増税後の住宅購入対策!「住宅ローン減税」と「すまい給付金」
住宅取得者に現金を給付!消費税率8%時は最大30万円、10%時は最大50万円
新築でも中古でも適用可能。住宅を現金で買う人にも給付!
「住まい給付金」
新築・中古を対象に4月1日から2017年12月末まで実施
すまい給付金制度は、住宅の取得に際し、引上げ後の消費税率8%が適用される人に支払われる。消費税引上げによる負担を軽減するのが目的のため、住宅ローン減税と同様に、経過措置により5%の消費税率が適用される場合は対象にならない。
住宅については新築住宅はもちろん中古住宅も対象だ。ただ中古住宅については、宅建業者による買取再販など、消費税の課税対象となる物件を購入した場合であり、消費税が非課税の個人間売買の中古住宅は対象外とされているので注意したい。またすまい給付金を受け取るには、指定の検査を受けるなど、住宅の品質や耐震性が確認できることが条件となっている。特に中古住宅の場合は、築後10年以内、耐震等級1以上(建築基準法と同程度)に制限され、良質な住宅のストック形成を促す目的から、付加価値の高い住宅の登場が期待できそうだ。(図表4参照)
すまい給付金制度の実施時期は、税制面での特例が措置される来年4月1日から2017年12月末まで。対象は2017年12月末までに引渡され入居が完了する住宅となっている。
給付額
【住宅をローンで買う人】
給付額は給付基礎額×不動産登記上の持分割合で算出
給付額は、収入(都道府県民税の所得割額)に応じて給付基礎額が定められ、これに不動産登記上の持分割合を乗じて算出する。
給付基礎額は、住宅をローンで買う場合で消費税率8%時には、年収の目安が425万円以下の人で30万円、425万~475万円の人で20万円、475万~510万円の人で10万円と3段階に分類。また消費税率10%時には年収区分を450万円以下から675万~775万円以下までの5段階とし、給付基礎額を10万~50万円に設定している。(図表5参照)
具体的な例では、所有者が夫婦の場合で、夫の年収450万円・持分割合60%、妻が年収300万円・持分割合40%とすると、給付額は夫が(20万円×60%=12万円)、妻が(30万円×40%=12万円)となる。所有者が夫のみの場合は(20万円×100%=20万円)が支給される。1つの住宅に登記上の持分保有者が複数名いる場合は、それぞれが申請することになっている。
【住宅を現金で買う人】
年齢50歳以上、年収650万円以下の人に支給。
また住宅を現金で買う場合には、条件を年収650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.3万円以下)と制限した上で、住宅をローンで買う人と同額が支給される。ただし対象者は年齢50歳以上で、新築住宅を購入する場合には、省エネ性能や耐震性の高い住宅(住宅支援機構のフラット35Sと同等基準)に対象を絞るなど条件はより厳しいものとなっている。
【図表5】
対象 | 新築住宅・中古住宅(ただし個人間売買は消費税が課税されないので対象外) |
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内容 | ローン利用者だけでなく、現金で購入した人にも給付。 ※引上げ後の消費税率が適用される人が対象。 |
対象者の要件 | ・住宅を取得し自分で居住する人。不動産登記上の持分保有者。 ・住民票で取得した住宅への居住が確認できる人。 ・収入が一定以下の人。 [8%時] 年収が510万円以下 [10%時] 年収が775万円以下 ※住宅ローンを利用せず、現金で住宅を取得する人は年齢が50才以上で、年収が650万円以下 (都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の人。 |
給付額 | ・収入額(都道府県民税の所得割額)によって給付基礎額が決まり、給付基礎額に登記上の持分割合を乗じた額(千円未満切り捨て)が給付される。 |
編集協力 静岡情報通信