注目のセカンドハウスとは!購入の魅力と注意点を解説
セカンドハウスとは、日常的に使用する第2の生活拠点です。近年は、以下の目的でセカンドハウスの購入を検討されている方が増えています。
- 仕事場に近い家が欲しい
- 週末は朝からサーフィンができる場所に家が欲しい
- 休日は子供が走り回れる広い家で過ごしたい
セカンドハウスは、上記の目的を叶えるために非常に有効です。ただし購入時点でしっかりとマネープランを作らないと、自己破産や老後破産などをしかねません。
本記事では、セカンドハウスの魅力や購入時の注意点を解説します。セカンドハウスの購入を検討している方は、最後まで読んでください。
セカンドハウスとは
セカンドハウスとは、第二の家とも呼ばれる自宅以外のもう1つの生活拠点です。メインの生活拠点ではないため住民票を移す必要はありません。
また平日や休日のどちらかに使用するのが一般的で、別荘とは異なり日常的に使用するのが特徴です。
セカンドハウスの定義
セカンドハウスと認められるには、月1回以上は日常生活のために使用しなければなりません。セカンドハウスは日常的な使用が求められるため、別荘とは別物です。
つまり長期休みだけしか使わないといった使用方法だと、セカンドハウスとは認められず後述する税制優遇が受けられません。
セカンドハウスと別荘の違い
セカンドハウスと別荘では、使用目的と税制上の取り扱いの2つが異なります。セカンドハウスは生活必需品、別荘は贅沢品という位置づけです。
セカンドハウスは、以下のような家が該当します。
- 都心の仕事場に通勤するための家
- テレワーク専用の家
- 田舎でゆっくりするための家
一方で別荘は、保養を目的として年数回の長期休みに利用する家が該当します。
またセカンドハウスは居住用財産とみなされるため税金の優遇措置があります。しかし別荘は贅沢品であるため、税金の優遇措置はありません。
セカンドハウス購入のメリット
セカンドハウスを購入するメリットは以下の3つです。
通勤時間の短縮
仕事場の近くにセカンドハウスを購入すると、通勤時間の短縮が可能です。例えば従来の通勤時間が3時間だと、通勤時間だけで1日に6時間も費やしています。
仮に仕事場から30分の場所にセカンドハウスを購入すると、1日の通勤時間が1時間に短縮されます。通勤時間が短縮すると、以下のように生活は変わるでしょう。
- 朝の7時まで眠れる
- 仕事中に眠気を感じなくなる
- 家族と一緒に夕食が食べられる
仕事場の近くにセカンドハウスがあると、通勤時間が短縮され時間の有効活用ができます。
1人の時間が作れる
家族がおり、時間の捻出が難しく「全く趣味を楽しめていないと」悩む方もいるでしょう。そのように悩む方は、趣味用にセカンドハウスの購入がおすすめです。
平日は自宅で家族と一緒に過ごし、休日はセカンドハウスで趣味など一人の時間を楽しむといった利用方法が考えられます。
また仕事用としてセカンドハウスを購入し、テレワークや作業スペースとしての利用も可能です。「家族がおり、1人の時間を確保できない」と悩んでいる方は、セカンドハウスの利用を検討してください。
部屋を自由に使える
自分用にセカンドハウスを購入すると、誰にも文句を言われず以下のように利用できます。
- 本やフィギュアなど趣味の物だけに囲まれた部屋
- YouTubeの撮影部屋
- 衣装部屋
家族がいると、自宅に自分の好きなものだけを置くのは難しいです。しかしセカンドハウスがあれば、部屋を自由に使用できます。
資産が増える
購入する不動産によっては、資産が増えることもあります。
例えば、仕事用で都心に5,000万円のセカンドハウスを購入したとしましょう。10年後仕事を引退するタイミングで、セカンドハウスを6,000万円で売却できると、1,000万円の売却益が得られます。
セカンドハウスとして使用しなくなっても、賃貸に出して賃料を得るといった使い方も可能です。また資産として子供に相続することもできます。
セカンドハウス購入のデメリット
セカンドハウスの購入はメリットばかりではありません。以下3つのデメリットも考慮してから購入しないと、後悔しかねないため注意が必要です。
住宅ローンの審査が厳しい
セカンドハウスは住宅ローンの審査が厳しいです。そもそもセカンドハウスは一般的な住宅ローンが使えません。そのため一般的な住宅ローンを組むときよりも高い返済能力が求められます。
またセカンドハウスに使用できる住宅ローンは主に以下の2つです。
- フラット35
- セカンドハウスローン
フラット35は、マイホーム購入時と同じ条件で住宅ローンを組めるのがメリットです。ただし、すでにマイホームの購入などでフラット35から融資を受けている場合は、利用できません。
セカンドハウスローンは、セカンドハウス・別荘の購入に使用できます。ただし収入での足切りを設定している金融機関が多いため、事前の確認が必要です。
住宅ローン控除は対象外
セカンドハウスの購入では住宅ローン控除の適用は受けられません。国税庁は住宅ローン控除について下記の見解を示しています。
【引用】No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)-国税庁「2以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。」
つまり居住用物件を2つ以上所有している場合、住宅ローン控除の対象となる住宅は、生活のメインの拠点となる住宅のみ認められます。
セカンドハウス破綻に注意
セカンドハウスを購入する際は、将来にわたっての資金計画を立てておかないと、破綻する可能性があります。
セカンドハウスを購入すると以下のランニングコストがかかってきます。
- ローンの返済費用
- 固定資産税や都市計画税などの税金
さらにマンションでは以下のコストもかかります
- 管理費
- 修繕積立費
セカンドハウスを購入する際は、ローンの返済以外にも月々支払うコストを加味した上で、返済に問題が生じないか確認しましょう
セカンドハウスの選び方
セカンドハウスの選び方を以下3つの目的別に解説します。
- 通勤・通学の改善が目的
- 趣味を楽しむことが目的
- 週末だけ過ごすことが目的
通勤・通学の改善が目的
通勤・通学の改善が目的ならば、会社や学校に近い場所にセカンドハウスを所有しましょう。またセカンドハウスから会社や学校までの移動手段も考慮するのがおすすめです。
- 徒歩
- 自転車
- 電車
- バス
趣味を楽しむことが目的
趣味を目的にするならば、趣味を最大限楽しめる場所にセカンドハウスを所有しましょう。
サーフィン・釣りが趣味な方は、海に近い郊外がおすすめです。キャンプやゴルフなどが好きな方は、キャンプ場やゴルフ場が近い郊外を検討してください。
週末だけ過ごすことが目的
週末だけ過ごすことが目的の方であっても、あまりに遠い場所でセカンドハウスを所有するのはおすすめできません。なぜなら遠い場所に所有してしまうと、移動が面倒になって通わなくなるケースが多いからです。
せっかく購入したセカンドハウスも、利用しなければ意味がありません。また月1回以上利用しなければ、セカンドハウスでなく別荘と認定され、税制上の優遇も受けられなくなります。
そのため、遠くても車で1時間〜1時間30分以内の場所にセカンドハウスを持つのがおすすめです。
セカンドハウスの税制上の優遇
セカンドハウスと認定されると税制上の優遇があります。優遇される税金は以下の3つです。
固定資産税
固定資産税とは1月1日時点で不動産を所有している方に課せられる税金です。固定資産税額の計算式は「固定資産税額=固定資産税評価額x1.4%」です。
新築のセカンドハウスとして認定されると、セカンドハウスとして使用している土地の固定資産税は以下の計算式を用います。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税額=固定資産税評価額×1/6×1.4%
一般住宅用地(200㎡超の部分):固定資産税額=固定資産税評価額×1/3×1.4%
セカンドハウスとして認定されると、土地にかかる固定資産税が最大で1/6まで軽減されます。
不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を取得する際にかかる税金です。不動産取得税の計算式は「固定資産税x3%」です。
※原則は4%ですが、2024年3月31日までに土地や住宅を取得した場合は3%に軽減されます。
新築のセカンドハウスを取得した場合の税金の計算方法は、土地と建物によって異なります。
土地:土地にかかる不動産取得税=固定資産税評価額×1/2×3%
建物:建物にかかる不動産取得税=(固定資産税評価額-1200万)×3%
都市計画税
都市計画税とは、道路や公園を整備するための費用として課税される税金です。1月1日時点で、市街化区域内に不動産を所有している方が、固定資産税と合わせて課税されます。
市街化区域内とは、市町村が開発を進めたいと考えているエリアです。つまり市町村が「これから発展させていきたい」と考えているエリアと言えます。
都市計画税の計算式は「都市計画税税額=固定資産税評価額×0.3%」です。
セカンドハウスとして認定された場合の計算式は、以下を参照してください。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分):都市計画税=固定資産税評価額×1/3×0.3%
一般住宅用地(200㎡超の部分):都市計画税=固定資産税評価額×2/3×0.3%
都市計画税について詳しく知りたい方は、計算方法や減税措置について解説した記事をご確認ください。
セカンドハウスを契約時の注意点
セカンドハウスを契約する際は、以下2つについて注意しましょう。
セカンドハウスであることを伝える
セカンドハウス購入する場合は、不動産会社がおすすめする物件も異なってきます。またこれまでご紹介したようにローンにも関係してきます。良い不動産を見つけるためにも不動産会社にセカンドハウスとして購入を検討していることを伝えましょう。
住民票はメインとなる住居に置く
セカンドハウスを所有している方でも、住民票はメインとしている住居においてください。ただし自治体によっては、セカンドハウスである旨を届けなければならないこともあります。
詳しくはセカンドハウスを購入するエリアの自治体に確認してください。
まとめ
セカンドハウスを購入する目的は人それぞれ違いますが、主に仕事や趣味のために購入されています。セカンドハウスを購入することで家族と過ごす時間や自分の時間をつくれ、豊かな生活を送ることもできます。大きな買い物でもありますので、長期に渡った資金計画を立てながら購入の検討をしましょう。