不動産最新ニュース<2013年6月>
土地白書国土交通省、2013年版土地白書を公表
不動産投資信託(Jリ−卜)の活発化により不動産市場に回復の兆し
国土交通省は6月11日、「2012年度土地に関する動向及び2013年度土地に関する基本的施策(土地白書)」を公表した。
それによると土地取引件数をはじめ新設住宅着工戸数の増加、国内の不動産投資信託(Jリ−卜)の活発化により「不動産市場に回復の兆しが見えている」と分析。その上で「地価の回復基調を確かなものとし、資産デフレからの脱却に向けて取り組んでいくことが求められる。今後も不動産市場を活性化させていくことが必要である」としている。
ここではその中から一部を抜粋してお届けする。
土地取引の動向
(土地取引件数等の推移)
土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向を見ると、2012年の全国の土地取引件数は120.4万件(前年比6.0%増)となり、9年振りに増加に転じた。また、四半期ごとの推移を前年同期比で見ると、いずれの圏域でも、2012年第2四半期以降大きくプラスとなっている。
売買による土地取引件数の変化率(前年同期比)の推移
(住宅市場の動向)
2012年の新設住宅着工戸数は882,797戸(前年比5.8%増)となり、3年連続の増加となった。マンション市場の動向について、新規発売戸数の前年同期比を見ると、首都圏では2012年10-12月期に一時的にマイナスとなったものの、概ねプラスで推移している。近畿圏では2011年10-12月期以降プラスが続いており、2012年4-6月期以降はプラス幅が拡大している。
首都圏・近畿圏のマンション新規販売戸数の推移(前年同期比)
人口減少、少子高齢化等による土地利用変化
(相続による不動産の移転とその活用)
我が国では、60歳以上の高齢者が宅地資産の約60%、約530兆円の宅地資産を保有しており、多くの土地資産が高齢者によって保有されている。少子高齢化が進んでいくと、30代〜40代の子育て世代等が宅地資産を取得しても、その後、相続や親等からの贈与によって再び不動産を取得する可能性が高まっていく。そして、そのような場合には、積極的な活用意志がないままに不動産を所有することとなり、相続をきっかけとして有効活用されない不動産が増加するおそれもある。
住宅の敷地以外の土地のうち、主なものについて、その利用状況を尋ねたところ、「自分が利用している」との回答は4割弱となっており、未利用であるとの回答は約3割となっている。今後相続する可能性がある土地について同様に見てみても、利用する予定はないとの回答が3割強となっている。
相続可能性のある土地の利用意向
編集協力 静岡情報通信