2012年春 不動産売買市場動向を探る!

公開日時: 更新日時:
静岡県浜松市の住宅需要が増加している人気エリアをご紹介します。地価の低迷、新築物件の価格低下に連動した中古住宅の値ごろ感、史上最低の住宅ローン金利など今が住宅購入のチャンスと考えられます。

中古住宅

新築分譲住宅の価格低下の影響で、相場がこなれた。

新築に比べ総額を抑えられる中古住宅が市内全域で好調。

続いて中古住宅の動向を見てみよう。
東日本大震災以後、住宅の耐震意識が高まり、新築住宅を建てるにあたってこれまで以上に耐震性を重視する人が増えている。
高耐震の家を建てるためにはそれなりにコストがかかり、建築費に予算を割かねばならない。まして、土地から購入するとなると総額がかさみ、予算オーバーしてしまうケースも少なくない。
そこで注目されているのが中古住宅だ。株式会社マストレの小林正佳さんは次のように語る。

ここ最近では中古住宅の物件の動きがみられる「浜松市西区桜台」
ここ最近では中古住宅の物件の動きがみられる
「浜松市西区桜台」

依然、人気の高い浜松文教エリア(写真:浜松市中区広沢)
依然、人気の高い浜松文教エリア
(写真:浜松市中区広沢)

「当然ですが、まず予算ありき。以前は土地購入に1,500万円見込んでいたのが、最近では1,200万円程度で何とかならないかというお客様もいらっしゃいます。中古住宅に関しては、お子さんの学区内で探される方がほとんど。広沢、山手、蜆塚など文教エリアは依然人気で、出ればすぐに買い手が付きます。
また、築6~7年の建物の引き合いが強く、築20年を超えるとなかなか難しい。当社が仲介している物件に関しては、売主がリノベーションして売り出すものはほとんどありません。


それよりも、購入後、設計士を自分で手配し、床や畳をめくって中を点検してもらうお客様もいて、全体的に見えないところまで気を配るようになったなというのが実感ですね」

土地取引件数よりも中古住宅の仲介が増えているというセキスイハイム不動産では、築10年前後の物件に人気が集中。
「立地、価格、学区の順に優先順位を設定しています。周辺相場が下がっているので売主も査定価格に納得し、2年前は早出で坪単価35万円平均だったものが最近では坪27万円ぐらいになっています」と今井さん。

遠鉄浜松東不動産営業所でも中古住宅は活発という。
小笠原さんは「大手製造業が拠点を構える浜松では、今なおリーマンショックが響いていて、給与所得の上昇が見込めないのが実情。当社の新築分譲住宅の販売価格は2,800万円~3,500万円ぐらいですが、これに対して、中古住宅だったらかなり割安で購入できます。ただし、中古住宅は現物を見て、部分的に妥協しないとなかなか決断できません。地盤はともかく耐震性に関しては、買った後、自分で補強したり、リフォームしたりすれば、十分に対応可能。中古住宅に目を向けるお客様が増えたのは、好ましい傾向と受け止めています」と語る。

高台で営業するスカイポートも同様で、新築住宅の分譲価格低下に引っ張られ、中古住宅では1,500万円~1,600万円の程度良好な物件に人気が見受けられるとか。
最近では西区の桜台でも動きが見られ、学区に縛られなければ選択肢は広がるという。

中古分譲マンション

中古物件は立地次第。JR浜松駅周辺や沿線に注目

浜松市中心部か、遠鉄沿線か。郊外の中古マンションは苦戦。

浜松市内の年間マンション需要は約500戸といわれる中、かつては浜松駅徒歩圏内の分譲マンション供給が需要に追いつかず、浜松駅前の中古分譲マンション相場が異常に高騰したこともあったが、5~6年前の新築分譲マンションブーム当時は、需要の倍以上の年間約1000戸の供給が計画された。

購入希望者は「もっといいものを、もっと安く」と様子見に徹し、供給過剰が災いして激しい値引き競争が繰り広げられた。結果的に新築分譲マンションの値崩れが起こり、この影響で中古分譲マンションの価格が大幅にダウン。分譲マンション市場は供給計画の動向により価格相場の変動が急激に起こることが特徴であるが、現在は落ち着きを見せている中古分譲マンション市場。マストレの小林さんは次のように分析する。

「分譲マンションはまず立地。街中にあって駅に近い物件は根強い人気があります。取引価格は、街中の中古分譲マンションが2,000万円以上、郊外は1,500万円前後といったところでしょうか」。
遠州鉄道の小笠原さんも同様の見解だ。「中古住宅より中古分譲マンションの方が少ない予算で購入できるため、最初からマンションに絞って探す人も少なくありません。ここ東区は物件数が絞られるため、動きは鈍いですね。マンションは戸建てに比べて中古になった時点での値下がりが大きく、高い価格のまま販売をかけてもなかなか買い手が付きません。郊外型のマンションとなるとさらに深刻で、やはり立地がすべてと言っても過言ではないと思います」

生活利便性に優れた街中に一戸建てを持つのが理想だが、それが実現できないのなら、郊外の一戸建てか、街中の中古分譲マンションかの二者択一となる。
静岡セキスイハイム不動産の今井さんは「今、街中の中古分譲マンションは手頃な価格で入手が可能です。鍵1本で生活できるセキュリティーの高さと、近所付き合いの煩わしさが少ないことから、若い人を中心に中古分譲マンションを求める声も多いですね」と語る。

新築分譲マンションの供給が減り、自己資金の増額も見込めない今、中古分譲マンションは有力な選択肢。立地条件や周辺環境に恵まれた築年数の浅い分譲マンションは引く手あまたで、即断即決が勝負の分かれ目となる。

浜松駅徒歩圏内の分譲マンション。浜松市内では立地条件や周辺環境に恵まれた築年数の浅い中古分譲マンションが人気。若い世代を中心にセキュリティーの高さや近所付き合いが少ないマンションが中古住宅より需要が高いようだ。

編集協力 静岡情報通信

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