2013年静岡県西部不動産市場を予測
堅調な中区。底堅い遠鉄沿線。東区は有玉、上新屋で取引あり。
では、浜松市内の地価を細かく見てみよう。まず中区。全体的に値下がりがなく、特に遠州鉄道沿線は底堅いようだ。
「中区は1%の上昇で、中でも住吉、上島、新津、富塚、和合が堅調です。遠鉄沿線も底堅く、高架化工事が竣工して車の通行もスムーズになりました。今後、上島駅周辺の東西をつなぐ道路が整備され、早出の橋ができれば土地取引はさらに活発になるでしょう。東区も1%の上昇。有玉北町、有玉南町で上昇し、上新屋や宮竹でも取引があります。半田山で分譲中の全102区画の分譲地『グリーンヒルズ半田山』は住宅メーカー4社が乗り入れているので、価格的には相乗効果が出て買いやすいと思います。西区は1%~-3%と地区によって差があり、大平台のみ上昇。地主が土地を手放さず、供給が少ないのは例年同様です。一方、志都呂や雄踏は弱含みで、取引が止まっています」
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南区は前述した通り。浜北区はどうだろう。中村さんは「南から北へ向かって貴布祢、小松あたりまでは上昇傾向。『サンストリート浜北』や『プレ葉ウォーク浜北』など集客力のあるショッピング施設がそろい、国道152号バイパスも整然としていて利用しやすい。欠点が見当たらず、人気があるのもうなずけます。ただ、一定の要件を満たした市街地縁辺集落内に住宅が建てられる縁辺集落制度の導入により、安い土地が市場に出て、周囲の土地も強い相場がはれず、全体として値が下がる傾向にはあります」と語る。また、『きらりタウン浜北』は売物件が多く、相場は上がらないと見ている。
北区は細江、引佐、三ヶ日で下落している一方、新都田や初生で上昇した。これは2017年の稼働を目指してスズキが二輪の開発・生産拠点を移転することを決めた波及効果と見られる。北区新都田と浜北区中瀬大平の2ヵ所は地方圏の工業地の変動率で全国1位に。都田工業用地にはスズキの関連企業の移転も計画されていて、居住人口の増加が見込めそうだ。
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国道152号線バイパス(有玉地区)
浜松北部の地価は堅調に推移。中区から浜北区・天竜区を結ぶ交通の要衝だ。
遠鉄西鹿島線上島駅
遠鉄高架完成により今後は東西交通がよりスムーズになると期待される上島駅周辺地区。道路整備と合わせて土地取引も活発化が見込まれる。
半田山
全102区画を誇る大型分譲地「グリーンヒルズ半田山」。地盤もよく人気の分譲地となっている。
きらりタウン浜北
縁辺集落制度の影響で周辺の市街化区域の土地は値下がり傾向にありながらもきらりタウン浜北は販売中の物件も多く、価格の相場は上がらないと思われる。
新都田
スズキが2017年の稼働を目指し、二輪の開発・生産拠点の移転を決めた新都田。都田工業用地には関連企業の移転も計画されている。
初生町
注目される高台エリアにあって、新都田と共に土地の価格が上昇した初生町。
磐田市中心部、袋井市久能、湖西市新所原などポイント的に上昇地点も。
近隣市町に目を向けると、横ばいか下落が大半を占める中、上昇しているエリアもある。「磐田市中心部はもともと供給が少ないところへ、沿岸部から移り住みたいというニーズがあり、値上がりしています。袋井市久能では大型分譲地が注目を集め、周囲に企業の工場が多数存在する湖西市新所原は駅南側の整備に伴って堅調に推移。価格も底堅く、地主がなかなか手放さない傾向にあります」と中村さん。今後、劇的に上昇する要素はないが、街や道路の整備にともなって環境が整い、企業の業績が落ち着けば、条件の良い土地から順に動き出しそうだ。
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「地価は限りなく底値に近く、現在よりも値下がりすることはないと思われます。以前と比べて市場がシュリンク(縮小)しているのも近年の特徴です。浜松市を例に挙げると、最初から中区に限定して土地を探し、他の区は選択肢に含めないといった人が目立つようになりました。エリアを限定することは、土地との出会いのチャンスを減らすことでもあるので、もう少し弾力性を持たせた探し方をした方が得策かと思います」
大々的に告知される大型分譲地だけでなく、掘り出し物件が狙えるミニ分譲地にも注目し、広い視野と細やかな目線をあわせ持つことが大切だ。
袋井市久能
平成23年12月に分譲を開始した「サンフィールド中久能」は、開始当初から好調な動きをみせた。
湖西市新所原
新所原は区画整理事業の駅南側整備に伴い、住宅着工も堅調に推移している。
編集協力 静岡情報通信