住宅の買主様の中には住宅ローン金利タイプで悩まれる方も多いでしょう。 ローン完済までの金利が数百万円にのぼることは珍しくないためです。 生活に大きな影響を与える金利タイプについて知り、負担と不安を払拭しましょう。

住宅ローン選びの基本 金利タイプを知ろう

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住宅ローンの金利タイプを選ぶときに知っておきたいこと

住宅ローンの金利は変動型がいい? それとも固定型? 住宅の買主様の中には金利タイプで悩まれる方も多いでしょう。 金利は非常に高い買い物と言えますから、迷うのは当然です。仮に現在のような低金利が今後続いたとしても、ローン完済までに支払う金利が数百万円に上るプランは珍しくありません。 住宅ローンの金利タイプの選択は、買主様のその後の生活に大きな影響を与えます。金利タイプの基礎知識を押さえ、負担や不安を少しでも減らせるようにしましょう。

住宅ローン金利の3タイプ

住宅ローンの金利には大きく分けて

  • 全期間固定金利型
  • 変動金利型
  • 固定金利期間選択型

の3タイプがあります。 それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておきましょう。

全期間固定金利型

最初に設定した金利が完済時まで変わらないタイプです。つまり、ローンを組んだ時点で総支払い額が固定されています。

メリット

将来、市場の金利が上がっても、返済中のローンの金利や返済額は増えません。そのため、計画的に返済できることがメリットです。

デメリット

変動金利型よりも金利が高めに設定されています。また、金利が高いときに全期間固定金利型でローンを組むと、最後まで高金利で返済を続けることになります。

このような方に選ばれる

ローン返済期間の最後まで安心や安定を求めたい方に選ばれています。 子育てなどで住宅ローンの返済以外にも出費が多い家庭にとって無難な金利タイプです。

変動金利型

適用金利が年に2回、多くは4月と10月に見直されるタイプです。ただし、1度の見直しで急激に金利が増加すると家計への影響が大きいため、金利の上昇は1度に1.25倍が上限とされています。 返済額は5年ごとに見直されるものが多くなっています。

メリット

固定金利型よりも金利が低めに設定されています。ローンを組んだときの金利が高かったとしても、その後に金利が下がれば返済額も下がります。

デメリット

住宅ローンを返済中に適用金利が上がれば、返済額も増えます。その結果、総返済額が他の金利タイプより多くなることがあります。家計に余裕がない場合、返済額の増加に対応できない恐れがあります。 また、住宅ローンを組む段階で、総返済額がわからない点もデメリットです。

このような方に選ばれる

金利が上がったとしても余裕を持って返済を続けることが可能な方や、手元の資金で一括返済ができる方に選ばれています。 低金利時代に短めの返済期間でローンを組む方も、変動金利型を選ぶと有利です。

固定金利期間選択型

あらかじめ約束した一定期間は固定金利で返済するタイプです。固定金利期間は3年・5年・10年・20年などから選択します。

メリット

固定金利期間の返済額が確定するため、変動金利型に比べて返済計画が立てやすくなります。また、短めの固定金利期間を選択すると、金利が低めになります。

デメリット

ローンを組む最初の段階で、固定金利期間が終わってからの返済額が確定しない点がデメリットです。固定金利期間の後、返済額が増える恐れがあります。

このような方に選ばれる

家計に余裕があり、固定金利期間のうちに繰り上げ返済を目指す方は固定金利期間選択型を選ぶ傾向があります。

最も多いのは変動金利型

個人向け住宅ローンの新規貸出では、約6割が変動金利型となっています。(国土交通省「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査」) 同調査によると、2018年の新規貸出額で「変動金利型」(60.5%)の割合が最も高く、「全期間固定金利型」(5.3%)、「固定金利期間選択型」(24.3%)より大幅に多くなっています。

金利が1%上がると総返済額が大きく変わる

金利が1%違うと、家計や将来の資産に大きな影響を与えます。ローン残高にもよりますが、金利が1%上がるだけで総返済額が数百万円も増えるケースもあります。 具体例として、借入金額2,500万円、返済期間35年の住宅ローン(元利均等返済)を見てみましょう。 全期間を通して金利1%の場合と、返済を始めてから10年後に金利が1%から2%に上がる場合を比較すると、次のようになります。

  • 全期間を通して金利1%の場合 毎月返済額7万0571円 総返済額 約2,964万円
  • 10年目まで金利1%、11年目から金利2%の場合
    • 返済期間1-10年(金利1%) 毎月返済額7万0571円
    • 返済期間11-35年(金利2%) 毎月返済額7万9368円 総返済額 約3,228万円

単純なモデルではありますが、金利が途中で1%から2%へと変動するだけで、総返済額が260万円以上も増えることがわかります。

金利の変動は予測が難しい

金利が1%上がった例を見てもわかる通り、金利の変動は住宅の買主様(ローンの借主様)の生活を左右します。だからこそ、多くの買主様が金利タイプで迷うわけです。 低金利がいつまでも続くと確約できるのであれば、変動金利型の方が返済総額を少なくできるでしょう。しかし、住宅ローンを返済中に金利が上昇し続けていくなら、固定金利型の方がお得になるかもしれません。 ところが、金利の変動は経済全体の動きとつながっていることもあり、予測は難しいものです。したがって、固定金利と変動金利のどちらがよいかという問題にも簡単には答を出せません。

年収負担率に応じて選ぶ金利タイプ

そこで、金利タイプを選ぶ1つの基準として、年収負担率を用いる考え方があります。

年収負担率とは

年収負担率は、1年間のローン返済額を税込み年収で割って算出します。例えば、毎月10万円を返済するなら、1年間の返済額は120万円です。税込み年収を500万円とすると、年収負担率は24%です。

年収負担率25%以上

年収負担率が25%以上になると、毎月の返済額が手取り月収の3分の1を超えてしまい、ローン返済が家計を圧迫し始めます。そのような家計の状況で金利が上昇し、ローン返済額は増えてしまうと、家計がさらに苦しくなる恐れがあります。 そこで、予想外の負担が増えるリスクを避けるため、全期間固定金利型が有力な選択肢となります。

年収負担率25%程度だが、収入増の予定

年収負担率が25%以上になると、毎月の返済額が手取り月収の3分の1を超えてしまい、ローン返済が家計を圧迫し始めます。そのような家計の状況で金利が上昇し、ローン返済額は増えてしまうと、家計がさらに苦しくなる恐れがあります。 そこで、予想外の負担が増えるリスクを避けるため、全期間固定金利型が有力な選択肢となります。

年収負担率20%より小さい

年収負担率が10%台に収まっていれば、ゆとりを持って住宅ローンを返済している人が多いでしょう。仮に金利が上昇し、返済額が増えたとしても、無理なく対応できるはずです。 そこで、現在の低金利のメリットを活かし、少なくとも借り入れ当初には返済額を抑えられる変動金利型を選んでもよいでしょう。

引下げ金利(優遇金利)

住宅ローンには、最初に設定されている店頭表示金利(基準金利)と、キャンペーン適用(優遇金利)などによって引き下げられ、実際に住宅の買主様(ローンの借主様)が利用できる適用金利があります。 このキャンペーンにもタイプがあります。全期間タイプと当初タイプです。 固定金利期間選択型10年の住宅ローンの店頭表示金利が3.250%だったとして、全期間タイプと当初タイプのキャンペーンをそれぞれ適用するとどうなるか、見てみましょう。

全期間タイプ

全期間タイプは返済中の全期間で、金利が同率で引き下げられるタイプです。今回は、全期間で1%が引き下げられるとします。 当初10年間は2.250%(= 店頭表示金利3.250% – 優遇金利1%)です。10年後に店頭表示金利が4.250%に上がっていた場合、次の固定金利期間は3.250%(= 店頭表示金利4.250% – 優遇金利1%)となります。

当初タイプ

当初タイプとは、通常、固定金利選択型を選んだ場合に利用できるキャンペーンのタイプです。固定金利期間中は金利引き下げ幅が大きく、期間が終了すると引き下げがなくなったり、引き下げ幅が小さくなったりします。 今回は、最初の固定金利期間だけ1.75%が引き下げられるとします。 当初の10年間は1.5%(= 3.250% – 1.75%)です。 10年後に店頭表示金利が4.250%に上がっていた場合、次の固定金利期間は4.250%(優遇金利なし)となります。

どのようなキャンペーンを選ぶかにより、その後の返済計画に大きな違いが出ることがわかります。 どれくらいの優遇金利が適用されるかは、住宅ローンを申し込む人によって違います。住宅の買主様(ローンの借主様)の年収や勤務先、勤続年数などをもとに金融機関が貸し出しリスクを算出し、決定するからです。

企業や不動産会社の提携ローン

住宅の買主様が大企業に勤めている会社員であれば、企業と金融機関が提携ローンを用意していることがあります。 提携ローンでは、金融機関に直接足を運んだときに紹介される優遇金利よりもさらに低い金利が適用されるケースもあります。買主様が大企業に務めていることから、金融機関の審査でローン返済能力に一定の評価が与えられるためです。

また、住宅の買主様が仲介を依頼している不動産会社が提携ローンを用意していることもあります。銀行の窓口に直接行く前に、まずは不動産会社に尋ねてみるとよいでしょう。 住宅メーカーで家を新築するときにも住宅メーカーと金融機関の提携ローンによる優遇金利が適用されることがあります。

ローンを返済以外の出費も考えて

住宅ローンの金利タイプを選択するときの基礎知識をご紹介しました。 注意しなければならないのは、住まいを購入してからの人生で、お金がかかるのはローン返済だけではないということです。例えば、子どもの教育や家族の介護のために予想外のお金がかかることもあります。

そのため、変動金利型を選ぶなら、金利がアップしたときのことまで想定して準備しておくことが大切です。ローン支払いの安定を重視するなら、全期間固定金利型や固定金利期間選択型から自分に合ったタイプを選びましょう。 金利タイプの選択に不安があるなら、不動産会社や金融機関でお金のプロに相談するようにしてください。

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