マイホーム建てるなら今が勝負!
対策マイホーム取得のための対策
施行日の6カ月前までの請負契約には旧税率が適用
2013年秋、税率引上げが最終判断されると予定通り2014年4月から税率は5%から8%に引き上げられる。しかし、注文住宅など請負契約を伴う住宅については、工事期間の都合上、新税率施行の6カ月前までに請負契約を締結した場合には、新税率施行後の引渡しであっても旧税率を適用する経過措置が検討されている。
前回1997年4月1日施行の3%から5%へ引き上げの際には、この経過措置が適用された。前回通りであれば、2013年9月30日までに建築請負契約を結んでいれば、物件の引渡しが2014年4月以降でも税率は8%ではなく改正前の5%が適用される。また同様に2015年3月31日までの契約であれば、引渡しが2015年10月以降でも税率は10%ではなく8%が適用される。ただし、各々施行日前6カ月を過ぎた追加工事については経過措置の対象外となるので注意したい。
駆け込み需要で混雑が… 新築は早めの対応が必要
マイホームの取得には、建売住宅やマンションを購入する場合と、自己所有の土地に注文住宅を建てたり、土地探しから始める場合などがある。
建売住宅やマンションの購入なら2014年3月末までに契約・引渡しを受ければ良いが、注文住宅の場合にはそうは行かない。
家づくりの工事期間は住宅各社によって異なり、プランニングから設計完了まで概ね2~3ヶ月、工事の開始から入居までに概ね6~10カ月間が必要だ。土地探しから始める場合には、さらに数ヶ月間を要す場合もあるので、これらの期間も含めるとただちに始めても早すぎるとは云えない。
前回の消費税率引き上げの際には、新税率施行日の1年前から住宅の駆け込み需要が始まり、工事が一時的に混み合うなどの状況があった。業務が集中すると価格が上昇する傾向にあり、また希望の依頼先が混んでいて断られるなどの可能性もあるので、住宅の新築を考えている人は早めの対応が必要だろう。
どうなる? 軽減措置
消費増税にあたって焦点となっているのが軽減税率などの緩和策だ。本来であれば増税とセットで検討されるべきものだが、具体策は未だ見えてこない。過去の消費税導入時には増税分の約半分を手当てした経緯があり、今回も負担増のうち一定の割合が軽減される公算が大きい。現在のところ以下の項目が検討されている。
住宅ローン減税の拡充
対象のローン残高上限を引上げ、減税期間10年⇒15年に延長。控除率も現行の1%⇒2%に拡大。※ローン減税で差し引けない分は個人に直接給付する「新型給付」も検討。住宅エコポイントの付与
商品券と交換できる「住宅エコポイント」を再開。
不動産取得税の軽減
住宅業界から不動産取得税の廃止が要望されている。増税分を購入者に還付
不動産協会から税率5%を超える部分については、相当額を住宅購入者に還付する仕組みが要望されている。
その他の増税案
消費税法改正に関連して盛り込まれていた所得税の最高税率引上げ、相続税・贈与税の見直し(課税最低限・税率等)は今回削除され、2012年度中に「必要な法制上の措置を講ずる」として先送りしている。今年度中にまとまれば2015年1月1日より実施される見通しだ。
今回提出(削除)された改正案は次の通り。
所得税法の一部改正
所得税の最高税率の引上げ(課税所得5,000万円超について45%)
※2015年分以後の所得税について適用。相続税法の一部改正
相続税の基礎控除の引下げ (「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」 ⇒ 「3,000万円+600万円×法定相続人数」)
相続税の税率構造の見直し(最高税率を50%⇒55%に引上げ)
相続時精算課税制度に係る贈与者の年齢引下げ(65歳⇒60歳)
※2015年1月1日以後に取得する財産に係る相続税、贈与税について適用。租税特別措置法の一部改正
直系卑属(20歳以上)を受贈者とする場合の贈与税の税率構造の緩和
相続時精算課税制度に係る受贈者の対象拡大(20歳以上の孫を追加)
※2015年1月1日以後に取得する財産に係る相続税、贈与税について適用。
編集協力 静岡情報通信