2016年の静岡県西部の住宅市場大予測

2016年住宅市場大予測(県西部)

公開日時: 更新日時:

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不動産鑑定士 中村進一郎さんに聞く!
写真:濱松不動産鑑定株式会社 不動産鑑定士 中村進一郎さん

濱松不動産鑑定株式会社
不動産鑑定士 中村進一郎さん

国土交通省が発表した2015年7月1日現在の都道府県地価(基準地価)によると、静岡県内平均変動率は住宅地が▲1.2%、商業地、工業地がともに▲0.9%と全用途で7年連続下落したが、下げ幅はわずかに縮小した。景気の緩やかな回復基調の中で、静岡市や浜松市などの都市部では需要の高まりを背景に、中心商業地や利便性の高い住宅地が上昇傾向にある。
2015年の動向をふり返り、2016年の不動産市場を予測する年末特集。
濵松不動産鑑定株式会社の不動産鑑定士、中村進一郎さんにうかがった。

3大都市圏、地方中核都市とその他地方圏との格差が鮮明に

2015年7月1日現在の都道府県地価(基準地価)によると、東京、大阪、名古屋の3大都市圏では商業地の平均が前年比2.3%のプラスとなり、国土交通省が「地方中核都市」に区分した札幌、仙台、広島、福岡の4市の商業地も3.8%のプラスとなった。これに対して、地方圏では下落が続き、ほとんどの自治体は人口流出と地価下落に歯止めをかけようと懸命だ。中村さんはこうした状況を「政令指定都市・苦難の時代」と指摘する。
「大都市圏と地方圏との格差が広がり、三極分化が進んでいます。大都市圏では低金利や株高による投資活性化に加え、日本を訪れる外国人観光客が急増し、訪日客を見込んだテナントが増加。ホテルが確保しにくいという声も聞かれます。しかし、こうした現象は都市圏のみで、地方への波及は限定的。県西部では投資やインバウンド消費の影響はあまり見られません」

地方中核都市を除く地方圏は住宅地-1.6%、商業地-1.9%で、全体の80%弱が下落地点だった。名古屋駅東口の商業地はリニア中央新幹線開業への期待を受けて45.7%の大幅プラスとなったが、中村さんは「東海道新幹線のひかり号が停まる浜松は東西の交通利便性に優れ、気候的にも住みやすい地域。なのに、リニアやのぞみ号ばかりが注目されて、この地域本来の魅力が集客や人口増加につながっていないのが残念です。また、郊外へと人が流れる中、JR浜松駅を取り巻く市中心部の活性化も急がれます」と語る。

中心部と沿岸部で二極化 北区は工場進出で価格上昇も

県西部の地価を見ると、浜松市は中区の住宅地が0.6%上昇したのに対し、西区は-1.9%、南区は-2.6%それぞれ下落。東区で下落率が縮小した一方、西区舞阪町では落ち込みが目立った。東日本大震災を境に高台と沿岸部の二極化が進み、この傾向は現在も続いている。また、北区は初生町で需要が高いものの物件が少なく、価格は上昇傾向に。都田地区へ地元大手企業の工場進出が決まっており、従業員の転入が進めば、周辺一帯はまだ上がる可能性があると予測する声も聞かれる。浜北区は津波の心配がないことから、ここ数年緩やかに上昇していたが、住宅地は-0.3%の下落に転じた。天竜区も西鹿島駅周辺を除くと引き合いが乏しく、厳しい状況が続いている。濵松不動産鑑定が作成した資料[表A]によると、浜松市の住宅地価格(平均モデル)は3.3m2あたり28万9,000円。1画地(62坪)の価格は1,792万円で、変動率は-3%。同じく住宅地の価格動向[表B]は、上昇が10%、横ばいが30%、下落が60%となっている。中村さんは説明する。

「沿線別宅地価格[3頁目図1]が示すように、下落地点が50%を超え、奮わない結果となりました。佐鳴台、高丘、上島、和合、上西町など中区と東区の一部でやや上昇した地点がある程度で大半の土地が下落しています。今年は大雨による河川の増水や決壊が大きな被害を招きました。沿岸部や海抜が低い土地、河川流域は津波や洪水のリスクを受けやすく、テレビや新聞などでこうした被害状況を目にすると、敬遠する気持ちが強まります。自然災害だけでなく、少子高齢化や人口流出による空き家の増加も深刻です。今年7月に総務省が発表した全国の空き家率(総戸数に占める割合)は13.5%。浜松市は10%以下ですが、対岸の火事ではありません。ものづくりの風土を活かし、企業誘致を図ることが人口流出を食い止める最善策ではないでしょうか」

写真:都田地区

スズキ自動車の工場建設が進む都田地区。従業員の転入が進めば、地価動向が注目される。

浜松市は「市街化調整区域における農業と工業のバランスある土地利用の実現」を目標に、平成23年12月に内閣総理大臣より 「未来創造『新・ものづくり』特区」の指定を受けた。都田テクノポリスの北東に位置する第三都田地区工業用地(団地面積約49.8ha)では来年以降、約37haの造成に着手。新東名高速道路スマートICから約5分という交通利便性と、内陸部の強固な台地に位置する防災上のメリットをアピールし、県内外から優良企業を誘致しようと計画している。

■ 住宅地価格の推移(浜松市の平均モデル)(表A)
表:住宅地価格の推移(浜松市の平均モデル)(表A)資料提供:濱松不動産鑑定

■ 住宅地の価格動向(表B)
グラフ:住宅地の価格動向(表B)
資料提供:濱松不動産鑑定 

※上昇地点は浜松市中区の少しで、下落地点が50%を超え、売れない土地も急増している。

編集協力 静岡情報通信

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