2014年度の税制改正要望が出揃い、住宅関連では、期限切れを迎える優遇税制の延長のほかに、「都市再興に向けた都市機能の整備のための特例措置」や「老朽化マンションの建替え等の促進」、「中古住宅流通・リフォーム市場の活性化」などで新たな減税特例措置などの創設を求めている。

2014年度 税制改正要望に見る住宅税制の行方

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目次

2014年度税制改正(租税特別措置)要望事項

所得税・法人税

新設 既存建築物の改修投資促進のための特例措置の創設・・・国土交通省

(1)耐震改修促進のための税制措置
改正耐震改修促進法(建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律)に基づき、耐震診断が義務付けられている病院、店舗、旅館等の不特定多数の者が利用する建築物や避難路沿道の建築物等を対象に、耐震改修を促進するための特例措置を講じる。

(2)省エネ改修促進のための税制措置
省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)に基づき、増改築時にエネルギーの効率的利用のための措置の届出が義務付けられている床面積 2,000以上のオフィスビル等の建築物を対象に、省エネ改修を促進するための特例措置を講じる。

(3)バリアフリー改修促進のための税制措置
バリフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)に基づき、増改築時に高齢者、障害者等が円滑に利用できるための基準に適合することが義務付けられている床面積 2,000以上の建築物(不特定多数の者が利用する病院、店舗等や主に高齢者、障害者等が利用する老人ホーム等)を対象に、バリアフリー改修を促進するための特例措置を講じる。

新設 既存建築物の改修投資促進のための特例措置の創設・・・国土交通省・環境省

【省エネ改修促進のための税制措置】
省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)に基づき、増改築時にエネルギーの効率的利用のための措置の届出が義務付けられている床面積 2,000以上のオフィスビル等の建築物を対象に、省エネ改修を促進するための特例措置を講じる。

新設 都市機能整備管理法人(仮称)に土地等を譲渡した場合の特例措置の創設・・・国土交通省

(1)都市機能整備管理法人(仮称)に対して都市機能の整備等のために土地等を譲渡した場合において、当該譲渡に係る譲渡益から、1,500万円の特別控除制度を創設する。

(2)都市機能整備管理法人(仮称)に対して個人が土地等を譲渡した場合において、2,000万円以下10%、2,000万円超15%の軽減税率を適用する。

(3)都市機能整備管理法人(仮称)に対して法人が土地等を譲渡した場合において、5%の法人重課の適用除外とする。

新設 都市機能誘導区域(仮称)外から区域内への事業用資産の買換え等の特例措置の創設・・・国土交通省

都市機能誘導区域(仮称)外に存する事業用資産を譲渡して都市機能誘導区域内に存する事業用資産を取得した場合の事業用資産の買換特例(繰延割合80%)の制度を創設する。

延長 都市機能整備管理法人(仮称)に土地等を譲渡した場合の特例措置の創設・・・国土交通省

土地等の譲渡益に対する追加課税制度(重課)の停止期限の延長

棚卸資産である土地等又は雑所得の基因となる土地等を譲渡した場合において、所有期間5年以下の土地等の譲渡による事業所得又は雑所得については、他の所得と分離して、重課(税率は住民税を含め52/100等)される本制度(2013年12月31日日まで課税停止中)を5年間課税停止する。

法人の土地譲渡益に対して、通常の法人税のほか、追加課税として特別税率(長期所有(5年超)5/100、短期所有(5年以下)10/100)が課される重課制度(2013年12月31日まで課税停止中)を5年間課税停止する。

新設 空きビルのテナント入替え等を行う場合の地権者の所得に対する課税の特例の創設・・・国土交通省

既存のビルにおいて都市機能を導入しようとする際、必要な限度において、ビル内で移転を行わせる制度(希望により転出)を創設し、移転補償金について税制上の措置を講じる。具体的には、上記の制度を活用する際の移転・退出する借家人の移転補償金について、譲渡所得とみなし、1,500万円特別控除の特例措置を創設する。

延長 市街地再開発事業における特定の事業用資産の買換え等の特例措置の延長・・・国土交通省

既成市街地等内の資産を譲渡して施設建築物及びその敷地を取得した場合の事業用資産の買換特例(繰延割合80%)の適用期限(所得税:2014年12月31日、法人税:2014年3月31日)を3年間延長する。

延長 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の延長・・・国土交通省

優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る課税の特例措置(所得税:2,000万円以下の部分について、税率を軽減(本則15%、特例10%)、法人税:法人重課の適用除外)の適用期限(2013年12月31日まで)を5年延長する。

新設 誘導地区施設(仮称)の整備の用に供する土地等を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例の創設・・・国土交通省

新たな法制度に基づき誘導地区施設(仮称)の整備事業を行う事業者に対して土地等を譲渡した場合について、下記の措置を創設する。

(1)事業のために土地等を譲渡し、事業により建築された建築物等を取得する場合
・買換特例(居住用財産)所得税100%

(2)事業のために土地等を譲渡し、特別の事情により地区外に転出する場合
・軽減税率(居住用財産)6,000万円以下 10% 6,000万円超 15%

(3)事業のために長期保有(所有期間5年間超)の土地等を譲渡する場合
・所得税の軽減税率 2,000万円以下 10% 2,000万円超 15%
・法人税 5%重課の適用除外

新設 老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)の転出者等の譲渡所得に係る所得税・法人税の特例措置の創設・・・国土交通省

1.マンションの建替えの円滑化等に関する法律において新たに創設する、老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)の転出者が認定建替事業又は認定建物敷地売却事業の施行者に権利を買い取られる場合については、譲渡所得に係る 1,500万円特別控除を適用する。

2.認定建替事業又は認定建物敷地売却事業の施行者に転出者が権利を買い取られる場合に発生する長期譲渡所得について、以下の特例を要望する。
(1)所得税:長期譲渡所得に係る軽減税率を適用する。
(2)法人税:長期譲渡所得の課税の特例(重課免除)を適用する。

3.認定建替事業において、権利変換により再建建物に係る権利を取得したときは、当該権利変換により譲渡した資産の譲渡がなかったものとみなす。

4.転出者が認定建替事業又は認定建物敷地売却事業の施行者に事業用資産を譲渡する場合について、当該譲渡の日を含む事業年度において国内にある土地建物等を取得し、かつ、取得の日から1年以内に当該法人の事業の用に供する場合、譲渡益の8割を損金に算入する特例を創設する。
※転出者については、(1)認定建替事業又は認定建物敷地売却事業の施行者から補償金を受け取る借家人と(2)認定建替事業における隣接施行敷地権利者である者を含むものとする。

延長 三大都市圏の政策区域における特定の事業用資産の買換え等の特例措置の延長・・・国土交通省

1号特例:既成市街地等から特定の地域内への買換
対象:譲渡益の一部(80%)について課税の繰延べ、所有期間10年超

4号特例:工業団地造成事業敷地の外から内への買換
対象:譲渡益の一部(80%)について課税の繰延べ

5号特例:都市開発区域以外から当該区域の市街化区域内への買換
対象:譲渡益の一部(80%)について課税の繰延べ

所得税

延長 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度の延長・・・国土交通省・環境省

(1)現行制度の概要
個人が居住用財産の譲渡損失の金額を有する場合に、買換資産に係る住宅借入金を有する等の一定の要件の下で、その譲渡損失の発生した年の翌年以後の3年内の各年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上、その譲渡損失に相当する金額を控除する。

(2)要望の内容
本特例の適用期限(2013年12月31日)の2年間延長

延長 特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の延長・・・環境省・経済産業省

(1)現行制度の概要
個人が、所有期間が5年を超える居住用財産を譲渡した場合において譲渡損失が発生したときは、一定の要件益通算及び翌年以後3年以内の各年分の総所得金額等からの繰越控除を認める。

(2)要望の内容
本特例の適用期限(2013年12月31日)の2年間延長

延長 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長・・・国土交通省

(1)現行制度の概要
個人が、所有期間が10年を超える居住用財産(居住期間10年以上であるものに限る。)を譲渡し、譲渡年の前年および譲渡年に自己居住用財産を取得した場合における譲渡所得の課税について、譲渡資産の譲渡による収入金額が
・買換資産の取得価額以下である場合は、譲渡資産の譲渡がなかったものとし、
・買換資産の取得価額を超える場合は、譲渡資産のうちその超える
金額に相当するものについて譲渡があったものとして、長期譲渡所得の課税の特例を適用する。

(2)要望の内容
本特例の適用期限(2013年12月31日)の2年間延長

登録免許税

延長 認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長・・・国土交通省

耐久性、耐震性、維持保全容易性及び可変性等を備えた質の高い住宅の供給及び適切な維持保全等による長寿命化を促進するため、認定長期優良住宅に係る登録免許税について、以下のとおり引き下げる特例を延長する。

  • 所有権保存登記 本則 4/1000(一般住宅の特例 1.5/1000)→ 1/1000
  • 所有権移転登記 本則 20/1000(一般住宅の特例 3/1000)→ 1/1000(中高層耐火建築物)、2/1000(中高層耐火建築物以外)

延長 認定低炭素住宅に係る所有権の保存登記等に係る軽減措置の延長・・・国土交通省

都市の低炭素化の促進に関する法律(平成24年法律第84号。以下「エコまち法」という。)により低炭素住宅の認定を受けた住宅(同法第16条において低炭素建築物とみなされた住宅である特定建築物を含む。)を新築又は取得した場合に、以下のとおり税率を引き下げる措置について、2年間延長する。

  • 所有権保存登記 本則 4/1000(一般住宅の特例 1.5/1000)→ 1/1000
  • 所有権移転登記 本則 20/1000(一般住宅の特例 3/1000)→ 1/1000

新設 老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)の施行者が行う権利変換手続開始の登記等の非課税措置の創設・・・国土交通省

マンションの建替えの円滑化等に関する法律において新たに創設する、老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)に係る登記のうち、以下のものについて必要となる登録免許税を非課税とする。

(1)認定建替事業において施行者が行う権利変換開始の登記及び認定建物敷地売却事業において施行者が行う売却手続開始の登記

(2)認定建替事業又は認定建物敷地売却事業の施行者が、転出者から区分所有権及び敷地利用権を取得した場合に行う登記

(3)認定建替事業において施行者が行う権利変換の登記、認定建物敷地売却事業において施行者が行う権利移転・消滅の登記

(4)認定建物敷地売却事業において、建物の明渡し完了後の施行者から買受者への権利移転に伴い参加組合員(買受者)が行なう登記

相続税・贈与税

拡充 相続税等の納税猶予を受けた農地を公共事業の用に供するために譲渡した者に対する利子税の免除・・・国土交通省

相続又は贈与により農地を取得した相続人又は受贈者は、引き続き農業を継続し、納税猶予分の額に相当する担保を提供した場合に限り、相続税又は贈与税の納税猶予が受けられるが、当該農地を土地収用法対象事業等のために譲渡した場合には、譲渡する面積に応じた相続税又は贈与税及び納税猶予期間中の利子税の 1/2を納付しなければならないこととなっている。

相続税又は贈与税の納税猶予を受けた農地を公共事業の用に供するために譲渡をした者について、納税猶予期間中の利子税を免除することにより、公共事業の円滑かつ迅速な推進を図る。

所得税・贈与税・登録免許税

拡充 中古住宅取得後に耐震改修工事を行う場合における、各種特例措置の適用要件の合理化・・・国土交通省

耐震基準に適合しない中古住宅を取得し、入居前に耐震基準に適合するための改修を実施する場合において、売主からの情報提供を受けた上で、耐震基準への適合が確実であることにつき国土交通大臣による認定を受けた場合、耐震基準に適合した中古住宅を取得した際と同様に、以下の特例措置の適用を認める。

  • 住宅ローン減税
  • 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置
  • 住宅取得等資金に係る贈与税及び相続時精算課税制度の特例措置
  • 住宅用家屋に係る所有権の移転登記等に係る特例措置

法人税・消費税

新設 老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)の施行者である組合の事業施行に係る法人税・消費税の特例措置の創設・・・国土交通省

【法人税】
マンションの建替えの円滑化等に関する法律において新たに創設する、老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)の施行者である認定建替組合及び建物敷地売却組合について、非収益事業所得に係る法人税を非課税とする。

【消費税】
マンション建替え法において新たに創設する、老朽化マンションの建替え等(認定建替事業・認定建物敷地売却事業)の施行者である認定建替組合及び建物敷地売却組合に係る消費税について、以下の特例措置を講ずる。
(1)資産の譲渡等の時期の特例
(2)仕入れ税額控除の特例
(3)申告期限の特例

編集協力 静岡情報通信

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