相談を多くいただいております。
静岡の不動産売買の専門家としてお客様からご質問いただくことの多い、リースバックの概要やメリット・デメリット、よくあるトラブル事例などについて詳しく解説していきます。また、リースバックと併せて注目されている『リバースモーゲージ』についても紹介しますので、自宅を売却するか迷っている人はぜひ参考にしてください。

リースバックとは

リースバックの契約をしている様子

リースバックとは、住んでいる家を売却したあとでも、買主から賃借契約をして住み続けることができる方式です。『セール・アンド・リースバック』とも呼ばれます。 売却することでまとまった資金が手にできるだけではなく、賃貸として今まで住んでいた馴染みのある住まいを借りられることが、リースバックの大きな特徴です。

リバースモーゲージとの違いと使い分け

リースバックと並んで注目を集めているのが『リバースモーゲージ』です。それぞれの違いと使い分け方を詳しく見ていきましょう。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅を金融機関などへ担保として提供し、その資産価値に応じた融資上限額まで融資を受けられるサービスです。一般的には、所有者が逝去したあとで土地建物を売却し、一括返済する形になります。リバースモーゲージは1980年台から存在していましたが、少子高齢化が進む現代において、生活資金確保手段として再び注目を集めて出しました。

リースバックとリバースモーゲージの違い

リースバックは前述したように、自宅を売却したあとも、そのまま賃貸借して住み続ける方式の不動産取引です。所有権は移転しますが、担保の設定や借入は必要ありません。一方、リバースモーゲージの場合、所有権はそのままですが、自宅を担保として提供したうえで、金融機関から融資を受けます。なお、融資された資金の用途は生活などに限定されます。

リースバックとリバースモーゲージの使い分け

リースバックとリバースモーゲージは、それぞれ仕組みが異なるため、自分がおれている状況や資産・不動産の価値などによって使い分けることが重要です。どちらもすぐに資産が欲しい場合に、自宅を利用して資金を作る手段ですが、リースバックは返済資金を作りたくない場合や、返済に自信がない場合に利用されます。一方で、リバースモーゲージは返済できる可能性があり、自宅の所有権を他者に渡したくない場合に利用されます。

リースバックのメリットやデメリット、トラブル事例や解決策などは後述しますので、どちらを利用するのか悩んでいる方は、参考にしてみてください。

リースバックのメリット・デメリット

リースバックのメリットとデメリットについてのバランスイメージ

ここからは、リースバックのメリットとデメリットを詳しく紹介していきます。

リースバックのメリット

まずは、リースバックのメリットについて詳しく紹介します。

現金化までの期間が短くて済む

リースバックは、売却した住宅を不動産会社など専門業者が買い取ることが多いため、現金化までの時間が短くて済みます。一般的な売却では買主を探したり、手続きの手間がかかったりと多くの時間を要するため、最短でも数カ月かかります。場合によっては、買主が見つからないこともあるため、すぐに現金化できることはリースバックのメリットといえるでしょう。

売却後もそのまま住み続けられる

売却後も住み慣れた家に住み続けられることは、リースバックの大きなメリットです。子供がいる世帯の場合、通学を考慮して新たな物件を探し、子供を転校させる手間もかかりません。 通常の住宅販売の場合には、引越し先を探したり転居の手続きをしたりするなど手間がかかりますが、リースバックなら、売却後も今まで通り同じ家に住み続けることができるため、面倒な手続きは不要です。

周りに知られることなく手続きができる

通常の不動産売却であれば、家を売ったことを周囲に知られてしまいます。 しかし、リースバックの場合は、そのまま家に住み続けることができるために、近隣の住民に「生活資金に困っている」などと勘繰られる心配はありません。売却後も従来と同じように近所づきあいができることは、特に大きなメリットといえるでしょう。

固定資産税がかからない

リースバックは『賃貸』であるため、不動産を所有している場合にかかる固定資産税や都市計画税は不要です。このような税金は、新たな所有者が負担することになります。毎月の賃料は発生しますが、基本的には同一の月額となるため、建物を維持するさまざまなコストから解放されることがメリットでしょう。

引越し費用などは一切不要

リースバックは売却後もそのまま済み続けることができるため、引越しの費用は一切かかりません。一般の住宅販売では、売却後の引越し費用も考慮する必要もありますが、リースバックは転居の必要がないため、引越し費用が一切かからないことがメリットでしょう。

将来的に買い戻しも可能

リースバック後でも、売却時に『買戻し特約』を付けた場合は、元の住まいを買い戻すことができます。ただし、定められた期間内に決められた金額を支払うなどの条件はあるため、注意が必要です。条件を満たさない場合は、買い戻すことは原則できません。

リースバックのデメリット

続いて、リースバックのデメリットを確認していきましょう。

売却価格が相場よりも安くなる可能性がある

リースバックで持ち家を売却すると、通常よりも売却価格が安くなることがあります。場合によっては百万円以上の差が生じることも。売却価格が気になる場合は、一般的な不動産査定額とリースバックによる買取金額の差を比較してみるといいでしょう。

売却価格が住宅ローンの残債よりも多くないと利用は難しい

売却価格が住宅ローンの残債よりも少ない場合は、リースバックの利用は難しいと思った方がいいでしょう。売却価格が残債を上回っていればローンを完済できるため、リースバック方式を利用できます。ただし、残債が多いケースでは、完済後に残る資金は少なくなることも視野に入れておく必要があります。

家賃が相場より高くなってしまう可能性がある

リースバックで売却した場合は賃貸借契約を結んで住み続けられますが、家賃は支払わなければいけません。家賃は家の築年数や立地条件によって変わりますが、買主との交渉によっては周辺の相場よりも家賃が高くなる可能性もあります。いずれにしても、家賃の交渉時には、相場より高くならないように注意しましょう。

買戻し額が売却価格よりも高くなる場合が多い

リースバックのメリットとして前述しましたが、リースバックで売却しても、元の家を将来的に買い戻すことは可能です。ただし、買い戻す際に業者の利益が上乗せされてしまうため、売却した時の価格よりも高くなる可能性があります。

リースバックは、このようなデメリットがあることを納得したうえで利用することが大切です。

リースバックでのトラブル事例

ここからは、リースバックでのトラブル事例をご紹介していきます。

よくあるトラブル例

リースバックのよくあるトラブル事例についてのご紹介

ここからは、リースバックのよくあるトラブル例を見ていきましょう。

トラブル事例1:家賃が払えない/家賃を値上げされた

購入者や買取会社から家賃の値上げ請求が来るケースもあります。前述しましたが、 リースバックの家賃は、周辺の相場より割高に設定されることが多いため、そこに家賃の値上げが重なると自己資産へ大きなダメージとなる可能性があります。そのため、家賃を払えずに引越しを選択する人も少なくありません。

トラブル事例2:勝手に売却された

リースバックの業者が「この物件は高く売れる」と判断した場合には、家を売却されてしまうことがあります。しかし、リースバックを利用して賃貸契約している以上、一般的な賃貸物件の入居者と同等の権利しかないため、売却されて所有権が他の人に移ってしまっても法的にはとくに問題ありません。信頼できるかわからない人が家のオーナーになることもあるでしょう。

トラブル事例3:買戻しができない

リースバック後の買い戻し金額を相場より高く設定することが多いため、資金を用意できずに買い戻せないというトラブルが発生します。買い戻し金額が用意できなければ、賃貸借契約を更新しなければいけませんが、更新のない契約の場合は、契約満了時に引越しをする必要あります。

トラブル事例4:賃貸契約を更新できず、退去を求められた

契約満了時に賃貸契約を更新できず退去を求められるというトラブルもあります。借主を退去させて早めに転売しようと考える業者も少なくありません。とくに、定期借家契約の場合は、貸主に正当な事由がなくても再契約を拒否できるため、退去する以外に手立てがなくなってしまいます。

トラブル事例5:相続人ともめてしまった

相続させるつもりだった子供や親戚などともめてしまうケースもあります。親族に相談せずに勝手に売却して、親族との関係が悪化することが考えられるでしょう。リースバックは推定相続人の同意がなくても利用できるため、親族に許可を得る必要はありませんが、親族と相談したのち、売却しましょう。

トラブルを避けるために抑えるべきポイント

トラブルを避けるために抑えるべきポイントを確認しておきましょう。

ポイント1:賃貸期間と契約書をよく確認する

リースバックを利用する際には、賃貸期間と契約書をよく確認しておくことが大切です。とくに、賃貸契約の形態が『普通借家契約』もしくは『定期借家契約』かをチェックしておけば、売却後の思わぬトラブルで家を退去するような事態を防ぐことができます。しずなび株式会社で行っている「しずなび・リースバック」では、居住期間に定めはないので、安心して住み続けることができます。

しずなび・リースバックについてはこちら

ポイント2:信頼できる不動産リースバック業者を探す

思わぬトラブルを避けるためには、信頼できる不動産リースバック業者を探すことも重要です。 信頼できる不動産リースバック業者かどうかを判断するためには、下記のようなポイントをチェックするといいでしょう。

  • その業者の過去の実績
  • ネットの口コミ
  • 相談した際の担当者の態度 など

ポイント3:買戻しに関する条件を確認しておく

リースバックを利用しても将来的に買い戻しを考えているなら、買戻しに関する条件を確認しておくことも大切です。買戻しに関する条件はさまざまですが、一般的には、買い戻す『時期』と『価格』を事前に決めてから、リースバックを利用することになります。

ポイント4:相続人の了承を得ておく

相続トラブルを避けるために家族や重要な遺産相続人には事前に相談し、リースバックを使って売却予定であることを話しておきましょう。 子供など推定相続人に同意をとることで、将来について話し合ういい機会にもなります。推定相続人にとっても、リースバックで先々の問題を解決することになるでしょう。

リースバックがおすすめの人

リースバックがおすすめの人をご紹介します

最後に、リースバックがおすすめの人をご紹介していきます。

老後の資金確保がしたい

老後の資金確保の方法として、リースバックは最適でしょう。高齢になってから資金を確保することはなかなか難しいですが、リースバックを利用すれば一度に多額の資金を手にすることが可能です。必要時に資金が手に入ることはメリットだといえるでしょう。

教育費や治療費などの資金調達がしたい

教育費や治療費などの資金調達がしたいという人にも、リースバックが適しています。教育費や治療費を払う必要があり、家のローン返済が厳しい人もいるでしょう。しかし、リースバックなら家に住み続けながら多額の現金を手にできるため、生活に困ることなく教育費や治療費を調達できます。

ローンなどの借金返済に充てたい

住宅ローンがなくても、自動車ローンやその他多用途ローンなどを抱えて困っている人にもリースバックがおすすめです。リースバックを利用すれば一度に多くの現金を手にできるため、一括で借金を返済することができます。「借金は返済しなければならないけど、家も手放したくない」と考えている人におすすめです。

事業資金として活用したい

リースバックで得た資金を、事業資金として活用したい人にもおすすめです。今まで住んでいた家に売却後も住み続けながら新規事業を展開できることは、リースバックのメリットといえるでしょう。新たに融資元を探す必要もありません。新規事業で自己資金を膨らませることも可能であるため、ぜひリースバックで得た資金を事業資金として活用しましょう。

まとめ

近年注目を集めている不動産売却方式のリースバック。その概要やメリット・デメリット、トラブルの事例などを幅広くご紹介しました。リースバックは資金を得ながら、売却後も長年住み慣れたご自宅に今まで通り住み続けることができるという、不動産売却における新たな選択肢です。リースバックが気になる方は、メリットとデメリットを把握した上で、一度検討してみてはいかがでしょうか。

しずなび株式会社では、「しずなび・リースバック」サービスを行っており、静岡県内のリースバック実績が多数ございます。静岡県内の不動産価格相場の情報をしっかりと把握しているので、根拠ある買取価格をご提示できます。
静岡市・浜松市をはじめ、そのほかの地域にも対応しております。 リースバックをお考えの方は、ぜひ「しずなび・リースバック」をご利用ください。 また、不動産についてお悩みの方は、しずなび株式会社までお気軽にお問い合せください。

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