ライフプランを立ててみよう

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ライフプランとは文字通り、人生の先を見通しての計画です。家族とどのような人生を送りたいかを明確に していくことで同時にお金がどのくらい必要なのかも見えてきます。人生の中でも大きな買い物である家の購入も ライフプランを立てることでより具体的になってくるでしょう。今回はそんなライフプランの立て方を中心にご紹介します。

ライフプランで人生を“見える化”する

ライフプランとは

住まいの購入に向けて動き出す前に、まず家族のライフプランを立てることをお勧めします。 ライフプランは人生を先まで見通した計画です。「家族とこのような人生を送りたい」という願いをかなえるための人生設計とも言えます。 ライフプランをつくることで、安心して返済していける住宅ローン選びにも役立ちます。

将来の収支を明らかに

ライフプランを作成するときには、「どのような人生を送りたいか」についてあらためて考えて言語化します。同時に、そのような人生には「どれくらいのお金がかかるのか」も明らかにしていきます。 例えば、現在は20代のご夫婦が、65歳までにどのような生活を送るのかをシミュレーションするなら、次のようなライフイベントを具体的に予測します。

  • 出産の予定はあるか?
  • 何人家族で、家族が一緒に過ごすのは何年後までか?
  • 子どもを人気学区の小学校に通わせるなら、いつまでに引っ越さなければならないか?
  • 子どもの進学先は?
  • 転職や資格取得の可能性があるか?
  • 何歳まで働くか?

そして、これらのライフイベントを迎えるために必要なお金を計算していきます。

家を建てる時期やエリアが見えてくる

これから迎えるライフイベントとそのために必要な資金などから逆算することで、家を建てたりマンションを買ったりする時期や住みたいエリアが見えてきます。 もちろん、賃貸住宅に住み続ける方がよいという結論が出るご家族もあるでしょう。 ライフプランは、住宅購入という重大な決断を下すための大きな助けとなります。 ここで注意したいのは、どのような家でどう暮らすかは、理想の生活を送るための大切な要素ではありますが、あくまでも手段に過ぎないということです。

まずは目指す暮らしをはっきりと掲げ、それに応じた住み方を決めればよいのです。 家を建てることが目的になってしまい、ローンの返済に行き詰まったり、長時間の通勤で疲れてしまったり、節約ばかりの生活に嫌気がさしたりしては、何のためにマイホームを手に入れたのかわからなくなってしまいます。

変化に強くなる

人が働き続け、家族が成長していくと、収入や生活費などが年々変化します。また、予期せぬライフイベントが起こることもあります。例えば、社会情勢の変化に伴う収入の激減や、家族の増減などです。住宅ローンを支払い終わるまでに想定外の事態が起こり、急な出費が必要になるかもしれません。 そのような動きも頭に入れてライフプランを立てておくと、ある程度の変化を織り込んだ住宅購入の資金計画をつくることが可能になります。その結果、住宅ローンの完済まで無理なく支払いを続けられる可能性が高まります

定期的な健康診断のように

現在の家計収支や資産残高に問題がないとしても、来年以降も順調という保証はありません。その意味で、家計収支や資産残高は身体の健康のようなものです。今は身体に問題が見つからなくても、不規則な生活を続ければ不具合が起きるかもしれません。同じように、家計や資産について小さな無理を続ければ、退職後に平穏な生活を送るためのお金が足りなくなるかもしれません。 このような家計収支や資産残高をめぐる将来の問題点を指摘してくれるのが、ライフプランニングです。早めに改善策を打ち、年金生活が始まってから暮らしに困るような事態を回避することができます。

ライフプランの立て方

将来像や目標をはっきりさせる

ライフプランを立てるための最初の1歩は、家族1人ひとりが持っている目標や理想とする生き方を明らかにすることです。 どの家族にも「このような生き方をしたい」という目標があるはずです。夫婦の価値観や、親として子どもに伝えたい事柄などをよく話し合い、考えることからライフプランニングが始まります。

長めのスケジュールとして取り組む

人生の計画というと大変なことのように感じてしまい、ライフプランの作成に着手できない人がいるかもしれません。そのようなときは、ライフプランは長めのスケジュールと考えるとよいでしょう。 仕事や学校のスケジュールのように一生分のざっくりとした計画をつくるところからスタートします。そのスケジュールを個人分だけでなく家族の分まで作成すると、ライフプランらしくなってきます。

枠組みをつくる

まずはライフプランの枠組みをつくりましょう。現在から将来にわたって何も書いていないカレンダーのようなものをイメージしてもらえるといいかもしれません。何歳まで生きるのかは誰にもわからないので、とりあえず日本の平均寿命を参考にするとよいでしょう。 枠組みができたら、一生の思い出になるくらい大きなイベントを時系列順に並べます。結婚、出産、子どもの進学、住宅購入、転職、子どもの就職、住宅ローン完済、定年退職など、思いつくままに書き出してみましょう。

収支を予測する

ライフプランの枠組みをつくり、大きなライフイベントを書き込んだら、大まかな収支を記入していきます。将来の収入を正確に予測することは難しいのですが、会社員の平均賃金などを参考に5年後の収入、10年後の収入と節目ごとに計算してみてください。 支出の柱になるのは住宅資金、教育資金、老後資金の「三大資金」です。インターネット上に公開されているシミュレーターなども活用し、三大資金の大まかな額を把握しましょう。

家族の楽しみに使う費用

大きなライフイベントや、三大資金の次に書き込む支出は、家族ごとに異なる楽しみを生み出すための費用です。 車の買い替えや海外旅行などのイベントを楽しみにしている家族は、それらを洗い出してもよいでしょう。

資金計画

大きなライフイベントが起こる時期や必要な資金、三大資金、楽しみに使う費用がわかった段階で、トータルで収入が十分なのか、それとも不足するのかが見えてきます。 このまま行くと収入が不足する見込みなら、不足分を補うための方法を考えなければなりません。具体的には、転職する、副業を始める、妻が専業主婦の場合は働く、教育費の不足を奨学金で補う、といった手段が考えられます。

修正する

収入不足を補う十分な方法が見つからない場合は、支出を抑制することになります。この修正作業を行うことで、家族が本当に大切にしている「譲れないもの」や「できれば実現したいもの」、よく考えてみたところ「なくてもよいもの」がはっきりしてきます。その結果、ライフプランの現実味が増すとともに、その家族の価値観が込められた家族ならではのライフプランが練り上げられていきます。

最初から完璧を目指さない

これまでにライフプランをつくったことがない家族も多いのではないでしょうか。そのような家族が最初から詳細に作り込んだライフプランを立てようとしても、なかなかうまくいきません。 むしろ、初めてのライフプランニングで力を入れ過ぎると、作成しただけで満足してしまい、その後の見直しなどをせずに時間とともに忘れ去ってしまう恐れがあります。 まずは大雑把な現状把握を目的に、ライフプランの枠組みと大きなライフイベントが意識できるようになれば成功と言ってよいでしょう。その後、気が向いたときに内容を見返し、その時点の状況に合わせて更新していけばよいのです。

三大資金

人生の三大資金と呼ばれている住宅資金、教育資金、老後資金。 一方にかけ過ぎて他方の資金が後々不足してしまったりすることがないよう 家庭ごとにどこに重点を置くのかバランスを考えながら準備していく必要があります。

人生の三大資金と呼ばれる住宅資金、教育資金、老後資金は、どれから貯蓄を始めればよいのでしょうか。いずれも短期間で貯められるような額ではないため、ライフプランに基づいた早めの準備が必要となります。

住宅資金

多くの家族が子どもの誕生や成長に伴って賃貸住宅が手狭になったことをきっかけに、一戸建てやマンションの購入を検討し始めます。そのため、三大資金の中で住宅資金が最初に必要になるケースが一般的です。 住宅資金を調達するため、ほとんどの人が長期間の住宅ローンを組みます。住宅ローンを返済しながら子どもを育てていく負担などを考えると、2割程度の頭金を用意するのが理想です。また、住宅ローンを組むときの諸費用は現金で準備しなければなりません。 ローンの返済月額だけに注目せず、固定資産税などの税金やマンションの維持費といった継続的な支出も考慮しましょう。

教育資金

家庭によって教育資金に大きな違いが表れるのは、子どもが公立学校に行くか、私立学校に行くかを選択するときです。静岡県内では大都市圏に比べると、いわゆる「お受験」や中学受験は盛んではありませんが、政令指定都市など人口が多い地域を中心に私立や国立の小中学校があります。

文部科学省の平成30年度子供の学習費調査によると、幼稚園から高校まですべて私立に通った場合の学習総額費は約1,830万円で、すべて公立の場合の約540万円の約3.38倍に上ります。 大学の4年間の学費を見ると、国立大は約240万円なのに対し、私立(※ 全平均)は約460万円と大きく違います。 ※私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について(文部科学省) これらの教育費が子どもの人数分だけ必要になります。そのため、子どもの誕生と同時に教育資金の準備を始める人が多いわけです。

老後資金

将来のための老後資金も必要です。夫婦2人で必要な老後資金については様々な考え方がありますが、3,000万円くらい用意した方がよいという意見もよく聞かれます。

三大資金は総合的に考える

住宅ローンの返済と教育費の支出は時期が重なります。また、住宅ローンの返済期間を長く設定すれば、老後資金にも影響するでしょう。 教育資金の充実に熱心だったあまり老後資金が不足してしまったり、住宅資金の比重が大き過ぎたために生活に余裕がなくなってしまったりするケースもあります。 そのようなことにならないよう、例えば教育費に重点を置く代わりに住宅に掛ける資金を控えるなど、人生の三大資金のバランスを考えて貯蓄・支出していくべきでしょう。

今回はライフプランの作成について知っておきたいポイントをまとめました。「どのような人生を送りたいか」について考えることを出発点に、それぞれの家族の人生設計を立て、住宅の資金計画に役立ててください。

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