2017年どうなる? 静岡県西部不動産市場
建築費高騰で新築分譲マンションの供給が激減。来年以降はどうなる?
首都圏ではオフィスの選別が強まり、マンション販売も過熱感が薄れてきた。建築費高騰で1 戸あたりの平均価格は5,600 万円台で推移(2016 年8月時点)、契約率も好不調の分かれ目とされる70%を下回っている。では、浜松市ではどうだろうか。「浜松市の新築分譲マンションの推移」(表D)を見ると、2016 年の供給数はわずか1 件。戸数も前年を大幅に下回り、39 戸にとどまった。中村さんは続ける。
「建築費の高騰が価格に反映され、2016 年の1 戸あたりの価格は3,950 万円と前年を800 万円以上も上回っています」。こうした新築物件の高騰を受け、駅周辺の中古分譲マンションも高めに推移。リノベーション需要もあり、築年数の浅い好条件の中古マンションは堅調だ。
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新築分譲マンション購入を検討している人に向けて、現在販売中の新築分譲マンションと、新春以降発売の新築分譲マンションを中村さんに挙げてもらった。「現在販売中(2016 年12月16日現在)の新築分譲マンションは、エンブルガーデン浜名湖(ヨシコン)、ブライトタウン大蒲(遠州鉄道)、ル・シェモア佐鳴台(セキスイハイム東海)、シティーライフ浜松ザ・フロンティア(三立プレコン)、ル・シェモア八幡町(セキスイハイム東海)。来年以降の発売を予定している新築分譲マンションは、ウィスティリア浜松中央(フジ都市開発)、ブライトタウン貴布祢(遠州鉄道)、プレミスト高町(大和ハウス工業)のほか、遠州病院跡地にスズキビジネスと大和ハウス工業が共同で大型マンションを計画しています。販売価格はいずれも3,000 万円超が予想される中、価値ある物件を見極めて納得のいく買い物をしていただきたいと思います」
■浜松市の新築分譲マンションの推移(表D)
資料提供:濱松不動産鑑定
マイナス金利と増税前の今こそワクワク感のある住まい選びを
現在の市況を中村さんは次のようにまとめる。「景気が不安定なため購入を先延ばしにする人が多く、消費者の選別の目は厳しくなっています。ただ、価格面では、分譲マンションを除く土地と住宅で、売り手と買い手の価格目線が合いつつある。来年はさらにマッチングしていくのではないでしょうか」
住宅ローン金利は日銀のマイナス金利による“歴史的な低水準”にあり、これからマイホームを購入する人にとっては追い風だ。しかし、住宅ローン金利決定の指標となる長期金利が10月末から上昇していることを見ても、歴史的低水準がいつまでも続くとは考えにくい。また、消費税増税についても、10%への増税がいったん保留されたとはいえ、その日(2019年10月)は必ずやってくる。「人気の土地は価格を維持しており、新しく誕生した分譲地も好調。下落を待ち望んで模様眺めをしていると、後悔先に立たずということも。楽観を捨て、これと思う物件に出会ったら即断した方がよいのではないでしょうか。低金利と増税前の今がチャンスです」
年明けと同時に新春販売会や完成見学会を予定している企業も多い。現地へ足を運び、立地条件や周辺環境、外観、間取りなどを自分の目で確かめよう。まずは情報収集から始め、2017年をマイホーム元年としてほしい。
編集協力 静岡情報通信