環境省が「賃貸住宅の省CO2促進モデル事業」を概算要求
環境省は、賃貸住宅からのCO2の大幅な削減を目指し、国土交通省と連携して、2016年度の予算要求で「賃貸住宅における省CO2促進モデル事業」に25億円を要求。来年度から省エネ基準を超える高効率の機器を賃貸住宅に導入した場合、最大で費用の2分の1を補助する計画だ。
賃貸住宅への高効率の省エネ機器等の導入に最大で費用の2分の1を補助。
環境省は、地球温暖化対策として2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で26%削減する目標を掲げるが、家庭部門の排出削減は進んでいないのが現状。そこで来年度から3年間をかけ「賃貸住宅における省CO2促進モデル事業」を実施し、合わせて省エネ性能の高いエコ賃貸住宅を、入居希望者が住宅情報誌や民間の検索サイトで見つけられる仕組みをつくる方針だ。
CO2の削減では、個々の住宅は低炭素化技術は確立しているものの、新規着工件数の約4割を占める賃貸住宅では、賃料アップや入居者獲得につながらないため、市場展開が遅れている。そこで省CO2性能に優れた賃貸住宅の供給を促すため、オーナーに対して現在の省エネ基準を超える高効率の機器を賃貸住宅に導入した場合、最大で費用の2分の1(上限額:60万円/戸)を補助する。
省エネ機器は、高効率のエアコンや給湯器の導入、LED照明や高断熱の窓ガラスの設置などが省エネ化に効果的とされる。太陽光パネルを設置すれば、エネルギー消費を減らすだけでなく、再生可能エネルギーの利用で光熱費を減らすことができる。
またこうした設備の導入により得た利点を「ネット」や「情報誌」などの賃貸物件選びの条件に加えることで、最終的には「環境基本性能の高い賃貸住宅の入居率向上」につなげることを目指すとしている。
賃貸住宅における省CO2促進モデル事業のイメージ
事業スキーム
補助対象 | 非営利法人 |
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補助割合 | 定額 |
間接補助対象 | 賃貸住宅を建築・管理する者 |
補助率 | (1) 1/2(上限額:60万円/戸) (2) 1/3(上限額:30万円/戸) |
事業実施期間 | 2016~2018年 |
事業概要
賃貸住宅について、一定の断熱性能を満たし、かつ住宅の省エネ基準よりも (1)20%以上(再エネ自家消費算入可)もしくは (2)10%以上(再エネ自家消費算入不可)CO2排出量が少ない賃貸住宅を新築または同基準を達成するように既築住宅を改修する場合に、追加的に必要となる給湯、空調、照明設備等の高効率化のために要する費用の一部を補助。
本事業を活用して新築・改修された賃貸住宅については、住宅性能の表示や、インターネット等を活用した効果の普及やPRを行う。
さらに本事業と並行して、賃貸住宅の紹介・斡旋を行っている事業者と連携し、賃貸住宅の検索時に、低炭素型であることをメルクマール(指標・目印)とした検索を可能とすることで、市場全体の低炭素化を官民連携で行う。
【出典/環境省:賃貸住宅における省CO2促進モデル事業】
編集協力 静岡情報通信