民間住宅ローン&フラット35「利用者実態調査」
目次
民間住宅ローン
住宅金融支援機構は、平成23年3月から6月までの間で、民間住宅ローンを借入れた人を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施、その結果を公表した。調査の内容は、主に「住宅ローンの金利タイプ別」や「住宅ローン選びに関する事項」について収集、843件の回答を得た。
金利タイプ 「変動型」の利用者が51.0%に増加
年齢別・世帯年収別でも「変動型」が増加、全期間固定型は減少
住宅ローンの利用割合を金利タイプ別にみると、変動金利型が前回調査(平成22年11月~平成23年2月)の45.8%から、今回は51.0%に増加している。一方全期間固定型は前回調査(同)の24.6%から22.7%へ減少した。
固定期間選択型(2~10年)は、平成20年には全体の47.4%と半数を占めていたが、長引く低金利を背景に年々減少し今回の調査では26.3%と大きく減少した。
年齢別では、いずれの世代でも変動金利型の利用割合は高い。また20歳代で全期間固定型の利用割合が30.9%と高いほか、50歳代では逆に固定期間選択型(2~10年)が30.8%と高く、年齢に応じて選択する金利タイプに特徴が見られた。
世帯年収別では、前回調査と比較して「変動金利型」が1000万円以下の各年収層で増加している。600万円以下の世帯では、フラット35の利用割合が減少し、変動にシフトしているのに対して、600万円以上の世帯では、逆にフラット35の利用割合が増加し、固定期間選択型が減少するという特徴が見られる。
金利上昇時には完済または繰上げ返済で対応も!
将来の金利上昇に伴う返済額増加への対応では、変動型・固定期間選択型を選んだ人はともに「金利負担が大きくなれば全額完済する」または「一部繰上げ返済する」と答えた人は合わせて52%強にのぼり、返済メドや資金余力を感じさせた。また「見当がつかない」と回答した人も10%以上あった。
ローン選び 選択の決め手は、圧倒的に”金利の低さ”
住宅ローンを選んだ決め手は「金利が低いこと」とする回答が70.3%と圧倒的に多い。次いで「繰上げ返済手数料が安かったこと」が26.1%、「住宅・販売事業者(営業マンなど)に勧められたから」が18.3%の順となっている。
満足度 民間住宅ローンに61.4%が「大いに満足」「やや満足」
民間住宅ローンに対する満足度では、融資額、金利水準、申込みから融資実行までの事務手続き、金融機関の商品説明、住宅販売事業者の情報提供などについて調査。その結果、総合評価で61.4%の人が「大いに満足」「やや満足」と回答を寄せた。
フラット35
住宅金融支援機構が行なっているフラット35利用者調査で、このほど平成23年度第1回(平成23年3月~平成23年6月)の利用者像が明らかとなった。インターネットによるアンケート調査でフラット35利用者133件について集計したもの。
ローン選び フラット35を利用した理由は「将来の返済額を確定」
フラット35を利用した理由について、全期間固定型住宅ローンの特徴である「金利上昇に備えて将来の返済額を確定」とする回答が54.1%。次いで「金利が低い」が49.6%、「フラット35S(優良住宅取得支援制度)を利用したい」が42.9%で上位3位を占めた。以下は「繰上げ返済手数料がかからない」、「住宅販売会社からの勧め」、「融資額が多い」などとなっている。
満足度 フラット35に56.4%が「大いに満足」「やや満足」
フラット35に対する満足度では、民間住宅ローンと同じ基準で比較した結果、総合評価で56.4%の人が「大いに満足」「やや満足」と回答を寄せた。ただ金利水準では民間に比べて、「大いに満足」は9%下回る結果となった。
編集協力 静岡情報通信