不動産価格指数の推移
目次
国土交通省はこのほど、不動産市場の動きを示す新しい指標として「不動産価格指数」を発表した。それによると全国の更地・建物付土地やマンションの価格を示す住宅総合指数は、2008年度(平均100)を基準とし、直近データでは2012年7月に91.1(対前年同月比▲3.2%)に下落した。このうち中部地方は88.1(同▲2.3%)に下落した。
不動産価格指数
不動産価格指数(住宅)【全国】
不動産価格指数(住宅)【中部地方】長野・静岡・岐阜・愛知・三重
2012年7月の価格指数
不動産価格指数(住宅)とは
2007年の米国のサブプライムローン問題、2008 年のリーマン・ブラザーズの破綻により世界的な金融危機へと発展し、実態経済にも危機が拡大した。またヨーロッパではイギリスやスペインで2000年代以降不動産バブルが崩壊し、現在のヨーロッパの経済危機の一つの要因となった。これらは不動産の価格変動を適切に把握できなかったことが危機を拡大させた要因の一つと考えられている。そこで、不動産価格の動向を、国際共通指針のもとで迅速かつ的確に把握するため、不動産価格指数(住宅)を作成し公表することになった。国土交通省は、作成にあたっては不動産取引価格情報をもとに、国際機関が新たにつくった不動産価格の算定手法「ヘドニック法」という手法を用いて行なっている。
ヘドニック法について
不動産の価格は、それぞれの物件の立地や特性によって大きく異なる。不動産価格指数(住宅)では毎月の市場動向の変化を把握することを目的とするため、物件の立地や特性による影響を除去することが必要である。そこで、多数の物件データから、物件ごとの個別の特性が価格に及ぼす影響を除去し、いわば「同一品質の物件」を仮定し、月ごとの不動産市場の動向を把握するという手法をとっている。すなわち、不動産の価格=「個別物件の特性に由来する価格」+「不動産市場の時間的な変化に由来して変動する価格」とみなして計算する「ヘドニック法(時間ダミー変数法)」という手法。(資料:国土交通省)
編集協力 静岡情報通信