増税前の分譲住宅市場を探る

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2014年4月から実施される消費税引き上げに伴い、増税前の住宅需要が増加したことで、静岡県の住宅各社は消費税5%適用の分譲住宅販売に力を注いでいる。住宅ローンの金利が低いことおよび増税前の今が買い時であるが、購入にあたっては早めの資金計画がポイントになる。

住宅ローン減税拡大やすまい給付金でも3%の差は大きい

例年以上に分譲住宅の数を増やし、ニーズに応える遠州鉄道。竹下さんは続ける。「上期着工分を含め、下期は例年より多い75棟を県西部(菊川市〜湖西市)で新発売します。弊社では各々の土地条件や敷地形状、陽当たり、風通しなどを緻密に計算して設計しており、オンリーワンの分譲住宅にこだわっています。8月頃から販売会の来場者数が軒並み増えていて、お客様の旺盛な購入意欲を感じますね」。
大和ハウス工業浜松支店でも今年3月までに大量の土地を仕入れ、中部エリアでトップの買い付けを行なった。折原さんは次のように説明する。「11月、12月、1月、2月と段階的に完成していくように計画しています。今年4月頃から次第に分譲住宅のニーズが高まり、増税決定後の10月第一週には大きな動きがありました。お客様の判断もスピーディーになっていて、事前にインターネットで情報をチェックし、発売後1ヶ月以内でご契約いただくケースも増えています」。

遠州鉄道「可睡の杜」分譲住宅
遠州鉄道「可睡の杜」分譲住宅

分譲住宅市場の活発化は確実といえそうだが、その反面、来年4月以降の反動減が予想される。これに対して政府は8%になった際の負担緩和策を打ち出している。まず、2013年末で期限が切れる予定だった住宅ローン減税を2017年末まで4年間延長(減税期間は10年間)するとともに、住宅ローン残高をベースに毎年、所得税から控除される額の上限を現行の20万円から40万円に引き上げた。さらに、所得税では控除しきれなかった分を住民税から控除する上限額も、現行の97,500円から136,500円に拡充する。
ただ、住宅ローン残高が2,000万円以下の場合は控除額が20万円に届かず、控除上限額引き上げの恩恵がない。また、所得税や住民税の納付額が少ない世帯は税額が控除額より少ないため、補助が意味を成さない事態が生じる。

一方、すまい給付金についても、消費税8%の場合は、年収の目安に応じて10万円から30万円の給付基礎額が用意されているが、これらの補填してもなお、消費税5%と8%の支払額の差を埋めることは難しいだろう。

大型分譲地から小規模まで販売物件を隈なくチェック

では、遠州鉄道と大和ハウス工業が現在および今後販売する主な分譲住宅を紹介しよう。

遠州鉄道が手がける袋井市の「可睡の杜」では6棟の分譲住宅を販売。このうち3棟が完成済みで、3棟が来年1月に完成予定だ。浜松市内では「きらりタウン浜北」で5棟(3棟完成、2棟建築中)、上島3丁目で2棟(完成済み)を販売している。竹下さんは「街並みなど周辺環境に合わせてデザイン性の高い住まいを設計し、ご好評いただいています。既に内覧可能な分譲住宅もありますので、ぜひ、足を運んでご覧いただきたいですね」と語る。

大和ハウス工業の分譲住宅はすべて外張り断熱の家「xevo(ジーヴォ)」。浜松市浜北区平口と掛川市宮脇で11月に販売されるほか、浜松市、磐田市で新築分譲住宅が続々と誕生している。「4LDK や 4LDK + WIC が中心で、床暖房完備の住まいも。収納スペースをたっぷり設けているのもポイントですね。分譲住宅選びは多くの物件を幅広く観察することが大切。図面上ではわからないこともありますので、あれこれ比較してご家族のライフスタイルにぴったりの住まいを見つけていただきたいと思います」と折原さん。
分譲住宅の選択肢が広がっている今、できる限り現地へ足を運び、見て、触れて、感じてみることが近道だ。
浜松市の一戸建て購入情報はこちら
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遠州鉄道「可睡の杜」街並み
遠州鉄道「可睡の杜」街並み

焦りは禁物。購入後の生活を考えて冷静に決断を

来年3月末までを「まだ5ヶ月もある」と考えるか、「あと5ヶ月しかない」と捉えるかはその人次第。焦りは禁物だが、時間が刻々と流れていることは事実だ。
竹下さんは次のようにアドバイスする。「消費税は建物だけでなく、設備や家具にもかかってきます。新しい住まいに入居すれば豊かな暮らしがしたくなり、いろいろと買い揃えたいものも出てくるでしょう。5%のうちにという思いはごもっともですが、入居後のライフプランも忘れてはいけません。アフターサービスや保証、住宅ローンの返済など、先々のことをしっかり考え、冷静に判断していただきたいと思います」。
確かに今の状況は実態よりマインドが先行している感がある。賃貸住宅の家賃相場が高値安定か下落かによっても、持ち家志向は変わってくるだろう。大勢に流されることなく、“自分の場合”をきちんと見つめることが大切だ。

大和ハウス工業「ブリックタウン小豆餅」
大和ハウス工業「ブリックタウン小豆餅」
(撮影日:平成25年10月18日)

住宅ローンの金利が低いこともあり、増税前の今が買い時であることは間違いないが、購入にあたっては早めの資金計画が重要と折原さんは強調する。
「せっかく憧れの住まいを手に入れても、入居後の生活が苦しくては元も子もありません。通常、契約を結んでから住宅ローンの審査、申込みという順序になりますが、できれば契約前に住宅ローンの事前審査を受けることをおすすめします。そうすれば、資金面の不安が払拭され、その後のプロセスもスムーズに進むはず。と同時に、予算オーバーのない現実的な住まい探しが可能になります。
資金計画、情報収集、見学、決断のすべてを早め早めに行なうことが成功の秘訣です」。

編集協力 静岡情報通信

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