2013年4月1日時点 地価の下落幅が縮小 取扱件数は増加傾向に！

【不動産市況DI調査】
2013年4月1日を基準として、過去半年（2012.10.1〜2013.4.1）の不動産市場の推移に関する「実感」と、この先半年間(2013.4.1〜2013.10.1）の不動産市場の動向に関する「予測」について、公益社団法人静岡県宅地建物取引業協会会員の不動産事業者に対して、アンケート調査を実施したもの。

【DIとは】
現況や先行きの見通し等についてアンケートの回答の割合を用いて数値化したもの。「上がる」という意見から「下がる」とする意見を差し引いて算定する。

県内不動産市況26.8ポイント改善アベノミクス効果で消費者心理に変化

公益社団法人静岡県不動産鑑定土協会はこのほど、県内の不動産業者を対象に実施した市況調査の結果を発表した。それによると2013年4月1日時点の県内地価動向の判断指数（DI）は、マイナス19.5で、前回調査（2012年10月1日時点）のマイナス46.3から26.8ポイントも大幅に縮小して改善した。

これについて同協会では、「政権交代によって誕生した安部内閣による経済政策(アベノミクス)効果で、円安・株高傾向に転じ、企業業績や消費者心理が改善したこと等を反映したもの」とみている。

地域別では下落傾向にあったとする上位地域は志太地域の38.4%（前回51.2%）、東・南伊豆地域の36.7%（同67.7%）、伊豆・田方地域の36.4%（同63.6%）、富士・富士宮地域の33.3%（同37.5%）。一方、上昇傾向にあったとする上位地域は沼津･三島地域の16.7%（前回8.3%）、志太地域の11.6%（同4.9%）、浜松地域の10.3%（同0.5%）となっていて、すべての地域で改善し下落幅の縮小傾向が不動産業者の間で実感として伝わっていることが分かった。
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6ヶ月後（2013年10月1日）の地価の見通しでは、浜松・静岡・沼津など7地域でDIのプラスを予想し、全県で2.7を見込んでいる。これについて同協会では「沿岸部の津波被害が懸念される地域の不動産市況は依然として厳しいものの、2014年度に予定される消費増税を控えた住宅の駆け込み需要、住宅ローン金利の先高観、アベノミクスへの期待感等を反映しているのでは」と見ている。

2013年4月1日時点における過去6ヶ月間の地価動向（実感値）

2013年4月1日時点における6ヶ月後（2013年10月1日）の地価動向（予測値）

分譲地･マンション販売･仲介などの取扱件数が増加。今後さらに改善へ

過去6ヶ月間の取扱件数を項目別に見ると分譲地や建売りは今回はマイナス0.8で前回調査から18.9ポイント改善した。取扱件数が増えた上位地域は富士・富士宮地域20、北駿地域18.2、伊豆・田方地域12.5、浜松地域10.3とつづく。一方、減少傾向にあった地域は東・南伊豆地域でマイナス48、中遠地域でマイナス22.2だった。

マンションは今回マイナス19.8と前回調査から20.1ポイント改善した。仲介取引も今回マイナス6.5と前回調査から23.1ポイント改善している。

現在の取扱件数から、6ヶ月後（2013年10月1日）を予測すると、分譲地・建築条件付・建売をはじめマンション販売、仲介ともに増加するとみており、特に第1次取得者の需要の中心が沿岸部から内陸部へシフトする動きが引き続き堅調に推移してゆくとみている。また県東部地区では分譲や仲介が大きく増加すると予測されている。

アンケート調査は県宅地建物取引業協会に加盟する1000社を対象に行われ、有効回答数500社（回答率50%）だった。

編集協力 静岡情報通信